国家と秘密 隠される公文書 集英社新書

瀬畑源

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087207590
ISBN 10 : 4087207595
フォーマット
出版社
発行年月
2014年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
208p;18

内容詳細

◆推薦◆
「財務省と森友、防衛省とPKO日報、都庁と豊洲-―

解決のカギはすべて本書にある」青木理氏(ジャーナリスト)

「権力を注視する極意を教える貴重な一冊」加藤陽子氏(東京大学大学院教授)

「ファシズムの足音が聞こえる今、

阻止するための盲点がこんな身近にあったとは!」堤未果氏(ジャーナリスト)

◆内容紹介◆
情報公開の世界的な流れに逆行!

特定秘密保護法施行で
葬られる歴史と責任!

国民の「知る権利」を軽んじ、秘密が横行する権力は必ず暴走する――。
第二次世界大戦敗戦直後の軍部による戦争責任資料の焼却指令から福島第一原発事故、南スーダンの自衛隊の日報をめぐる顛末等にいたるまで変わらない、情報を隠し続けて責任を曖昧にする国家の論理。この「無責任の体系」を可能にするものは何か? 本書はその原因が情報公開と公文書の管理体制の不備にあることをわかりやすく説明する。

そして、世界の情報公開の流れに完全に逆行した形で、2013年末に可決された特定秘密保護法の問題点と今後を展望する。行政の責任を明確にし、歴史の真相を明らかにするための一冊。

「本書のカバーの帯には、“本文書ハ焼却相成度(アイナリタク)”の部分を拡大した敗戦時の通達の写真が載せられている。評者もまた史料を見ている際、“本達ハ速カニ確実二焼却スベシ”と記された紙片を目にしたことがある。日本人は史料を焼くのがつくづく好きな国民なのだと長嘆息して天を仰ぐが、考えてみれば正倉院の古文書として八世紀初頭の戸籍などはきちんと伝来しており、国民性では説明がつかない。

副題を“隠される公文書”とする本書の姿勢は明快だ。自分たちの業務に必要な文書だけを残し、国民への説明責任を負う自覚はついぞ持たないできた日本の官僚制の特質がまずは丁寧に語られる。よって、行政を担う者は情報を隠すものだと腹をくくったうえで、国民は、国家に記録を残させ情報を開示させることが肝要と説く。言論が萎縮しがちな昨今にあって、久々の直球ど真ん中の提言である」

加藤陽子「情報公開法・公文書管理法の空洞化憂慮」(毎日新聞2014年11月16日より)

◆目次◆
序章 もともと秘密だらけの公文書――情報公開の後進国日本 久保亨
第一章 捨てられる公文書――日本の公文書管理の歴史 瀬畑源
第二章 情報公開法と公文書管理法の制定 瀬畑源
第三章 現代日本の公文書管理の実態と問題点 瀬畑源
第四章 公文書館の国際比較 久保亨
第五章 特定秘密保護法と公文書管理 瀬畑源
あとがき 公文書と共に消されていく行政の責任と歴史の真相 久保亨/瀬畑源

◆著者略歴◆
久保 亨 (くぼ とおる)
1953年東京都生まれ。一橋大学大学院、東京大学東洋文化研究所助手を経て信州大学人文学部教授。中国近現代史専攻。
著書に『社会主義への挑戦1945-1971〈シリーズ中国近現代史4〉』(岩波新書)等。

瀬畑 源(せばた はじめ)
1976年東京都生まれ。一橋大学大学院社会学研究科特任講師を経て長野県短期大学助教。一橋大学博士(社会学)。
日本近現代政治史専攻。著書に『公文書をつかう 公文書管理制度と歴史研究』(青弓社)。

【著者紹介】
久保亨 : 1953年東京都生まれ。一橋大学大学院、東京大学東洋文化研究所助手を経て信州大学人文学部教授。中国近現代史専攻

瀬畑源 : 1976年東京都生まれ。一橋大学大学院社会学研究科特任講師を経て長野県短期大学助教。一橋大学博士(社会学)、日本近現代政治史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 樋口佳之 さん

    意思決定に至る過程を明らかにするための文書作成義務 公文書管理法/一度だけ情報公開請求を行った事があるのだけど、意志決定に至る過程については公開できないとけられた経験があって、ここは改善されていくのかな。

  • 浅香山三郎 さん

    日本のお役所は、公文書が公的な記録で、未来に遺して、政府の意思決定を未来の人が辿りうるものでなくてはならないといふ感覚が皆無に近かつた。福田内閣の公文書管理法にも抜け道は多く、森友・加計問題に続いて、桜を見る会問題も結局は、公文書管理の問題の占める部分が大きい。さういふ意味で、今なお再生産される問題の基本が分かる本である。

  • RED FOX さん

    日本が欧米はおろか近隣諸国の中でも公文書の情報公開度が低いらしい。その気になれば世界有数の几帳面さで整えるであろうに〜。確かに公開しては公益を損する情報も多々あろうが、兎に角秘密ですもんね(笑)こりゃあこれからも間違うね祖国は(>_<)

  • coolflat さん

    公文書管理法と情報公開法は車の両輪と言う。情報公開制度を機能させるためには、きちんと文書が作られていること、それが保存されていることが重要になる。それを保障する法律が公文書管理法だと。実は公文書管理法はごく最近の2011年に制定された。それまでの日本の行政は積極的に公文書を廃棄してきたわけだが、この公文書管理法がまだ定着し切れていない時期に、安倍政権は情報公開とは真逆の秘密保護法を制定したのである。秘密保護法との関係で問題なのは、特定秘密の二重帳簿だ。どれが特定秘密なのか検証できないシステムになっている。

  • イボンヌ さん

    公文書管理や施設整備の立ち遅れこそ、国難かもしれません。公文書は国民の財産だという意識が、日本には昔から足りないようです。

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