基本情報
内容詳細
歌人たちはなぜ、全共闘運動体験を詠むのか。1960年代後半から70年代にかけて、自らの体験した政治闘争の時代を短歌に詠まざるを得ない歌人たちがいる。その切実さの理由はどこにあるのか。研究者、評論家、元活動家という立ち位置を明らかにし、自身のライフヒストリーをもとに論評する。
目次 : 第1章 叛乱の時代を生きた私たち/ 第2章 母のことなど/ 第3章 鎮まらざる歌人たち/ 第4章 敗北し孤立するものの系譜/ 第5章 松平修文歌集『トゥオネラ』の世界/ 第6章 慰霊と情/ 第7章 短歌論/ 第8章 ライフヒストリー―わが家族の物語
【著者紹介】
岡部隆志 : 1949年、栃木県に生まれる。宇都宮商業高校を卒業後上京。一浪して明治学院大学に入学。全共闘運動に参加。大学を中退(除籍)。社学同叛旗派の活動家となり同派の三里塚現闘小屋に住む。1971年一・五次闘争(農民放送塔の戦い)で地下壕に立て籠もり逮捕される。同年二次代執行阻止闘争での東峰十字路の戦いで逮捕され、東峰十字路被告団の一人として裁判闘争を続ける。保釈後、宇都宮の実家で問屋の配送の仕事などをしながら裁判を続ける。四年後、東京での仕事を紹介され上京。明治大学二部に入学。28歳の時である。卒業後、仕事を辞め明治大学大学院に入学。修士取得後塾や予備校で働きながら裁判を続ける。30代後半に裁判の結審。求刑は六年であったが、判決は執行猶予がつく40代に入り、駿台予備校の講師、共立女子短大の専任講師となる。専門は、日本古代文学だが、近現代文学、民俗学も論じる。中国雲南省少数民族の歌垣文化調査も行う。一方、歌人福島泰樹主宰の短歌結社「月光の会」に参加し、短歌誌『月光』に短歌評論を書き続ける。現在まで、3冊の短歌評論集を刊行している。2020年3月、共立短大を定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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