カストラート HDニューマスター&リニアPCMエディション

その声に男たちはただ驚嘆し、女たちは肉体をささげた――。去勢が生んだ伝説のオペラ歌手<ｶｽﾄﾗｰﾄ>、その幻の歌声がいま甦る。最新技術の粋を結集し、男女ふたりの歌声を合成、幻の声の再現に挑む！

　かつて１８世紀のヨーロッパに実在した、禁断の声を持ったカストラート。そのボーイソプラノを維持する為に去勢され、２０世紀の現代では存在そのものが禁じられているカストラートのバロック・オペラの中でも、伝説のカストラートと呼ばれたファリネッリ。物語は、彼を取り巻く陰謀、政略、裏切り、苦しみを史実を基に展開してゆく。
　そのカストラートも去勢自体が堅く禁じられた20世紀に入ると完全に姿を消したが、こうして幻の声となったカストラートを大胆な手法で甦らせたのがこの映画である。まずその声を再現するのに、カウンターテナー界屈指の男性歌手デレク・リー・レイギンと彼の声に合う女性ソプラノ歌手エヴァ・ゴドレフスカ、この２人の歌声を１音ずつサンプリング合成した。
　この激しくも繊細な物語を見事に描き切ったのは、『仮面の中のアリア』『めざめの時』のジェラール・コルビオ監督。
　HDリマスター本編に加え、歌唱場面にて響き渡るカストラートの魔性の歌声を十二分に堪能できる非圧縮リニアPCM（ステレオ）、ドルビーTrueHD96K Upsampling（5.1Ch ※予定）を採用。

収録時間：本編(DISC-1) 約 111 分 ＋ 映像特典(DISC-2) 約 75 分 ／画面サイズ：16：9スクイーズ（ヴィスタ）／カラー／製作：1994年 フランス＝イタリア＝ベルギー合作／片面２層DVD＋片面1層DVD／

■音声：1.オリジナルフランス語 （リニアPCM／ステレオ） 2.オリジナルフランス語 （ドルビーデジタル／5.1Ch）
■字幕：1.日本語

【特典映像】
■ドキュメンタリー『失われた声』（約60分）
■インタビュー集（約23分）
■ヴィジュアルパンフレット
■スチールギャラリー　　※予定


【スタッフ】
監督…ジェラール・コルビオ(『仮面の中のｱﾘｱ』 『めざめの時』 『王になった男』)
脚本…アンドレ・コルビオ/ジェラール・コルビオ
脚色…マルセル・ボーリュー/アンドレ・コルビオ/ジェラール・コルビオ
撮影監督…ウォルター・ヴァン・デン・エンデ
美術…ジャンニ・クワランタ
衣裳…オルガ・ベルルーティ/アンヌ・ド・ローガルディエール
編集…ジョエル・アッシュ
音楽監督…クリストファー・ルーセット
製作…ヴェラ・ベルモン

【キャスト】
ファリネッリ（カルロ・ブロスキ）…ステファノ・ディオニジ
リカルド・ブロスキー…エンリコ・ロー・ヴェルソ
アレクサンドラ…エルザ・ジルベルスタイン
マーガレット・ハンター…カロリーヌ・セリエ
ヘンデル…ジェローン・クラッベ
フェリペ5世…ジャック・ブデ
ポルポラ…オメロ・アントヌッティ
モエール伯爵夫人…マリアンヌ・バスレール
[声のみ]
カウンター・テノール歌手…デレク・リー・レイギン
ソプラノ歌手…エヴァ・マラス＝ゴドレフスカ

【ストーリー】
　18世紀のヨーロッパ、珠玉のボーイソプラノを保つために＜去勢＞された男たちがいた―――“カストラート”。　その音域は３オクターヴ半にも及び、女性歌手でも出すのが難しい高音のパートですら楽々発声できたという。当時のスーパースターの代名詞だったカストラートはまた、独特の去勢法のため性生活には何一つ不自由なかったばかりか妊娠の心配もないとあって宮廷女性の愛玩物にもなっていたという。
　そのカストラートの歴史上もっとも有名な存在がファリネッリ。彼の名はヨーロッパ中に轟き、あらゆる女性の寵愛を欲しいままにしていた。彼の影の半生を通じて“男でも女でもない人間”の悲劇と崇高さをドラマティックに、かつスキャンダラスに、彼を取り巻く陰謀、政略、裏切り、苦しみを史実を基に展開してゆく。

© Stephan Films, Alinéa Films, UGC images, Le Studio Canal +, FRANCE 2 Cinéma studio images/Paris, K2 Productions, RTL TVI/Bruxelles.

18世紀のヨーロッパ。珠玉のボーイ・ソプラノを保つために去勢された男たち、カストラート。彼らの不遇な人生と宮廷音楽界の実態を描いた、センセーショナルな人間ドラマ。出演はステファノ・ディオニジ、エンリコ・ロ・ヴェルソら。(CDジャーナル　データベースより)