中国法 「依法治国」の公法と私法 集英社新書

小口彦太

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087211436
ISBN 10 : 4087211436
フォーマット
出版社
発行年月
2020年11月
日本
追加情報
:
254p;18

内容詳細

なぜ中国法は複雑なのか? 事例で読み解く中国の国家原理

中国法を理解することは、対中ビジネスを行ううえで不可欠なものである。
認識の不十分さが深刻な事態を招いた事例は枚挙にいとまがない。
そもそも中国法は、私法(物権法や契約法などの民法)と公法(憲法や刑事法など)とでまったく様相が異なる。
例えば、経済の円滑な遂行を保証する中国契約法は、国際的な契約立法を取り入れた先進的な法である一方、憲法は立憲主義憲法とはまったく類型を異にしており、市民の精神的、身体的自由に対する公権力の容赦なき弾圧と拷問による自白強要が普遍化している。
なぜ中国法はこのように複雑な相貌を有するのか。
具体的な裁判例に即して、その謎を解いていく。

【主な内容】
・中国にはまともな法律などあるはずがないという先入観
・法律認識のギャップがもたらした「尖閣諸島国有化問題」
・中国契約法は国際的な契約立法を取り入れている
・契約紛争案件に見える民衆と裁判所の距離の近さ
・中国では約定こそ原則
・日本企業の法務部の中国法分析の不十分さ
・先進的民法に生き続ける伝統的な法思想
・検察、法院に圧倒的優位に立つ公安権力
・市民の表現活動に“切り込んでいく”中国憲法 
・拷問の禁止と中国法
・裏の法

【目次】
目次
はじめに
序 章 私法か公法か、法律認識のギャップがもたらした事態
―尖閣諸島国有化問題
【私法編】
第一章 “中国では法はあって無きが如し”か
第二章 悪魔の証明を強いられた日本企業
―三菱自動車株式会社損害賠償事件
第三章 対日損害賠償請求における法と政治
―「商船三井」船舶差押事件とその後
第四章 教室の学生の誰一人として賛成しなかった民事判決   
―広東省五月花レストラン人身傷害賠償請求事件
【公法編】
第五章 二つの憲法   
―沈涯夫・牟春霖誹謗事件
第六章 拷問による自白の強要   
―殺されたはずの妻が舞い戻ってきた 佘祥林事件と、憐れ刑場の露と消えた劉涌事件
第七章 中国の[法院]は裁判機関か   
―莫兆軍職務懈怠罪事件
第八章 表の法と裏の法   
―南剡鋒不法所得罪事件
おわりに 

【著者プロフィール】
小口彦太(こぐち・ひこた)
1947年生まれ。法学博士。1969年早稲田大学第一法学部卒業、1974年早稲田大学大学院法学研究科博士課程満期退学。
早稲田大学法学部教授を経て、早稲田大学名誉教授、中国人民大学法学院名誉客座教授、ハーバードロースクール東アジア法研究プログラム訪問学者、江戸川大学学長。
『中国法入門』『唐令拾遺補』『現代中国の裁判と法』『現代中国法』『中国契約法の研究』『中国合同法研究 中日民事法学之対話』など著書多数。

【著者紹介】
小口彦太 : 1947年生まれ。法学博士。1969年早稲田大学第一法学部卒業、1974年早稲田大学大学院法学研究科博士課程満期退学。早稲田大学法学部教授を経て、早稲田大学名誉教授、中国人民大学法学院名誉客座教授、ハーバードロースクール東アジア法研究プログラム訪問学者、江戸川大学学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • さとうしん さん

    裁判例中心の構成だが、法学に関する基礎知識がない身では決してわかりやすい本ではない。取り敢えずに民事に関しては中国でも法は着実に機能しているということで、「中国に法はない」という類の偏見でもって日本企業が現地の訴訟で失敗しているという話には「そりゃそうだろう」という以上の感想はない。憲法による規制の矛先が国家権力、公権力には向かわないという話には、中国政府の憲法観は日本の改憲勢力と一緒ではないかと思ってしまったが…… 

  • Kai Kajitani さん

    著者は「中国では法律はまともに機能していない」という日本人にありがちな見解を蒙昧と切り捨てる一方で、中国の法院は行政機関であり、日本の裁判所とは同一視できない、と断言する。この一見矛盾する中国法への理解は、商取引に代表される民法の世界と、刑法・憲法などの公法の世界との断絶に起因する。日頃どちらの世界に接しているかで、私たちの中国イメージは180度異なりうるのだ。そういう意味で、中国法の解説本という一見地味なこの本は、厄介な隣国を理解するための重要なヒントがいくつも詰まった好著である。

  • の さん

    中世カムバック。

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小口彦太

1947年生まれ。法学博士。1969年早稲田大学第一法学部卒業、1974年早稲田大学大学院法学研究科博士課程満期退学。早稲田大学法学部教授を経て、早稲田大学名誉教授、中国人民大学法学院名誉客座教授、ハーバードロースクール東アジア法研究プログラム訪問学者、江戸川大学学長(本データはこの書籍が刊行された

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