基本情報
内容詳細
五世紀ごろにインドの学僧アサンガによって書かれた仏教の哲学文献―『阿毘達磨集論』。サンスクリット語によって書かれたこの文献のほとんどは長いあいだ散逸し、断片が残っているに過ぎない状況であったが、近年の写本発見などにより、資料の全貌が明らかになりつつある。新たに発見された資料、そしてそれにもとづいて復元された原典はなにを物語るのか。インドからチベットへ、そして過去から現在に至るまでそれはいかに伝承されてきたのか。最新の研究成果にもとづき、『阿毘達磨集論』の原典・翻訳・註釈について多角的に論じる。
目次 : 1 『阿毘達磨集論』における「アビダルマ」とは何か?―『カダム全書』所収資料を手掛かりに/ 2 Hidden Intentions(abhisamdhi)in the Abhidharmasamuccaya and Other Yog〓c〓ra Treatises/ 3 ションヌ・チャンチュプ『阿毘達磨集論』註釈の思想史上の位置づけ/ 4 『阿毘達磨集論』の梵文写本について/ 5 チベット撰述注釈書の構造化記述について―チョムデン・リクレル著『阿毘達磨集論釈・荘厳華』に対して/ 6 チベット仏教文献研究の覚書―源流・内在・幻出
【著者紹介】
高橋晃一 : 1971年生まれ。東京大学准教授。東京大学文学部インド哲学仏教学専修課程卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。東京大学助手、日本学術振興会海外特別研究員(ドイツ・ハンブルク大学)、東京大学特任研究員、筑波大学助教などを経て、現在に至る。専門はインドの瑜伽行・唯識思想で、特に最初期の思想の形成過程を研究している
根本裕史 : 1978年生まれ。広島大学大学院人間社会科学研究科教授。広島大学文学部人文学科卒業。広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員(筑波大学)、同海外特別研究員(中国・青海師範大学)、広島大学大学院文学研究科准教授を経て現在に至る。専門はインド・チベット仏教中観思想およびチベット古典文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
高橋晃一
1971年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)(東京大学)。現在、東京大学文学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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