Elysium

この作品は、恐らくトルキ信者の方々には少し物足りないかもしれませんが、純粋にHR/HM作品としては、非常にクウォリティの高い作品だと思います。 これは、トルキ色からの完全脱却と後任のマティアスの力量発揮を完璧な形でアピールした作品となっていると思うからです。 欧州メタルの透明感とストリングスの高揚感で、格段にスケールアップしていると感じられます。 という事で、私的にはトルキ時代より現在の「音」の方が好きです。日本で過小評価されているバンドの一つであり（これはBurrn!誌の”おかげ”でもあるが）ますが、是非とも純粋に良質なバンドとして聴いて欲しいバンドですね。

2009年の前作「POLARIS」から加入したマティアス･クピアイネン（ｇ）が、本作の過半数を作曲した通算13作目の新作。才能豊かなギターが加入した事で、息を吹き返したバンドは、18分を越える大作�Hもそのマティアス作。ティモ･トルキの後任という重さを払拭出来た感じもするが、まだ決定的な曲は作れてない気もする。才能豊かだけに次に期待。 おすすめ・・・・・�@�A�B�D�F�G�H

音楽性は前作の連続性があるが、特筆すべきはここ数年で最もパワーに満ち溢れている。＃1はかの”Hunting High and Low”を彷彿させるシングル曲。＃2,3はオレ好みの疾走曲。＃4はプログレ曲。＃5でまた疾走。＃6プログレ。＃7はイェンス・ヨハンソンのバラードがこれもなかなかによかった。＃8アルバム中最速のスピード曲で興奮MAXに。＃9のタイトル曲はバンド史上最長の18分を越える大曲で、パートが�Vまでに分かれており、１パート終わるごとにリズムチェンジする。この曲は思い切った賭けに出たと思った。前作もパート�Uまでに分かれた曲がアルバムの最後にあったけど、２曲に分けられていた。しかし今回は３曲がうまくつながっていて、もたれる感じもない。こんなポジティブでパワフルな作品は多分INFINITE以来だと感じた。それに日本未発表のミニアルバムに収録されていたボーナス曲(ラウリ・ポラー作)”Cast Away”もスピード曲なのだが、イントロがあからさまにかの名曲”Black Diamond”に似すぎじゃないか(笑)？バッキングパターンも…。曲がいいので問題なしってことで(笑)。今回はすごくいいよ、コティペルト曰く「５人のリーダーが完成させた」と言うが、うまい具合に５人の最高の曲が出来上がったと思う(事実上のリーダーはコティペルトとイェンスなんだけど…)。それに２月HELLOWEENとのライブがいいライブになりそうだ。「ヘロウィン」(ヘロヘロなハロウィン【一人で爆笑】)みたいにならないように(笑)。P.S.ヨルグ・マイケルの「甲状腺悪性腫瘍」が心配される。代わりのドラマーは「Fourth Dimension」をよく知ってるらしいから今度は”Against the Wind”やるかもね(あくまで推測)。また今回のアルバムのような活動ができるように、ヨルグは無事な形で戻ってきて欲しい。