長距離走者の孤独 新潮文庫
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苺 | 不明 | 不明 | 2021年03月21日
永遠の名作、パンク精神の金字塔です。 面従腹背ってやつですね。かっこよく、かつ効果的に反抗するためにはこうすればいいんだということを教えてくれる、最高にパンクな小説です。 主人公はイギリスの労働者階級出身の男の子で、感化院にぶち込まれた後、俊足を見込まれてクロスカントリーの選手にさせられます。 院長の顔を立てるために大会に出されるのですが…どうなる?というのが筋書きです。 もちろん筋書きとパンク精神も最高に素晴らしいのですが、私がこの小説を好きなもう一つの大きな理由は、長距離を走るときのあの息遣い、他者ではなく自分ととことん向き合っているあの感じが見事に描写されているからです。 「おれにもクロスカントリー長距離走者の孤独がどんなものかわかってきた。おれに関するかぎり、時にどう感じまた他人が何と言って聞かせようが、この孤独感こそ世の中で唯一の誠実さであり現実であり、けっして変わることがないという時間とともに。」 この一節はいつまでも色あせることのない名文です。 『長距離走者の孤独』以外にも良い作品が収められていますが、表題作だけでも読む価値あります。いつまでも読み継がれてほしい短編集です。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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