Phineas Newborn Jr

CD Phineas' Rainbow

Phineas' Rainbow

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    recorda_me  |  東京都  |  不明  |  2009年11月08日

    涙なくして聴けない名演など、そうそうあるものではない。僕にとっては本作がそれだ。精神疾患に苦しみ続けたというフィニアス・ニューボーンの緩急に満ちたプレイは聴く者を圧倒する凄みに満ちていて、その技巧には魂が篭もっている。深い苦悩と心の闇なくして生みだしえないものが、そこかしこに滲みでているのだ。まるでバド・パウエルのように。とりわけ他の追随を許さないのがピアノ・ソロ演奏の素晴らしさだ。本盤では“Angel Eyes“、” Stairway To The Stars”、“ She Mean’s Everything To Me”、 “Autumn In New York”がそれだが、どれも魂に訴えかけてくるような深みがあって胸を打つ。中でもジョージ・シアリングの“ She Mean’s Everything To Me”の名演は涙なくして聴けない。どうしても感情移入してしまって、聴くたびに目が潤んでしまう。これほどの訴求力をもつ演奏はめったにない。ところが本作は、どこもかしこもフィニアス節が躍如していて、不意に飛びだす物哀しいフレーズに泣けてくる。こういうしみじみとした感動はソロピアノにしか出せない。他のメンバーが加わった演奏もやはりピアノが異彩を放っており、まるでソロピアノのように聞こえる。そこが実にいい。フィニアスの作品中でも一、二を争う名盤だろう。彼は有り余る才能を有しながら若くしてシーンから姿を消し、晩年ときたま録音を残したものの恵まれた人生だったとは思えない。芸術家とは切ないものだ。でも亡くなってからも世界中の人々の心に感動をもたらし生活に潤いを与えてくれる。フィニアスも地上で人々に愛されたように、天国でも神様に愛されていることだろう。

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