Moonstone

ブルース・プロジェクトのヴォーカリストとして、その名を知られるトミー・フランダース。本作は1969年に発売した唯一のソロ・アルバム。ブルース・プロジェクトとは打って変わってアコースティックなフォーク・ロックを聴かせるシンガー・ソングライター作品。

トミー・フランダースと言えば、何よりも(一部の熱狂的なファンの間で)有名なのはブルース・プロジェクトのリード・ヴォーカルとしての顔だと思う。ブルース・プロジェクト は、ニューヨークのグリニッチ・ヴィレッジから生まれたその名の通りのブルース・ロックを演奏するバンドであったと言って良い。しかしあの時代、あらゆる所から誕生して きた凡百のブルース・ロック・バンドの様な演奏をしていた訳ではなかった。エリック・アンダーセンの「紫の夜明け(Violets of Dawn)」を歌ったのがトミー・フランダース だ。本作は、そんなトミー・フランダースが1969年に発売した唯一のソロ・アルバムである。撮影時にフラッシュを焚いたせいなのか、大きなつば付き帽子によって光が反 射し、顔が少し見えにくくなっている。しかしそれが逆にシンガー・ソングライター作品として陰りのある魅力を増し、あまりにも印象深く記憶に残るこのジャケットから、一体 どんなサウンドが飛び出して来るのだろうかとワクワクしながらプレーヤーにセットする。すると、アコースティック・ギターの響きと、ブルース・ラングホーンによる滑らかな エレクトリック・ギターのフレーズが鮮やかに飛び出してくる「Since You’ve Been Gone」が始まる。大袈裟に聞こえるかもしれないが、この1曲をもってしてSSWファンはト ミーの虜になってしまうだろう。美しいという言葉がまさにぴったりで、優しくドリーミーに私小説の如く淡々と歌詞が投げ掛けられるこの曲は本当に素晴らしい。〜解説より
(メーカー資料より)