KOKORO

そして、あなたもまた生きている。

＜イントロダクション＞
弟・ナタンの死をきっかけに日本を訪れたフランス人・アリスと、旅先の住人たちとの交流を描く。
主演を務めるのはイザベル・カレ。共演に國村隼、安藤政信、門脇麦。監督と脚本はヴァンニャ・ダルカンタラ。

＜解説＞
弟の死をきっかけに訪れた静寂の島で取り戻したものとはーーー。今を生きるあなたへ贈る こころの処方箋2016年3月30日、この日フランスで公開を迎えた日本を舞台にしたベルギー・フランス・カナダ合作映画が、深く静かな感動を呼んだ。同日公開された大作を含めた19本の作品中7位スタートを飾り、邦画で例えると『岸辺の旅』（黒沢清監督、本作と同じCondor配給）とほぼ同じフランスオープニング成績であった。それが、國村隼、安藤政信、門脇麦ら実力派日本人俳優が出演する本作『KOKORO』である。
日本の美しく険しい自然のもと人間の回復の物語を紡いだのは、ベルギー女性監督ヴァンニャ・ダルカンタラ。自身の祖母の経験に基づき、第二次世界大戦中にシベリアへ追われたポーランド女性を描いた『荒野の彼方へ Beyond the steppes』で長編映画監督としてデビューを飾り、マラケシュ国際映画祭審査員特別賞ほか各映画祭で高い評価を得た。今回はフランス人作家オリヴィエ・アダムによる小説「Le Ceur Regulier」を、ベルギー・フランス・カナダ・日本からなる4カ国混成スタッフと共に、穏やかに心洗われる物語へと昇華させた。メインの舞台となる海辺の村のシーンは、島根県隠岐島や島根県松江市でロケを敢行。とくに投身自殺の名所であり、アリスとナタンの心を結ぶ場所でもある「崖」はストーリーのキーとなる重要な場所。日本各地の崖が検討された結果「ダイナミックさと抒情が作品の世界観に最適」（ダルカンタラ監督）として、隠岐諸島の最南端に位置する知夫村の赤壁が選ばれた。青く深い日本海の迫力と、赤茶の断層がえぐられたかのようにむき出しになった断崖は、それだけで多くを物語っているかのように劇中に存在している。
弟の死をきっかけに日本を訪れ、崖のある村の人々との交流を通し再生していくフランス人女性のアリスを、セザール賞常連女優であり、映画『奇跡のひと マリーとマルグリット』『きつねと私の12か月』のイザベル・カレが繊細に表現している。そしてもう一人の主人公ともいえる元警察官のダイスケを、韓国映画『哭声/コクソン』の演技によって、韓国のアカデミー賞といわれる第37回青龍映画賞で男優助演賞と人気スター賞をダブル受賞し、国際的評価も高い俳優・國村隼が深みのある芝居をみせている。さらに、アリスを優しく見つめる地元住人ジロウを『GONIN サーガ』ドラマ「コード・ブルー」などの安藤政信、好奇心旺盛な女子高生ヒロミを『二重生活』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』などの門脇麦、ダイスケの元に身を寄せる自殺志願者を長尾奈奈、葉山奨之が演じている。
ここが日本なのかと思わせる風景、力のある画の切り取り、余計なものを削ぎ落とした人物像が、静かで美しいアンサンブルを産み出している。忙殺される日常の中で失った何かに気づかされる、心に染み入るドラマ。

＜仕様＞
2016年 ベルギー/フランス/カナダ
16:9LBスコープサイズ
カラー / 約95分 / 片面1層 / 1枚組
音声：
1.フランス語・日本語 ドルビーデジタル5.1ch(オリジナル)
2.日本語 ドルビーデジタル2.0ch(オリジナル)
日本語字幕

＜特典＞
■映像特典
・予告編
・初日舞台挨拶（約25分）

※特典内容・仕様などは変更する可能性もございます。あらかじめご了承ください。

＜スタッフ＞
■監督・脚本：ヴァンニャ・ダルカンタラ
■原作：オリヴィエ・アダム「Le Ceur Regulier」
■撮影監督：ルーベン・インペンズ
■美術：イザベル・ジラール/富田麻友美
■音楽：セルジュ・ナカウチ・ペレティエ
■編集：ルド・トロク
■録音：ロラン・ラフラン/フレデリック・クロティエ
/ステファン・バガロン
■衣裳：マリー・ル・ガレック 白石敦子
■ヘアメイク：リサ・ションカー
■助監督：フレディ・バーホーベン
■プロダクションマネージャー：ヴァンサン・カナート
■キャスティング：オレリー・ギチャード/三宅はるえ
■日本プロダクションスーパーバイザー：松嶋翔
/ブライアン古保/原田博志
■エグゼクティブプロデューサー：アンヌ＝ロール・ゲガン
■プロデューサー：デニス・ドルカンプ/ベルトラン・ゴア

＜キャスト＞
■イザベル・カレ
■國村隼
■安藤政信
■門脇麦
■長尾奈奈
■葉山奨之
■ニールス・シュネデール
■ファブリツィオ・ロンジォーネ
■古舘寛治

＜ストーリー＞
フランスで暮らすアリスのもとに弟のナタンがやってきた。旅先の日本で生きる意欲を見つけたと幸せそうに語っていたナタンは、数日後突然この世を去ってしまう。最愛の弟をなくしたアリスは、弟を変えた人々に出会うため、ひとり日本を訪れる。行き着いた先は自殺の名所として知られる崖のある海辺の村だった。そこでアリスは元警察官のダイスケと出会う。ダイスケは自殺のために村を訪れる人に寄り添い、自殺を思いとどまらせていた。村の人々との交流がアリスの心に静かな変化をもたらせていく。

劇場公開：2017年11月4日

発売元：日活株式会社
販売元：ハピネット(ピーエム)
©NEED PRODUCTIONS / BLUE MONDAY PRODUCTIONS

弟の死をきっかけに、弟が生前“生きる意欲を見つけた”と語っていた日本を訪れることにしたフランス人のアリス。彼女が旅先で出会った住人たちとの交流を描く。イザベル・カレ、國村隼共演による魂の回復の物語。(CDジャーナル　データベースより)