Nevada Jukebox

60年代フォーク・シーンで傑出した個性を打ち出していた女性シンガー、ジュディ・ロダリックがコロラドを拠点に結成したバンドの72年唯一作。彼女の出自を垣間見せるトラッドやラグタイムをアーシーにアレンジしたナンバーなどを収録したビル・シムジクプロデュースによる濃厚なルーツ・ロック・アルバム!!

フォークやシンガーソングライター・アクトに特有のパーソナルな表情をみせながらも、彼女の歌は耳を奪うほどブルージーでスピリチュアルであり、その佇まいは鮮烈だった。古典的なブルースやジャズ・ブルースのルーツを探りながら、60年代のフォーク・シーンで傑出した個性を打ち出していたジュディ・ロダリック。おおよその音楽辞典では彼女の名を見つけることは困難だけれど、ジュディはたとえば男性歌手でいえばデイヴ・ヴァン・ロンクやフレッド・ニール、女性歌手ではジュディ・ヘンスキーやバーバラ・デイン、カレン・ドルトン、マリア・マルダー、リサ・キンドレッドらの系譜に名を連ねる、ジャズやブルースに根ざすディープなアメリカン・トラディションを見つめていたシンガーだった。
そのジュディ・ロダリックが、70年代を迎えて濃厚なルーツ・ロックを掲げたバンドを結成する。名付けてシクスティ・ミリオン・バッファロー。72年、アトランティックと契約し、傘下のアトコ・レーベルからリリースした本作『ネヴァダ・ジュークボックス』(SD33-384)は、彼らの唯一のアルバムであり、同時にロック・ヴォーカリストとしてのジュディを記録した貴重にして希少な作品の初CD化である。時にジャニス・ジョプリンを思わせるほど情感を噴出させる歌いっぷりは、ジュディのキャリアからすれば異色と言っていいが、ジュディの傑出した存在感と本作の南部色豊かな70年代型ロックのプロダクションは、熱心な音楽ファンたちによって“再発見”され、カルトなロック・アルバムとして語り継がれてきた。ルーツ・ロックのファンなら、このアルバムでジュディを知り、彼女の来歴に興味を抱いたという人も多いはずだ。
（メーカー資料より）