キェシロフスキ初期作品集III 終わりなし/愛に関する短いフィルム

『トリコロール』三部作、『デカローグ』『ふたりのベロニカ』などの傑作を遺し、その芸術活動の絶頂期に54歳という若さで急逝したポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキ。そんなキェシロフスキ監督の初期作品6本を2作品ずつまとめて、3枚同時にリリース。
第3弾は、これまでDVDボックスでは発売されていたが、単体では手に入らなかった『終わりなし』と初期を代表する恋愛映画の傑作『愛に関する短いフィルム』のセット。
『終わりなし』は、脚本のピェシェヴィチ、音楽のプレイスネルと黄金のトリオが誕生するきっかけとなった作品。『愛に関する短いフィルム』は『デカローグ』第六話のロングバージョン。

『終わりなし』
やり手の弁護士アンテクが愛する妻ウラと一人息子を残して亡くなる。アンテクの死を受け入れられないウラ。そしてアンテク自身も自分が死を迎えた実感がなく、魂は現世に留まっていた。
登場人物の表情や仕草、街の風景や音などに深い意味を持たせた、映像詩的な作品。初のタイトルは『ハッピーエンド』。
1984年/ポーランド/109分/35mm
脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ、クシシュトフ・ピェシェヴィチ
音楽:ズビグニェフ・プレイスネル
出演:グラジナ・シャポウォフスカ、イェジ・ラジヴィオヴィッチ
グダニスク映画祭 主演男優賞、脚本賞受賞

『愛に関する短いフィルム』
孤独な郵便局員の少年が、向いのアパートに住む年上の女流画家の行動を覗き見ているうちに、純粋だが困難な恋愛におちる切ないラブストーリー。
「見る」ことと「見られる」ことによって生まれるエロティシズムが画面に漂う傑作であり、キェシロフスキ映画の重要な要素である観察者としての視点が、人間をいとおしむものであることを象徴する作品。
1988年/ポーランド/87分/35mm
脚本:クシシュトフ・キェシロフスキ、クシシュトフ・ピェシェヴィチ
出演:グラジナ・シャポウォフスカ、オラフ・ルバシェンコ
サン・セバスティアン映画祭国際批評家連盟賞、審査員特別賞、全キリスト教会審査員賞受賞

54歳で急逝したポーランドの巨匠クシシュトフ・キェシロフスキの初期作品集、第3弾。戒厳令下で自殺して亡夫を追う女の姿を描く『終わりなし』と、挑発的な美女を覗き見る『愛に関する短いフィルム』を同梱する。(CDジャーナル　データベースより)