パトリック・キングスレー

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シリア難民 人類に突きつけられた21世紀最悪の難問

パトリック・キングスレー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784478068854
ISBN 10 : 4478068852
フォーマット
出版社
発行年月
2016年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
342p;20

内容詳細

毎週数百人単位で人が死ぬ地中海、トルコからバルカン半島へ押し寄せる人の「波」、ヨーロッパの「見えない線」に翻弄される難民たち―。泥沼化する難民危機の「最前線」で、いったい何が起こっているのか?世界が認めた若きジャーナリストが、3大陸17か国で「道なき道」を取材し尽くし、難民たちの「声なき声」を拾い上げ、真実を綴る。

目次 : プロローグ ハーシムの「旅」のはじまり―2015年4月15日水曜日午後11時/ 第1章 祝えなかった誕生日―ハーシム、シリアから脱出す 2012年4月15日日曜日午後6時シリア/ 第2章 その「荷」は生きている―「第2の海」サハラを越える砂漠ルート ニジェール、スーダン/ 第3章 魂の取引―密航業者のモラルとネットワーク リビア、エジプト/ 第4章 屈辱からの出航―ハーシム、密航船に詰め込まれる 2015年4月20日月曜日正午・地中海のまんなか/ 第5章 転覆か、救助か―なぜ危険だとわかっている航海に乗り出すのか 地中海、イタリア/ 第6章 ストレスだらけの「約束の地」―ハーシム、ヨーロッパで戸惑い逃げる 2015年4月26日日曜日午前11時30分・イタリア、フランス/ 第7章 運命を司る「見えない線」―国境に翻弄される難民とEU トルコ、ギリシャ、セルビア、マケドニア、ハンガリー/ 第8章 訪れた最後の試練―ハーシム、待ちわびた瞬間まであと一息 2015年4月27日月曜日午前11時50分・ドイツ、デンマーク/ 第9章 「門戸」を閉ざされて―根本から解決する方法はあるのか ハンガリー、オーストリア、セルビア、クロアチア/ 第10章 世界に「居場所」を求めて―ハーシム、難民認定を待つ 2015年10月23日金曜日正午・スウェーデン/ エピローグ そのあと起きたこと

【著者紹介】
パトリック・キングズレー : 英国『ガーディアン』紙初の移民専門ジャーナリスト。2013年には記者に贈られる「フロントライン・クラブ・アワード」を、また2014年にはBritish Press Awards主催の「ヤング・ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、数々の受賞歴を持つ若手ジャーナリスト。同紙エジプト特派員からキャリアをスタートさせ、これまで25か国以上からレポートを発信している。シリア難民ハーシム・スーキの旅をドキュメントしたガーディアン紙の連載記事『ザ・ジャーニー』で、2015年英ジャーナリズム賞の外国特派員賞を受賞

藤原朝子 : 学習院女子大学非常勤講師。フォーリン・アフェアーズ日本語版、ロイター通信、ニューズウィーク日本版などで翻訳を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 5 よういち さん

    英国の若手ジャーナリストがシリア難民に同行し、その真実をルポ。◆2010年末にチュニジア、エジプト、リビアで始まったアラブの春は、2011年にシリアにも波及する。アサド政権の対応に反発した反体制派のデモは拡大し、内戦へと発展。これを機に400万人の難民が生まれた。/本書ではシリア難民のひとりハーシム・スーキの旅路をたどり、祖国を捨てることへの苦悩、難民に群がる金儲け主義者、出国先での扱い等、報道では分からない部分が伝えられる。◆なぜ命の危険を侵してもヨーロッパに向かうのか?「他に選択肢がないからだ」

  • どんぐり さん

    ガーディアン紙初の移民担当記者が欧州に向かうシリア難民を追ったレポート。岩波新書の『ルポ難民追跡 バルカンルートを行く』(坂口裕彦著)と比較すると、取材範囲が広く、考察力もあって、いま最も読むべき本といえるだろう。ハーシム・スーキという一人のシリア人の物語を縦軸に、難民危機全般を横軸に置いた構成で、シリアから、「第2の海」サハラを越える砂漠ルート、リビアやエジプトからの「浮かぶ棺桶」といわれる密航船による地中海越え、またトルコやギリシャから欧州に至るバルカンルートをたどっていく。シリアやエリトリアからの難

  • BLACK無糖好き さん

    ヨーロッパの難民危機の中核をなすのは、戦争や宗教的弾圧を逃れてきたシリア人やイラク人、アフガニスタン人で、中東の紛争が終われば難民の流入は衰えるだろうが、そんな奇跡的な事が起こったとしても、エリトリア人やニジェール人、セネガル人がヨーロッパを目指すのを止める事はできないだろう、との著者の指摘が一番印象に残った。西アフリカから危険極まりないサハラ砂漠を越え、リビアで搾取され密航船で地中海を渡りイタリアを目指すというルートの過酷さに言葉を失う。国境に壁を築いたところで何の解決にもならない。無力感に包まれる。 

  • ロビン さん

    英国「ガーディアン」紙初の移民専門ジャーナリストである著者が、故郷シリアでアサド政権に逮捕・拷問された経験を持つ難民のハーシム・スーキさんが海と陸地の過酷な長い道のりを経て、シリア難民に永住権を保証するスウェーデンに向かう旅に同行して書かれたレポート。難民に高い料金をふっかけ、殺人的な定員オーバーの船に彼らを押し込む密航業者、難民流入を厭うヨーロッパの政策などの間で、NGO やボランティアの方々の人間的で英雄的な態度には感動を禁じ得ない。難民の方々がどんな生き地獄のなかにいるかを知るのに非常に優れた本。

  • ののまる さん

    良書です、是非!ガーディアン記者によるバルカンあるいはリビアからの地中海ルートなど多岐に渡るシリア(アフガンや他の地域も含む)難民の避難ルポ。密航業者の実態も。多くの人々が高学歴で全財産を持って家族を連れて逃げてくる。欧州のお粗末な難民政策(劣悪な日本の状況に比べたら天と地なのだが)のために、ぼったりの代金を密航業者に払いおんぼろゴムボートで地中海に沈んでいく。それでも欧州を目指すのは、それしか生きる選択肢がないから。戦禍をくぐり抜け、何もかも失ったいま、自分や家族の命以外もう何も残されていないのだ。

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