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ワーグナー(1813-1883)

CD 『トリスタンとイゾルデ』全曲 カラヤン&ベルリン・フィル、ヴィッカーズ、デルネシュ、他(1971〜72 ステレオ)(4CD)

『トリスタンとイゾルデ』全曲 カラヤン&ベルリン・フィル、ヴィッカーズ、デルネシュ、他(1971〜72 ステレオ)(4CD)

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  • ★★★★★ 

    jasmine  |  愛知県  |  不明  |  2023年10月13日

    フルトベングラー、ベーム、クライバーも素晴らしいが、カラヤンの入魂の演奏も捨て難い。というより、私は、カラヤン盤をもっとも好む。次点はクライバーか。フルトベングラー盤は当時最高のキャストと指揮者の崇高さ(レコード嫌いで有名なフルトベングラーだったが、このセッションにはいたくご満悦で、犬猿の仲であったプロデューサーのレッグに感謝の辞を述べたという)、ベームは絶頂期のバイロイトのスターの精力的な歌唱とライブで燃える指揮者の推進力が感動を呼ぶ。無論、これらの伝説的名盤をトリスタンの代表的な名演とするに些かの躊躇いもないが、フルトベングラー盤は今となっては録音も演奏スタイルも古く、ベーム盤は一直線に突き進む勢いは凄まじいが、何度も聴くと直情的過ぎて含みに欠ける。カラヤンのトリスタンは、それらの名盤と比較してさえ、別次元の奇跡的な記録となった。 全盛期のカラヤンの作品には、時として何かに憑かれたような壮絶な凄演があるが、これもその一つ。特にベルリン・フィルを起用して演ったオペラの全曲盤に、それが多いように思う。オテロ、ボエーム、フィデリオ、ドン・カルロ、トロバトーレなどなど。 完璧なキャスティングで臨んだウィーン・シュターツオーバーとのセッションに対して、ベルリン・フィルとのオペラ作品には主役級の歌手の起用に少なからず疑問がある場合もあるが、そうした問題をものともせずにオーケストラが咆哮し、熱烈に歌い抜く、といった感じで、雄弁極まりないカラヤン節が鳴り響く。完成度の高さよりも、とてつもない《オーラ》を信条とする、全く独自の魅力を放つ演奏が展開されている。従って、作品を聴くというよりも、カラヤンを聴くという印象もなきにしもあらずだかが、カラヤンの魔力、磁力に完全に圧倒され、息を吐く間もない。カラヤンは共演する相手やプロデューサー、録音会場に応じて作成する作品のコンセプトや演奏スタイルを変化させる(ベルリン・フィルの団員でフルトベングラー信者のテューリヒェンの『カラヤンの複数ある同一作品のレコードは録音技術や方式が違うだけで、その内容には進歩も変化もない』という見解には、私は賛同出来ない)が、ベルリン・フィルという世界最高のオーケストラをピットに入れるからには、そのことの意義を何が何でも反映させなければ、と言わんばかりの壮絶な演奏だ。新旧のオテロ、トロバトーレ、トスカやカルメンを聴き比べれば、誰しもその違いを明確に認識出来るはずだ。名将カラヤンと稀代のスーパーオーケストラ=ベルリン・フィルの渾身の演奏に引き摺り回される。 「奇跡の人 カラヤン」と称賛され、ドイツ音楽界の最年少のカペルマイスターとして認知かれるきっかけとなった勝負曲『トリスタン』を全盛期のカラヤンが振って悪かろうはずもないが、自身をして「いま私とベルリン・フィルは最高の状態にある」と言わしめた時期の名作である。必聴の名盤として推薦したい。 バーンスタインのむせかえるが如き粘っこい演奏を良いという方もいらっしゃるし、バレンボイムやティーレマンも健闘してはいるが、まだまだこの4人の域には達していないと思われる。 現在、カラヤン最盛期のオペラ作品(いずれも同演目の代表的名演盤)の多くが廃盤になっている! 何たることか? 一刻も早く、SACDで、オリジナル丁装でリイッシューすべきである。その暁には、我々は、カラヤンとベルリン・フィルというコンビがどれほどの隔絶した存在だったかを、改めて思い知ることになるであろう。

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  • ★★★★☆ 

    好事家  |  千葉県  |  不明  |  2023年03月29日

    カラヤン〜ベルリン・フィルにとってこれ以上相応しい作品はないと思うんですが、ベーム〜バイロイトから受ける感動に及ばないというのが、初めて聴いた時から一貫した感想です。この作品の演奏は命懸けのような気迫で臨まないと難しいのかもしれません。それとヘルガ・デルネシュは当時既にソプラノの音域は辛そうで、特に第1幕でイゾルデの感情が激する場面では絶叫調というか金切り声になってしまっているのが残念な所です。ジョン・ヴィッカーズは賛否両論ありますが私はオテロよりは向いていると思います。

