ある北朝鮮テロリストの生と死 証言・ラングーン事件 集英社新書ノンフィクション

羅鍾一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087211696
ISBN 10 : 408721169X
フォーマット
出版社
発行年月
2021年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
272p;18

内容詳細

政治学者・姜尚中氏、大絶賛!
北朝鮮が過激なテロ行為に走る背景にはどのような事情があるのか? 
韓国読書界を騒然とさせた衝撃のノンフィクション、ここに刊行。

本書の主人公は、凄惨な事件を引き起こしたテロリストである。
しかし、その正体は非人道国家により実行犯に仕立て上げられた、一人の青年に過ぎない。
祖国に見捨てられ、異国の刑務所で寂しく生涯を終えたこの悲運のテロリストをめぐる物語は、国家というものがもつ暴力性と不条理を見事な形で浮き彫りにする。
「個人の尊厳とは何か?」「国家とはいかなるものか?」といった問いを抱えた、すべての読者に手に取って欲しい名著である。
(姜尚中・東京大学名誉教授)


1983年、ミャンマー訪問中の全斗煥・韓国大統領を狙い、合計21名の死者を出す大惨事となった「ラングーン事件」が発生する。
本書はその実行犯である北朝鮮テロリスト、カン・ミンチョルの証言を記録し、周辺人物への聞き取りや関連資料の収集も丹念に行いながら、事件の全貌と南北関係の矛盾に迫った第一級のノンフィクションである。
なぜ北朝鮮は過激なテロ行為に走るのか。
カン・ミンチョルが属した北朝鮮特殊工作部隊の実態とはいかなるものなのか。
そして、凄惨なテロはどのようにして起こったのか?
数々の歴史の謎を解き明かしてくれる、衝撃の一冊!

【主な目次】
プロローグ ビルマの聖地アウンサン廟で何が起きたか   
第一章 南北分断の悲劇   
第二章 光州民主化運動とラングーン事件   
第三章 「菊花作戦」と全斗煥大統領のビルマ訪問   
第四章 歴史的な場所、アウンサン廟の爆破事件
第五章 テロリストたちの運命   
第六章 祖国に捨てられたテロリストたち   
第七章 テロリスト、カン・ミンチョルの生と死   
第八章 生と死の狭間で苦悩したカン・ミンチョル   
エピローグ 忘れられたテロリストの死を哀悼して
訳者あとがき   


【著者経歴】
著者・羅鍾一(ラ ジョンイル)
1940年韓国ソウル生まれ。英国ケンブリッジ大学Ph.D.。慶熙大学教授、国家情報院海外・北朝鮮担当次長、大統領秘書室国家安保補佐官、国家安全保障会議常任委員長、駐英国大使、駐日本国大使、又石大学校総長等の数々の要職を歴任。現在、漢陽大学、国防大学、嘉泉大学碩座教授。

訳者・永野慎一郎(ながの しんいちろう)
1939年韓国生まれ。英国シェフィールド大学Ph.D.。大東文化大学名誉教授。NPO法人東アジア政経アカデミー代表。

【著者紹介】
羅鐘一 : 1940年韓国ソウル生まれ。英国ケンブリッジ大学Ph.D.。慶煕大学教授、国家情報院海外・北朝鮮担当次長、大統領秘書室国家安保補佐官、駐日本大使、又石大学校総長など要職を歴任。現在は漢陽大学、国防大学、嘉泉大学碩座教授

永野慎一郎 : 1939年韓国生まれ。英国・シェフィールド大学Ph.D.。大東文化大学名誉教授。NPO法人東アジア政経アカデミー代表。専門は東アジア国際関係論、日韓関係史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • まると さん

    67人が死傷したラングーン爆殺テロについて詳述したノンフィクション。実行犯3人の事件までの足取りや逃走劇がスリリングで読ませる。しかし、著者が一番伝えたかったのはそこではない。死刑を宣告された後も25年にわたりミャンマーの牢獄にいて、忘れ去られたように孤独に死んでいった実行犯の一人の生涯だ。テロ行為は糾弾しつつも、北朝鮮の特殊部隊員として過酷に育成され、犯行後は一転見捨てられた彼を朝鮮半島分断の歴史の被害者とみなし、人道的な観点から省察している。個人を国家の駒としかみていない軍隊の不条理を描いた良書です。

  • DEE さん

    実話。韓国と北朝鮮の対立の中、ビルマで起こった北朝鮮による韓国大統領暗殺未遂事件。 3人のテロリストのうち、一人は射殺、一人は死刑、そして終身刑となった最後の一人が主人公のカン・ミンチョル。 厳しい訓練を受けた彼らではあったが、作戦があまりにもお粗末。脱出する手段も救出する方法もないまま文字通り国に使い捨てにされた。最後まで韓国に戻ることを切望しながら、自分の犯した罪と、北朝鮮によって消された自我に苦しむ。 なんともやり切れない話。国のための国民ではなく国民のための国である、というのは綺麗事なのか。

  • Meistersinger さん

    特に新事実はなく、ラングーン事件の「おさらい」となっている。全斗煥大統領の宿舎からの出発の遅れや儀礼のラッパの誤った吹奏など、出来すぎた偶然で最悪の事態は回避されたと。北朝鮮は最初から実行犯を見捨て(テロにしても杜撰すぎるが)、韓国も南北融和で顧みないという無情・無責任モード。

  • てっちゃん さん

    なかなか読ませるノンフィクションだ。所詮テロリストと言えども国家の駒の一つに過ぎない。国家の非情さをつくづく感じた良著。

  • スターリーナイト さん

    2023-88

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