くわしすぎる教育勅語

高橋陽一 (教育学)

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784811808321
ISBN 10 : 4811808320
フォーマット
出版社
発行年月
2019年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
269p;19

内容詳細

「以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」―すべての道徳が、この一点に集約される。明治のエリートたちが書きあげた315字。その文言はどこからやってきて、何を目指したのか?巧みなレトリックと埋めこまれたフェイクを味わう。教育勅語と関連年表付。

目次 : 第1部 “精読”一字一句をつまびらかに(第一文 朕惟フニ、我カ皇祖―「朕」と「我」はどう違う?/ 第二文 我カ臣民、克ク忠ニ―つくられた伝統が「教育の淵源」に/ 第三文 爾臣民、父母ニ孝ニ―徳目はすべて「皇運」のために/ 是ノ如キハ、独リ朕カ―「忠」と「孝」をまとめあげる/ 斯ノ道ハ、実ニ我カ―全世界が戴く勅語の真理/ 朕爾臣民ト倶ニ―朕の希望をすすんで体せよ)/ 第2部 “始末”来しかたとゆく末(起草者それぞれの思惑/ 徳目はどこから来たか/ 「君主の著作」の法的地位/ モノとしての教育勅語―原本と謄本/ 物神となった謄本と「御真影」―学校儀式と不敬事件/ 教育勅語と学問の自由/ 揺れる教育勅語解釈/ 失効後に残ったもの)/ 第3部 “考究”これまでにわかっていること

【著者紹介】
高橋陽一 (漫画家) : 1963年生まれ。武蔵野美術大学教授。教育史学会・日本教育史学会理事(2019年現在)。専攻は日本教育史(国学・宗教教育)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • たまきら さん

    積極的に破るわけでないけれど規則を守るのが苦手な自分にとって、校則は最初の問題だったんですが、知人に「校則を読み込んでそこから自由を得るのが楽しいんですよ」と言われ、そんな風に解釈できる人もいるのだとびっくりした。あの時の気持ちがこの本から立ち上がってくる。言葉は言葉に過ぎない。そこから何を見出し、何を自分が行うか。そして何を人に強制するか。過去が過去だけに素直に受け取れない人がいて当たり前だと思う。

  • きいち さん

    本当に詳しい(笑)。◇教育勅語に書かれた徳目は、儒教由来だけではなく、その器に西洋近代の徳目が盛り込まれたもの(筆者の一人は中村正直、『西国立志編』の人だ)と明示。つまり、この勅語の狙いは、憲法と歩みを合わせ、近代人を作ろうとしたものだった。ただし、天皇の権威を用いて、上から。まさに教育。◇そしてそれは、直後よりモノとして奉られ暗誦される対象と化す。「考えるな」。必然の帰結だ。ゾッとするしかない。◇近代の歴史的文書として丁寧に評価することで、内容を曲げて今に甦らそうとする動きをきっぱり否定。戦略的な一冊。

  • かおりんご さん

    教育者として、一度は目を通しておかなければと思って借りる。文字通り「くわしすぎる」。一言一句、日本語の用法に戻って説明されている。教育勅語が策定された背景や、なぜ不適切と言われるのかについても、詳しく言及してあり、大変勉強になった。理解できたのかは、怪しいけどね。

  • かんがく さん

    タイトル通りにくわしすぎる内容。第一章では一語ずつ勅語の文法や語意、その背景を解説して現代語訳する。第二章では中村正直、元田永孚、井上毅らによる起草から、後の教育界での受容の歴史について解説する。第三章では先行研究や関連資料について紹介する。儒教道徳と西洋道徳を天皇制イデオロギーで統合した文章であり、植民地教育において大きな反発を引き起こしたことがわかる。教育勅語はある意味、近代日本を象徴するような文章といえるだろう。

  • チェアー さん

    教育勅語を徹底的に読み込む、という企画。単語ごとの語釈から文法、段落まで細かに解釈する。さらに成立の歴史、経緯、法的位置づけも。批判にするにせよ、肯定するにせよ、どんだけ教育勅語のこと知ってるのよ、ということになる。まず知ること、謙虚に。

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