ピアノ協奏曲集 バーラミ、シャイー&ゲヴァントハウス管弦楽団
検索結果:2件中1件から2件まで表示
-
Piro | 埼玉県 | 不明 | 2013年05月27日
本アルバムにおいて、リスナーはかくも美しい矛盾に瞠目することになる。CDのブックレットにもあるように、シャイーが最も腐心したことの一つに「いかにして一つの総体としてのハルモニーを作り出すか」ということがあるようである。オケとピアノは相互補完の関係にあり、完全なるポリフォニーのためにお互いが奉仕しなくてはならない。その後の世代の協奏曲と違って、独奏楽器とオケとの丁丁発止とばかりの対話や駆け引きはバッハでは禁物なのである。この姿勢はアルバム全編にわたって貫かれ、完璧なオケと完璧な独奏者が作り出す一刀彫の造形物として堂々たる姿を見せてくれる。が、やはり書くべき点はそれだけではない。才気あふれるバーラミという若鯉が水を得たかのようにピチピチとはねるのを抑えることはできないし、それこそは群衆が是非ともその場に居合わせたいと願っている、新しい世代の息吹を感じる瞬間なのである。バーラミの紡ぎだすピアノの音はハルモニーを決して乱さずに、自己を主張してくる。リスナーは矛盾の止揚に立ち会うことが出来るのである。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
このレビューに 共感する
-
一人のクラシックオールドファン | 兵庫県 | 不明 | 2011年07月17日
2009年シャイー/LGHOのバックによりライプチッヒにおいてバッハのピアノ協奏曲二曲演奏にてデビューしたイラン出身の今やバッハ・プレイヤーでもあるバーラミがその後同じ伴奏バックでBWV1052〜BWV1056を新たに録音したのが本盤でバーラミが35歳頃、シャーイが57歳頃?と年齢的にも過不足ありません。シャイーは周知の通りLGHOを担当してそのレパートリーにバッハを積極的に収録も含め採り入れブランデンブルグ協奏曲、クリスマス・オラトリオ、マタイ受難曲等であるスタイルを確立しつつあり本盤ピアノ協奏曲伴奏演奏では更に現代のトレンディを反映したやや軽めでテンポ速い・・・私などオールドファンにとってはかつてのLGHOサウンドからは考えられないのが本音?・・・のが特徴です。ちなみに各曲実演奏タイムをご紹介しますとBWV1052@6’50A5’46B6’46、BWV1053@7’13A4’28B5’47、BWV1054@7’01A5’40B2’37、BWV1055@3’45A5’18B3’45、BWV1056@2’50A2’28B2’57と夫々短めとなっております。一方バーラミのピアノ・・・バーラミはバッハ弾きでもあったワイセンベルグやシフに師事したもののバッハ演奏については基本的にはテュレックというピアニストに影響を受けているらしいのですがその辺りは私は不案内であります・・・は結構バックとの軌道とは別の存在感ある感情豊かな挑発的な面も見せつつ進めております。テンポ速めの5曲、一挙の収録盤でビジネスライクさと共にやや好き嫌いの分かれる処でしょうがバッハ演奏家として注目して行きたいと思います。以前ペライアのバッハ・ピアノ協奏曲でショックを受けた私を思い出した本盤演奏でもあります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)1人の方が、このレビューに「共感」しています。
このレビューに 共感する
検索結果:2件中1件から2件まで表示