シューベルト:弦楽四重奏曲第15番、ベルク:弦楽四重奏曲 クス四重奏団
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2011年05月03日
シューベルト晩年の室内楽曲のなかでも二つのピアノ・トリオ、弦楽四重奏曲『死と乙女』、弦楽五重奏曲あたりは名曲との評価に異を唱える人はいないが、最後の弦楽四重奏曲であるこのト長調はまだ問題作かもしれない。某『名曲解説全集』ではシューベルトが自分の柄に合わないことをしようとした失敗作と断じられたこともあった。しかし、私は『死と乙女』に優るとも劣らぬ傑作だと思う。この演奏はかなり遅めのテンポで強弱、緩急などの表情づけが非常に濃い。第1楽章などは「アレグロ」よりも「モルト・モデラート」を重んじているし、終楽章も「アレグロ・アッサイ」という感じにはほど遠い。しかも主旋律よりはポリフォニックな線のからみを重視して、攻撃的にガリガリと弾いてゆく。叙情的な歌の作曲家という従来のシューベルト・イメージを意図して壊そうとしている演奏で、ネガティヴに見れば「音楽の自然な流れを損なっている」とも言えるが、私は高く評価したい。ベルクも濃密かつ微視的な演奏で、師匠格のラ・サールやアルバン・ベルク四重奏団との世代の差を感じる。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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