東大教授が挑むAIに善悪の判断を教える方法

鄭雄一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784594079505
ISBN 10 : 4594079504
フォーマット
出版社
発行年月
2018年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
鄭雄一 ,  
追加情報
:
187p;18

内容詳細

「人を殺してはいけない」は“いつも正しい”か?
韓非子、アリストテレスから、アドラー、サンデルまで。ロボットに「道徳」を搭載すべく、古今東西の思想を大胆に横断する!

私たちを待ち受けるロボット社会は「平和的共存」か、それとも――。
東京大学で工学部・医学部教授を兼務する気鋭のAI研究者が、人間と共存するうえで不可欠な「人間のモラル」をロボットに搭載すべく、その構造を工学的に解き明かす!

◎著者からのメッセージ
私は東京大学で、AIに「善悪の判断」を教える研究をしています。
そのためには、まず「人間の道徳がどのような構造で成り立っているか」を明らかにする必要があります。
医工学の考え方を道具にすれば、こうした「抽象的概念のモデル化」が可能です。
本書では、古代から近現代思想まで、古今東西の道徳思想がどのような構造で成り立っているかをフラットに分析・分類し、道徳システムの共通の原理を抽出していきます。
そのうえで、ロボットに搭載できる「道徳エンジン」をつくることが目標です。
さあ、さっそく講義をはじめましょう!

◎全6回の「オープンキャンパス形式」でスラスラ読める!
第1回講義 「人を殺してはいけない」という道徳は普遍的だろうか?
第2回講義 これまでの道徳思想を分類してみよう
第3回講義 そもそも「人を殺してはいけない」の「人」って誰だろう?
第4回講義 道徳をモデル化してみよう
第5回講義 道徳の階層を分類してみよう
第6回講義 道徳エンジンをロボットに搭載してみよう
≪各講義にオリジナルの「演習問題」、巻末に「演習問題のヒント」つき≫

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • hk さん

    これは面白い試みだ。本書の趣旨は「AIに道徳観を教え込むには、人間自身が善悪の判断をどのように行っているのかをまずは理解しなければならない。そこで著名な哲学者・社会学者の思想を分析することによって、根源的な道徳観を探っていく」というもの。「共有の掟〜社会の秩序重視」「固有の掟〜仲間の紐帯重視」「社会視点の道徳〜歴史・伝統を重視する右派的思想」「個人視点の道徳〜個人の理性を重視する左派的思想」「言語は時間と空間を超える。だから人間社会とりわけ宗教社会は不連続的に拡大できた」などなど示唆に富む内容だ。

  • 桔梗屋 さん

    AIはそもそも「判断」ができないからなあ…条件を明確にした上で、個々の要件を満たした場合の対応をさせることはできたとして。その要件自体を自分で学習させていけば「判断」ぽくなるにしても。で、AIに人間を殺させないようにするために「人」という概念を絞り込んで「仲間」として再定義する。理に適ってるとは思うけどな…マズローの欲求5段階説をリファインして組み込むって考え方は良いと思うけど、それをまず人間側に徹底させないと、AI側が処理中に詰まりそうな気がしてなりませぬ。人間に分かるように言ってくれ、になりかねんし。

  • ラッキー55 さん

    ロボットに善悪を判断させるためにやらなけれ ばいけない事は人間の道徳がどのように成立して いるかを明らかにする事が必要である。 著者はまず、古代から現代思想まで多くの道徳 思想を整理分類している。 その上で、古今東西の道徳思想がどのような構造 で成立しているかを分析して、共通原理を抽出し ている。これによって、道徳は全社会の「共通の掟」 と各社会毎に異なる「個別の掟」の2重性がある事 を指摘する。この2つを統合する基本原理をAIに 搭載する道徳エンジンとして提案する。

  • み さん

    AIというより道徳の話? 言葉を用いて考えている限り社会から自由な個人など存在しない、というのはよかった

  • 圓 さん

    教えるということは、まずは対象を理解すること。道徳について「個人を中心とした考え」と「社会を中心とした考え」に切り分け、「共通の掟(普遍的な道徳的命題)」と「個別の掟(ある社会特有の道徳的命題)」に分類し、道徳は「仲間」との関係でのルールであると認め、道徳のレベルを欲求との関係で判定可能なものと捉える。哲学も人文「科学」の1つであることがよくわかる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品