ツェムリンスキー:歌劇『こびと』全曲、ウルマン:歌劇『壊れた壷』全曲 コンロン&ロサンジェルス・オペラ(2008 ステレオ)(日本語字幕付)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2011年01月09日
ユダヤ人で身長が低いという自分自身のコンプレックスをそのままオペラの題材選択に反映させてしまうなんて、考えられないセンスだが、私はむしろそこにツェムリンスキーのしたたかさを見る。『こびと』はやはり断然面白いオペラだ。この作品は演出家ドレーゼンが台本を少しいじって『王女様の誕生日』というワイルドの原作通りの題名でも録音されていたが、今回は元に戻されている。「次のプレゼントは心(心臓)のないのにしてね」という王女様の決めゼリフがなくなったのは寂しいが、逆に障害者(奇形者)差別に配慮して除かれたきついセリフは復活した。演出はベラスケスの名画『ラス・メニーナス』を最初と最後の額縁に使う以外は、さしたる工夫もなく写実的だが、17世紀スペイン宮廷の栄華をしのばせる豪華なセット。黒人テノールのディクソンは熱演。背中のコブはリアルに作られているが、かつてのリーゲルのように膝をついたまま歩く芝居はしない。王女のダンリーヴィーも(彼女の容貌に合わせて12歳ではなく18歳の誕生日に設定変更されているが)見た目は申し分ない。ベテラン、アンソニーのギータが善人なのは救い。ツェムリンスキー・ルネサンスの立役者の一人であるコンロンの指揮も良い。 一方、『壊れた壺』はドイツ演劇史上、希少な傑作喜劇であるクライストの同名作品のオペラ化。抱腹絶倒、面白い。8人の方が、このレビューに「共感」しています。
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