驚異の再生医療 培養上清とは何か 扶桑社新書

上田実

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784594081294
ISBN 10 : 4594081290
フォーマット
出版社
発行年月
2018年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
271p;18

内容詳細

iPS細胞、幹細胞移植ではなく、「幹細胞の培養液」こそが再生医療の大本命だった!

■概要 元来、傷や病気で損なった臓器を再生させる(回復させる)ためには、どんな細胞にでも分化できる幹細胞を培養して移植する「幹細胞移植」がメインに使われていた。そこに、山中教授のノーベル賞受賞により、万能細胞といわれるiPS細胞が登 場し、私たちは再生医療は今にでも飛躍的に進むかのような期待を抱いた。
しかし、iPS細胞の応用は、心筋シートや網膜の病気などにごく一部治験がはじまったばかり。夢のような治療・移植にはまだほど遠い。
そんな中、皮膚再生からスタートし、名古屋大学で30年以上にわたって再生医療を研究していた上田氏は、「幹細胞を移植するのと、幹細胞の培養液を注入することの、効果は同じである」ということを発見した。この培養液を「培養上清」を呼ぶ。

協力病院での治験で、培養上清によってアルツハイマー型認知症、脳梗塞、アトピー性皮膚炎、関節リウマチ、花粉症など、難治の症状が著しく改善したことを確認。さらに、培養上清は液体化、粉末化が可能で、大量製造できる。幹細胞移植に比べ れば費用は100分の1で、「移植」も必要なく、点滴か塗り薬として塗布、鼻から吸入するだけでよい。
すぐにでも実用化が可能なこの技術、2019年からノルウェーのベルゲン大学と大規模な共同臨床研究を開始することが決定した。また、中国やアジアの製薬会社からも多数のオファーがよせられている。

再生医療がどこまで進んでいるのか、問題点とリスクは何か。実用化目前
「培養上清」の驚きの治癒力とは。

■培養上清とは
トカゲのしっぽが再生するのも、赤ちゃんのケガがすぐ治るのも、
体内に「幹細胞」が多いため。
ならば治療で幹細胞を移植すればよいではないかというロジックが「幹細胞移植」で、実際、幹細胞移植は長い治療実績があり、関節リウマチや肝機能障害などに効果が認められている。しかし、「幹細胞移植」は培養が高コストかつ培養も移植も技 術が必要であり、移植での患者さんへの体の負担など、リスクも多い。
「培養上清」は、「薬」である。
適応範囲が幅広く、製剤化されれば、誰でも恩恵にあずかることができる。いざ実用化されたら「夢の治療薬」と言われるようになると確信している。

●上田実(うえだ みのる)
医学博士。専門分野は再生医療・顎顔面外科。
1949年大阪府生まれ。1982年名古屋大学医学部大学院卒業後、名古屋大学医学部口腔外科学教室入局。同教室講師、助教授を歴任し、1990年よりスウエーデン・イエテボリ大学とスイス・チューリッヒ大学に留学。1994年名古屋大学医学部顎顔面外科 学講座教授就任。2003年から2008年、東京大学医科学研究所客員教授併任。2004年、日本学術会議会長賞受賞。2011年よりノルウェー・ベルゲン大学客員教授。2015年名古屋大学医学部名誉教授就任。2016年日本再生医療学会ジョンソン&ジョンソン 賞受賞。日本再生医療学会顧問、日本炎症再生医学会名誉会員として再生医療の研究と臨床の指導にあたる。幹細胞に関する研究論文は600本を超え、その臨床応用では皮膚・骨の再生医療を中心に300例以上にのぼる。国立研究開発法人日本医療研究 開発機構(AMED)評価委員。

【著者紹介】
上田実 : 医学博士。専門分野は再生医療・顎顔面外科。1949年大阪府生まれ。1982年名古屋大学医学部大学院卒業後、名古屋大学医学部口腔外科学教室入局。同教室講師、助教授を歴任、1990年よりスウエーデン・イエテボリ大学とスイス・チューリッヒ大学に留学。1994年名古屋大学医学部顎顔面外科学講座教授就任。2003年から2008年、東京大学医科学研究所客員教授併任。2004年、日本学術会議会長賞受賞。2011年よりノルウェー・ベルゲン大学客員教授。2015年名古屋大学医学部名誉教授就任。日本再生医療学会顧問、日本炎症再生医学会名誉会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • zoe さん

    培養上清には、多くの成分が含まれており、色々と効果があることも。特許を取得しても、それを無視する人たちもいる。(著者としては?)製法のよくわからないものを輸入して、根拠なく使用する人たちもいるようだ。国内では、開発しがたい。ともかく、日本の現状を嘆いておられる本でした。

  • グレートウォール さん

    再生医療の主役は幹細胞本体ではなく、培養上清であるというのが本の主旨。他家細胞の問題や倫理観、がん化するリスクなど無く、且つ、今自分自身にある幹細胞を活性化するための培養上清。 昨今よく目にするこの培養上清液がいかにすごいか、将来性のあるものなのか、様々な疾患に対して有効だった事例が数多く記載があり、化粧品にも使われる培養上清の未来が示される。再生医療は奥が深いと同時に偽物も出回る闇深さもあるようだ。

  • なんべん さん

    幹細胞を培養する際に産出される、培養上清には、多数の生理活性物質が含まれており、それを患部によって点滴や点鼻など患者への負担が少ない方法で投与する事で、治療が可能となる。これまで再生医療は患者の骨髄幹細胞を採取して培養、それを患部に外科的手術で投与するのが主流だったが、高単価の割にガン化リスクやそもそも投与された幹細胞の多くが死滅することが言われてきた。 この治療は、患部に従来から存在する幹細胞を活性化させるというもので、1mlあたり5千円から1万円という単価で可能。

  • __k さん

    (再)薬事法上、培養上清は現状では未承認薬に分類される。承認薬とするには臨床治験で有効性・安全性を実証し、薬理効果のメカニズムを説明する必要がある。なお国は新たな漢方薬や生物製剤の承認を強く抑制している。その理由が、承認薬を増やすことで健康保険が適用されるようになり、医療費(esp.薬剤費)の圧縮を掲げる国の政策に逆行することになってしまうから、と。

  • __k さん

    (勉強本)わかり易いし大変勉強になりました. ADを始めとした難病への希望の光に、再生医療を.

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品