パンと野いちご 戦火のセルビア、食物の記憶

山崎佳代子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784326851942
ISBN 10 : 4326851945
フォーマット
出版社
発行年月
2018年05月
日本
追加情報
:
307p;20

内容詳細

戦時下で、難民となった人びとは何を食べていたのか。卵と生クリームなしのマーブル戦争ケーキ。停電で溶けだした冷凍庫の肉で銃弾に怯えながら催すバーベキュー大会。第一次、第二次大戦、ユーゴスラビア内戦、コソボ紛争…戦争の絶えないバルカン半島に長年住む著者が戦火のレシピを集めた。食べ物とは思い出のこと。料理とは甦りのこと。繰り返される歴史のなかの、繰り返しのない個人の人生の記憶と記録。

目次 : 1 第二次世界大戦の子供たち/ 2 料理とは、甦りのこと/ 3 嵐の記憶/ 4 馬の涙 コソボ・メトヒヤの女声たち/ 5 野いちごの森へ/ 6 飢餓ゆえの戦争、戦争ゆえの飢餓/ 7 小さな料理手帖

【著者紹介】
山崎佳代子 : 1956生まれ、静岡市育ち。詩人・翻訳家。北海道大学露文科卒業後、サラエボ大学文学部、リュブリャナ民謡研究所留学を経て、1981年、ベオグラードに移り住む。ベオグラード大学文学部にて博士号取得(アバンギャルド詩、比較文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    映画や小説で知っていたユーゴスラヴィア内戦。でもそれは全然、「知った」内にはならなかったとこの本を読んで思い知らされた。かつてのご近所さんや友人が民族が違うというだけで敵・密告者となった時代を生き抜いた人々は哀しみを抱えながらも食での繋がりに救われ、だからこそ、強く、優しい。火酒(ラキア)を片手に家族を解放するように迫ったおっかさん、クロアチア人だという理由で差別された友人を守った事からのお礼の言葉、負傷したパルチザン兵へ野いちごを届けに行った勇敢な子供達、パプリカーノと栄養たっぷりのイラクサのスープ。

  • NAO さん

    欧州の巨大メディアに悪者扱いされているセルビア人だが、ユーゴスラビア内戦下では、弾圧され難民となったセルビア人も多い。ベオグラードに住む作者が、難民生活を経験したセルビア人から聞き書きした話。辛い話だけでは聞きづらいからと、彼らの得意料理を一緒に聞く作者の心遣いがやさしい。どんなに苦しい時でも、母親たちは、パンを焼き、自分の手で家族の料理を作った。家を失い必死で逃げた辛く厳しい日々の中でも自家製の手の込んだ料理を作り続けてきた女性たち。そうすることで、彼女たちは自分のアイデンティを保ってもいたのだろう。

  • キムチ27 さん

    最近、好んで触れる東欧スラブ、ロシアの音楽・美術。内戦で荒れるセルビアの日常生活を当事者の言葉中心に聴き語り形式で1冊に。軸が料理というせいか、中身がてんこ盛りながら、かの地を訪れもせずに空気感を味わえる。筆者とほぼ同世代の私には、証言者の生年を見て中身を読むと驚かされる・・ついこの間❕ハンガリー・オーストリア帝国はオスマンからの脅威に備え、中世に既に屯田兵としてセルビア人を配置していた。20C末ユーゴ戦の最中の証言で「コソボ民族問題はあったものの国家としてのセルビアを考える暇がなく毎日が生きる為に必死」

  • まさ さん

    戦時下のセルビアでの生活。当時を想像し、いまのパレスチナやウクライナの生活を想う。戦火を潜り抜けながら、日々生きることを実感できるのは、やはり食なのだ。筆者は聞き取りからそれぞれの生活を書き留める。伝えるにはそれだけで十分。レシピを眺めながら、また、戦時中の人々を想う。

  • zoe さん

    2018年8月半ば終戦(第二次世界大戦)の情報が溢れる日本ですが、1999年にNATOによる空爆に至るまで、当該地域で大戦時代と同じ人またはその家族らが息をひそめ、あるいは難民なっている。戦時下の飢えや銃弾等の辛い記憶は、僅かな食事が辛い記憶に結びつくか、ささやかな幸せと結びつくかで、思い返すときに、個人の感じ方は随分と違うのかもしれないです。巻末の郷土料理は、食べてみたい気はしています。セルビア、ボスニア、クロアチア、アルバニア、処刑リスト、強制収容、赤十字以外は支援先が決まっている?

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山崎佳代子

詩人、翻訳家。1956年生まれ、静岡市に育つ。北海道大学露文科卒業。サラエボ大学文学部、リュブリャナ民謡研究所留学を経て、ベオグラード大学文学部にて博士号取得(比較文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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