黄色い夏の日 福音館創作童話シリーズ

高楼方子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784834086263
ISBN 10 : 4834086267
フォーマット
出版社
発行年月
2021年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
316p;21

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読書メーターレビュー

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  • たるき( ´ ▽ ` )ノ さん

    この装丁を目にした時に、絶対に本棚にお迎えしたいと強く思った。大好きな高楼さんの新作、期待以上に面白かった!ふんわり揺れた空気、輝くようなキンポウゲ、懐かしく不思議な香り・・・私も誘い込まれてしまいそうで、怖さを感じるほどに引き込まれた。『妖しく美しい』という言葉がぴったりの作品。これから何度も読み返すことになるんだろうな♪

  • はる さん

    高楼方子さんの魅力の詰まった物語。ノスタルジックで抒情的な世界に引き込まれます。不思議な古い洋館を舞台にした、瑞々しいファンタジー。どこか「トムは真夜中の庭で」や「思い出のマーニー」を彷彿とさせて、読んでいて懐かしい気分。登場人物それぞれの繊細な心の動きや、現代日本の要素もしっかりと描かれていて、物語に厚みを加えています。終盤は読み終えるのが惜しいほど。決してもう戻れない時間、もう会えない人への思慕が、切ない余韻を残します。

  • 帽子を編みます さん

    水彩画の挿し絵がはさまれた本です。菩提樹、特徴的な建物、庭の草木には柔らかなタッチがふさわしく想像の助けになるように思います。でもキンポウゲは、もっとつやつやして輝くような花なのです、そこだけ光を集めるような…。話の印象はつかみどころがないぼんやりした感じです。中学生の夏、思いがけない出会い、手に入らないものへの切望。過去と現在がまだらに混じりあう不思議な空間、主人公がやつれすり減っていくのが見ていてつらいです。彼が知り合う老婦人が元編集者で本への思いは胸に響くものがあります。

  • ぶんこ さん

    小谷津さんのように、私もお隣に素敵な洋館が建っていたら、そしてその家が売りに出されると知ったら・・いてもたってもいられなくなり、どうにか買えるお金があったなら、老後のことなど忘れて買ってしまうでしょう。戦中の女学生が、厳しい現実を離れて憧れの世界を夢見る。そこには景介君が居て、お隣の憧れの少女「ゆりあ」に恋してる。時空がとんだような景介と「ゆりあ」「やや子」の世界。小谷津さんの佇まいと、怪しくも魅力的な洋館が、読んでいる私をも、景介君が迷い込んだ異世界を一緒に満喫させてくれました。

  • よこたん さん

    “かぜにゆれてる かれんなのばな わたしのすきな きのはなのばな” 黄色があふれる。夏の庭にこぼれんばかりに咲き乱れるキンポウゲ(バターカップ)の花の。古い洋館での不思議な光景。可憐な少女は一体誰? 憧れがいつしか形を成して、時代を超えた邂逅の果てに知る答えはほろ苦い。表紙と挿絵が素敵すぎる。はじまりの数ページのあふれる緑たちに、ぐいぐいと物語に引っ張り込まれる。頭の中で話がこんがらかってしまうところもあったが、もう一気読み。誰が見た夢だったのか、何かが見せた幻だったのか、それでもそこに幸せはあった。

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