ジャック･リヴェット傑作選

DISC-1
「セリーヌとジュリーは舟でゆく」CELINE ET JULIE VONT EN BATEAU
リヴェットの魔法が紡ぎ出す、奇想天外で遊び心あふれるファンタジー
ヌーヴェルヴァーグの巨匠、ジャック・リヴェットが商業的にも批評的にも大きな成功を得た作品。まばゆいばかりの映像の美しさと、何が起こるか分からないスリリングなストーリー展開に、一瞬たりとも目が離せない。
公園のベンチで本を読むジュリーの前を、「不思議の国のアリス」のウサギのように、落とし物を残して走り過ぎるセリーヌ。落とし物を返そうとするジュリーはセリーヌの後を追ってパリの街を駆け回る。そんな幻想的な出会いを果たした二人は、好奇心と遊び心いっぱいの共同生活を始める。そして、魔法のボンボンを手に入れ、不気味な屋敷の中で繰り広げられる不思議なメロドラマの世界に迷い込む。
監督：ジャック・リヴェット
製作：バルべ・シュレデール
脚本：ジュリエット・ベルト、ドミニク・ラブリエ、ビュル・オジエ、マリー＝フランス・ピジェ、ジャック・リヴェット
撮影：ジャック・レナール
音楽：ジャン＝マリー・セニア
出演：ジュリエット・ベルト、ドミニク・ラブリエ、マリー＝フランス・ピジェ、バルベ・シュローデル、ナタリー・アズナル、ビュル・オジエ　
《1974年フランス作品　186分収録　　日本語字幕：寺尾次郎》

DISC-2
「北の橋」LE PONT DU NORD
即興的演出でパリの風景を鮮烈に切り取った、スリルに満ちたロード・ムーヴィー
パリをこよなく愛するジャック・リヴェットが、パリの街でロケしたスピード感とサスペンス溢れる作品。アストル・ピアソラの音楽が彩りを添える。リヴェット作品の常連ビュル・オジエと、エリック・ロメールの「満月の夜」で主演したパスカル・オジエの親子共演も見所。
カラテを使い、ドン・キホーテのように見えない敵に立ち向かう妄想家のバチスト。刑務所から出所したばかりで閉所恐怖症のマリー。ふとした出会いから二人の奇妙な関係が始まった。マリーの恋人が持っていた謎のパリ市内地図を手に入れ、陰謀の渦に巻き込まれてゆく二人。蜘蛛の巣のような網目が書き込まれた地図の謎を解くために、地図を双六に見立ててパリの街をさまよい歩く。
監督：ジャック・リヴェット
脚本：ビュル・オジエ、シュザンヌ・シフマン、ジャック・リヴェット
撮影：ウィリアム・ルブチャンスキー、カロリーヌ・シャンプティエ
音楽：アストル・ピアソラ
出演：ビュル・オジエ、パスカル・オジェ、ピエール・クレマンティ、ジャン＝フランソワ・ステヴナン
《1981年フランス作品　124分収録　　日本語字幕：寺尾次郎》

DISC-3
「彼女たちの舞台」LA BANDE DES QUATRE
女性たちが迷い込んだ犯罪と恋愛の迷宮を描く、緊張感あふれるリヴェット流ミステリー
演劇的手法を用いることで知られるリヴェットが、演劇学校の舞台で繰り広げられる女性たち内なる迷宮を鋭く描き出す。日本での評価は遅れていたリヴェットの名を一躍知らしめることになった作品。ベルリン国際映画祭国際評論家連盟賞受賞。
女性にしか教えないという演劇学校に通う四人の女性。彼女らは郊外の屋敷で共同生活を送りながら厳しい稽古に励んでいた。ある日、友人のセシルが事件に巻き込まれ、謎の男が四人の前に姿を現す。男はセシルの周囲を探るために、次々と四人を甘い言葉で誘惑し、共同生活に入り込もうとしていた。事件の全貌と男の目的が明らかになるにつれ、男の存在が彼女たちの日常をかき乱し、四人の心の葛藤が深まってゆく。
監督：ジャック・リヴェット
製作：アルティーヌ・マリニャック
脚本：ジャック・リヴェット、パスカル・ボニツェール、クリスティーヌ・ローラン
撮影：カロリーヌ・シャンプティエ
出演：ローランス・コート、フェイリア・ドゥリバ、イネス・ダルメイダ、ベルナデット・ジロー、ナタリー・リシャール、ビュル・オジエ、ブノワ・レジャン
《1988年フランス作品　156分収録》

ヌーベル・ヴァーグの中心人物にして仏映画界の巨匠、ジャック・リヴェットの代表作品集。ファンタジー活劇『セリーヌとジュリーは舟でゆく』ほか、冒険活劇『北の橋』、舞台風演出の『彼女たちの舞台』の3作品を収録。(CDジャーナル　データベースより)