忘却の引揚げ史 泉靖一と二日市保養所

下川正晴

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784863291553
ISBN 10 : 4863291558
フォーマット
出版社
発行年月
2017年07月
日本
追加情報
:
333p;19

内容詳細

戦後日本の再生は、ここから始まる。中絶施設・二日市保養所は、忘却された「戦後史の穴」である。跡地に立つ「仁」の慰霊碑が、その記憶を静かに語る。―満州などでの性暴行被害者数百人が、引揚げ港・博多近郊で治療を受けた。女性や孤児らを支えた献身的行為に光をあてた労作。インカ遺跡を発掘した文化人類学者・泉靖一を、「災害人類学」の先駆者として再評価する。

目次 : 第1章 「二日市」からの旅/ 第2章 二日市保養所の真実/ 第3章 証言と「問診日誌」/ 第4章 泉靖一という男/ 第5章 泉靖一の闘争/ 第6章 「聖福寮」の山本良健/ 第7章 石賀信子と保母たち/ 第8章 映像の力・上坪隆/ 第9章 次世代へ語り継ぐ

【著者紹介】
下川正晴 : 1949年鹿児島県生まれ。大阪大学法学部卒、立教大学大学院博士課程前期(比較文明論)修了。毎日新聞西部本社、東京本社外信部、ソウル支局、バンコク支局、編集委員、論説委員等を歴任。韓国外国語大学言論情報学部客員教授、大分県立芸術文化短期大学教授(マスメディア論、現代韓国研究)。2015年春定年退職し、著述業。近現代日本史、韓国、台湾、映画を中心に取材中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • ののまる さん

    日本敗戦後、満州や北朝鮮でソ連兵による強姦で妊娠した女性たちを、引揚げ後、堕胎手術をして救った福岡「二日市保養所」。当時どのような理由であれ女性の堕胎は違法で処罰対象であったため、医療関係者たちの決死の行為でもあった。また混血児を含む孤児を育てた「聖福寮」。沖縄だけが「唯一の地上戦」と言われるが満州は「内地」、被害者数は24万5千人と、原爆などより圧倒的に多い。なのに、引揚げについては、いまや忘却されている。ソ連兵だけでなく日本人側も助かりたいために女性を差し出した。戦後の日本のあり方を問う渾身の書。

  • 古本虫がさまよう さん

    著者は元毎日新聞のソウル特派員&論説委員。『歴史通』(2017年4月号)で、大高美貴さんが「ロシア・朝鮮人に「性奴隷」にされた日本人女性の悲劇」という論文を書いている。そこにも「二日市保養所」のことが出てくる。高松宮日記で、北朝鮮からの引揚げの女性たちがいかに酷い目にあっているかを記してあるのも引用されている(下川氏の本にも出てくる)。この保養所と泉さんに関しては、上坪隆氏の『水子の譜 ドキュメント引揚孤児と女たち』 (現代教養文庫)がある。その本も一読(再読?)した。あわせて読むとよく分かる。

  • Pio さん

    誰の文章だったか、映画『飢餓海峡』で主人公の妻は引揚げ者ではと推定する文章を、読んだことがある。戦場での性暴力というと、目を背けてしまう、というか逸らしてしまうが、現在も世界のどこで「進行形」であることは心せねばなるまい。

  • カナッパ、ユイッパ さん

    (★4.2) 本当に本当に恥ずかしい限りです。これまで一般の人より興味ともって積極的に先の大戦に関して、様々なことを学んできたと思っていました。しかし、実際には、本当に生々しい戦争の現実を知らず、同胞の痛み、悲哀、を知らず、同胞に救いの手を差し伸べた医者を中心としたチームの存在を知らず、何もわかっていなかったに等しいことが本書によって痛感させられました。 そして、本書で語られていたことは、今のマスコミでは殆ど取り上げられることがありません。そこに着目した本書は、真のジャーナリズムであるといえます。

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下川正晴

1949年7月28日、鹿児島県国分市(現・霧島市)生まれ。大阪大学法学部卒。毎日新聞西部本社、東京本社外信部、ソウル支局長、バンコク支局長、編集委員、論説委員などを歴任。立教大学大学院博士課程前期(比較文明論)修了。韓国外国語大学言論情報学部客員教授(日韓コミュニケーション論)、大分県立芸術文化短期

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