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  • ★★★★★ 

    H.N  |  不明  |  不明  |  2021年07月17日

    今まで様々な演奏家でこの楽劇を聴いてきたけれども、オーケストラの雄弁さという点において、このカラヤン盤に並び立つものを思い返すことは難しい。ワーグナーの書いた音符たちが水を得た魚のように生き生きとしている様(必ずしもフレッシュという意味ではなく、神話性や官能性などにおけるそれであるが)は、文字通り、筆舌に尽くしがたいものだ。ヴィッカースの配役は昔から賛否両論あるが、個人的には嫌いではない。彼に対するよくある酷評には、少なからず違和感を覚える。ただし「トリスタンとオテロ、一体どちらの役の方が相応しいか?」と問われたら、私ならオテロと答えるだろう。なお、フィルハーモニア管を指揮したフルトヴェングラー盤も勿論素晴らしいとは思うが、やはりモノラル録音という当時の限界によって音の広がりはスポイルされてしまっている感は否めず、良好なステレオ録音のカラヤン盤と比べると些か聴き劣りすると言わざるを得ない。尤も、この楽劇に興味のある音楽ファンには、是非とも両方持つことを奨めたい。なお、当カラヤン盤において、これまでにリリースされた盤ごとの音質の違いについては、装置の違いや好みの問題に帰することのできる範囲内だと個人的には思う。

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  • ★★★★★ 

    surwolf  |  東京都  |  不明  |  2018年05月11日

    カラヤンのトリスタンには名盤と言われる他の多くの演奏が決して届かない水準がある。フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、ベーム、ショルティ、クライバー等の優れた演奏の数々に対してカラヤン盤が一線を画する所以は、トリスタンが死へと赴く内的な必然を、ベルリンフィルの確固たる音に託して抉り出しているところにある。それは第三幕への前奏曲冒頭の深く繊細な響きを聴くだけで誰もが納得できるのではないだうか。第三幕の、トリスタンの孤絶したエロスにこそ「トリスタンとイゾルデ」の真髄は宿るのである。それ故に、ポネルのような演出も成立するのだろう。もちろんワーグナーの音楽の価値がそうした内面性にのみあると言うつもりはありませんが。。なおCDの音質的には日本版(東芝EMI,CE30-5231/34またはTOCE9458/61)が手に入るなら、そちらをお薦めします。

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  • ★☆☆☆☆ 

    カバポチ  |  神奈川県  |  不明  |  2017年08月31日

    確かにこの盤の音質はひどい。金物を叩くような、いかにも安っぽいキンキンと耳を劈く騒音に過ぎない。最近のCDは本当に劣悪な廉価のリマスター盤が氾濫している。私は、EMIの国内初出盤(CD30-5231〜34)を愛聴しているが、それはそれは素晴らしいオリジナルの音質で、これで聴くとカラヤンの至芸にただただ圧倒される。皆さんも是非中古盤で探して頂きたい。カラヤンに対する評価が全く変わると思う。勿論、トリスタンのベストCDは上記のカラヤン盤だ。これを聴くと、クライバーなどはいかにも生ぬるいままごとの世界だ。カラヤンとは次元が違うのである。

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  • ★★★★★ 

    ルシータ  |  東京都  |  不明  |  2017年04月12日

    オーケストラは澄んだ響きと大きなウネリを持った演奏で音楽に没入できます。好き嫌いが分かれる演奏のようですが、見事な出来だと思います。

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  • ★★★★☆ 

    silver  |  岐阜県  |  不明  |  2016年07月31日

    オケが少しうるさいかなぁ・・カラヤンのオペラでは、同時期の蝶々夫人に匹敵する豪快さ。悪くは無いが、あまり好きな演奏じゃない。

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  • ★★★★★ 

    ym  |  東京都  |  不明  |  2014年10月28日

    評価が分かれるカラヤンのトリスタンだが個人的には非常に好きである。官能性という点ではフルトヴェングラーと並び双璧だろう。カラヤンの指揮もいつもの客観性はなりを潜めていてかなり特異である。所々主観的で没入感がすさまじく登場人物の苦悩っぷりをにじませる演奏である。それほどトリスタンはカラヤンにとって特別だったのだろう。全体的にフルトヴェングラー盤に近い表現で、いわゆる「深い」演奏といっても差支えないと思う(このあたりがカラヤンらしくなく評価に戸惑う理由なのかもしれない)。

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