歴史戦と思想戦 歴史問題の読み解き方 集英社新書

山崎雅弘

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087210781
ISBN 10 : 4087210782
フォーマット
出版社
発行年月
2019年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;18

内容詳細

内田樹氏、津田大介氏 推薦!

「『歴史戦』と称する企てがいかに日本人の知的・倫理的威信を損ない、国益に反するものであるかを実証的に論じています。
山崎さん、ほんとはものすごく怒っているのだけれど、冷静さを保っているのが偉いです。僕にはとても真似できない」――内田樹

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今、出版界と言論界で一つの「戦い」が繰り広げられています。

南京虐殺や慰安婦問題など、歴史問題に起因する中国や韓国からの批判を「不当な日本攻撃」と解釈し、
日本人は積極的にそうした「侵略」に反撃すべきだという歴史問題を戦場とする戦い、すなわち「歴史戦」です。
近年、そうしたスタンスの書籍が次々と刊行され、中にはベストセラーとなる本も出ています。

実は戦中にも、それと酷似するプロパガンダ政策が存在しました。
しかし、政府主導の「思想戦」は、国民の現実認識を歪ませ、日本を破滅的な敗戦へと導く一翼を担いました。
同じ轍を踏まないために、歴史問題にまつわる欺瞞とトリックをどう見抜くか。豊富な具体例を挙げて読み解きます。

【主な内容】
◆産経新聞が2014年から本格的に開始した「歴史戦」
◆「歴史戦」のひとつ目の主戦場:戦時中の慰安婦問題
◆「歴史戦」ふたつ目の主戦場:日本軍による南京での虐殺
◆なぜ大日本帝国の否定的側面を批判する行為を「自虐」と呼ぶのか
◆第一次世界大戦後の日本軍人が着目した「総力戦」と「思想戦」
◆思想戦の武器は「紙の弾丸、声の弾丸、光の弾丸」
◆「歴史戦」の論客の頭の中では今も生き続ける「コミンテルン」
◆「戦後の日本人はGHQのWGIPに洗脳された」という「ストーリー」
◆児玉誉志夫は「思想戦」の独善的側面に警鐘を鳴らしていた

【目次】
第一章 「歴史戦」とは何か   
第二章 「自虐史観」の「自」とは何か   
第三章 太平洋戦争期に日本政府が内外で展開した「思想戦」  
第四章 「思想戦」から「歴史戦」へとつながる一本の道   
第五章 時代遅れの武器で戦う「歴史戦」の戦士たち   

【著者略歴】
山崎 雅弘(やまざき まさひろ)
1967年大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。
『日本会議 戦前回帰への情念』(集英社新書)で、日本会議の実態を明らかにし、注目を浴びる。
主な著書に、『「天皇機関説」事件』(集英社新書)『1937年の日本人』(朝日新聞出版)『[増補版]戦前回帰』(朝日文庫)ほか多数。
ツイッターアカウントは、@mas__yamazaki


【著者紹介】
山崎雅弘 : 1967年大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。『日本会議 戦前回帰への情念』(集英社新書)で、日本会議の実態を明らかにし、注目を浴びる。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • rico さん

    何だろう、この頑なさ。戦争関連本を何冊か読んだ流れで、今も少なからずいるあの時代の国の姿を理想とする人々について知りたくて、手に取った。歴史上の事象は焦点の当て方で見え方が変わるから、「歴史戦」を志向する国や集団がいるのはわかる。でも、反証となるファクトや反論を拒否し、敗戦に至った本質から目をそらし、「大日本帝国は悪くない」論に閉じこもる先に何があるのか。国内外の厳しい局面下、広い視座から難しい判断を求められる状況にあることを思えば、害にしかならないような。多面的・本質的に考えることの重要性を改めて思う。

  • もりやまたけよし さん

    戦前の日本を大日本帝国としてキッチリ、かたをつけないといつまで経っても前に進めないということですね。勇気のある本でした。

  • skunk_c さん

    「従軍慰安婦」「南京事件」などがなかったとするいわゆる「歴史修正主義」の論理展開をつぶさに批判、その本質を権威主義的な大日本帝国礼賛と喝破する。産経新聞や「正論」、さらには具体的な論者名をあげて、その矛盾した論理をわかりやすく批判、また、歴史の専門家達と異なる「都合のいい証拠だけで論じる」姿勢の論者の問題点を詳らかにする。だが、この本はそうした思考にはまりやすい人に届くかというと、残念ながら難しいだろう。そこには「レッテル貼り」による思考停止という大きな障壁がそびえている。これをいかに崩すかが課題だろう。

  • hatayan さん

    「日本は悪くない」という結論を先行させ都合の良い事実を切り貼りする「歴史戦」。学術的な向き合い方は軽視され、大日本帝国の名誉を回復し中国や韓国に「勝つ」ことが至上とされます。 歴史戦の先祖は1930年代の「思想戦」。心を攻めるという言葉のもと、メディアと国民が総力戦に組み込まれた過去を解説。そのなかでも、右翼の大物とされた児玉誉士夫は日本の尊大な態度は国際社会で信頼を得られないと見抜いていました。 相手側の心情を理解せず一方的に自国の言い分を発信しても独りよがりに終始することは、昔も今も変わらないのです。

  • おかむら さん

    歴史修正主義の方々が出してる本への冷静なダメ出しが小気味よい。井上和彦やケントギルバートの本は、あっち側はどんな感じか興味あって読んだことあるけど、「日本スゴイ」が気持ち悪くて、そうかーあいつらの「日本」は「大日本帝国」のことかーと今回納得。あの人たちが量産する本やSNSに対して自虐史観(向こうが言ってる)のこっち側はバカバカしいので無視しちゃうけど、めんどくさくてもちゃんと読んでこういう風にビシッと論破しとくのは必要。

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