「衝動」に支配される世界 我慢しない消費者が社会を食いつくす

ポール・ロバーツ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784478029305
ISBN 10 : 447802930X
フォーマット
出版社
発行年月
2015年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
373p;20

内容詳細

人も企業も なぜ自分の利益しか考えなくなってしまったのか?

この社会全体が効率的市場の価値観に支配され コミュニティや文化は崩壊し 自己利益を追求する個人(消費者だけでなく企業も政治も)の集まりになってしまった。
企業は四半期利益や株価を維持するために研究開発や従業員教育など長期的な投資を抑制し 簡単に従業員をレイオフするようになった。
個人は 生産者・顧客から消費者となり 「社会の一員」から個人の満足だけを追い求める存在に変わった。

医療の世界では 患者の「最先端の治療を受けたい」という欲求を満たすため そして高度な治療に投資した医療機関が元を取るために保険制度に何億ドルもの不要な負担をかけて治療が行われている。2000年代初頭の住宅バブルでは 投機家だけでなく素人同然の人々までもが驚くほど簡単に組めるローンを使って投機に手を染めた。まさにインパルス・ソサエティの行き着く先といえる。

また 政治さえも有権者の感情を煽り 自らブランド化することで選択肢を単純化し 得票数に結びつけようとしている一方で 長期的な問題を解決する能力が失われてしまっている。
それだけではなく インパルス・ソサエティは たとえばボランティアや 外食をやめて家で子どもに料理を教える 子どもにゲーム機を与えず一緒に遊ぶといった 目に見えない富を生む活動を GDPを増やすことはないという理由で 非効率として排除してしまうのだ。

しかし もはやGDPが伸びても社会全体が潤うどころか むしろ社会は落ち込むことが証明されている。もはや利益は共有されるものではなく 奪い合うものになってしまったからだ。
本書は インパルス・ソサエティがもたらす弊害を検証し 社会が持続不可能であることを証明すると同時に 持続可能な社会を取り戻すための方法を探る。

[著者紹介]
ポール・ロバーツ(著)
ジャーナリスト。ビジネスおよび環境に関する問題を長年取材。経済 技術 環境の複雑な相互関係を追求している。著書に「石油の終焉」「食の終焉」がある。

神保哲生(監訳)
ジャーナリスト 「ビデオニュース・ドットコム」代表。国際基督教大学卒 コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程終了。AP通信などを経て独立。著書 訳書多数。

東方雅美(翻訳)
翻訳家
慶應義塾大学法学部卒 米国ボストン近郊にあるBabson Collegeの経営大学院を修了し修士号(MBA)を取得。出版社 民間経営大学院の出版部門を経て独立 現在に至る。

【著者紹介】
ポール・ロバーツ : ジャーナリスト。ビジネスおよび環境に関する問題を長年取材。経済、技術、環境の複雑な相互関係を追求している。ロサンゼルス・タイムズ紙、ワシント・ポスト紙、ニューリパブリック誌、ニューズウィーク誌、ローリングストーン誌などで執筆するほか、テレビやラジオにも多数出演している。ワシントン州在住

神保哲生 : ジャーナリスト/『ビデオニュース・ドットコム』代表。1961年東京生まれ。国際基督教大学(ICU)卒。コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。AP通信などアメリカ報道機関の記者を経て1994年独立。以来、フリーのビデオジャーナリストとして日米を中心とする世界各国の放送局向けに映像リポートやドキュメンタリーを多数提供。2000年、日本初のニュース専門インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』を設立し代表に就任

東方雅美 : 慶應義塾大学法学部卒、米国ボストン近郊にあるBabson Collegeの経営大学院を修了し修士号(MBA)を取得。出版社、民間経営大学院の出版部門を経て独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • 5 よういち さん

    消費者が欲しがるものを与えることに長けた社会システムは、個人の願望を真ん中に据えたものになっている。消費者が飽くなき満足感を追い求めた結果だ。自分探しやアイデンティティの探求を続けた結果、それは度を超えた自己満足の追及に変わっていった。すぐに手に入れないと気が済まず、行き過ぎを制止できなくっている。人間の意志決定プロセスは脳内で、買い過ぎた結果、あとでどうなるかを予測できる『前頭前皮質』と、欲しいものを見たらドーパミンを出して、すぐに行動させる『辺縁系』とが争うが、前頭前皮質に辺縁系を抑制する力はない。

  • 壱萬弐仟縁 さん

    14年初出。市場が人間との間の障壁をすべて破壊する、最終段階に来ている(17頁)との認識をもつべき時のようだ。衝動がどんな社会を作り出し、どんな社会問題を生むのか、興味深い一冊だ。感情では事足りず、衝動という不安定かつ不確実な人間の心理、神経が経済の姿を決める。成員の 質が問われるところだろうか? 自分自身への関心と個人の自由への期待が高まるなか、集団的な行動が意味をなさなくなっていった(84頁)。エゴの社会化とも言える。

  • Tui さん

    たとえば通信手段。手紙から電話、そしてSNSと、私たちは待てなくなる一方だ。いつの間にかインパルス・ソサエティ(衝動的な社会)に慣らされている。私たちが望んだのか、望むよう誘導されたのか。便利になっても満足を決して得られず、さらによいものを欲してしまう。今の快楽や利益を何よりも重要視する、長い目で物事を考えることがされにくい世の中。衝動的な消費社会の先にある絶望的な未来を変えるには?消費し続けなくても継続可能な社会とは?残念ながら、環境異変によって強制的に変わらざるを得ない展開しか、私には思いつかない。

  • ののまる さん

    それが必要か、ではなく今すぐ欲しいから買ってしまう。まるでゲームにはまった廃人のような繰り返し。そして消費が政治を飲み込み、個人の感情も生活も社会そのものも、市場原理に左右されている…ことにも気づかず、とにかく今がよければと過ごす現代。アメリカ社会について書かれているけれど、日本も同じ道を邁進している。消費爆発を起こしている先進国は,一度勇気をもって立ち止まるべき。

  • kubottar さん

    私が小中学生の頃は、本屋で本を注文すると2ヶ月かかったことがあった。しかし今やアマゾンでクリックぽんで2日で届く。そのタイムラグの差を嬉しいと思うか、待つ楽しさを奪われているとみるか・・。

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ポール・ロバーツ

ジャーナリスト。ビジネスおよび環境に関する問題を長年取材。経済、技術、環境の複雑な相互関係を追求している。ロサンゼルス・タイムズ紙、ワシント・ポスト紙、ニューリパブリック誌、ニューズウィーク誌、ローリングストーン誌などで執筆するほか、テレビやラジオにも多数出演している。ワシントン州在住

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