Marchas

リスボンの隠れた名物音楽“マルシャ”を歌う60年代のアマリア

2020年はファド・ファンにとって重要な年となるはずです。それはもちろん“ファドの女王”アマリア・ロドリゲス（1920 - 99）の生誕100年にあたるアニヴァーサリー・イヤーだから。すでにこの１月にはアマリアのレパートリを斬新なアレンジで聴かせる作品『リナ＿ラウル・レフリー』（INR-8044）をライスからリリースしているほか、ポルトガル本国でもアマリア関連作が続々とリリースされており、本年の大きなムーヴメントとなることは間違いありません。

そんな中、リスト2020-03号にて「アマリア生誕100周年記念企画第一弾」として２タイトルをご紹介しましたが、その内『オランピアのアマリア・ロドリゲス』は制作上の都合により発売を中止とさせてください。その代わりにこちらのタイトルを廉価仕様で再リリースすることにいたしました。

ファドの女王と呼ばれたアマリア・ロドリゲスですが、その一方でポルトガル民謡やブラジルのサンバ・カンソーン、スペインのポップなフラメンコ風流行歌クプレ、さらにはフランスやイタリアの歌曲などもレパートリとしていました。そんなアマリアがポルトガルで毎年６月に行なわれるジュニーナと呼ばれるお祭りでのパレード“マルシャ”のための音楽を歌った録音を集めたのが本作です。ここではブラス・バンドによる本格的な伴奏をバックに、お祭りのコンテストに登場した名曲の数々をアマリアが歌い上げています。アーティスティックな姿勢で臨むファドの録音の時とは全く異なる、大衆的で躍動感溢れるアマリアのヴォーカルが楽しめるというのが、本作最大の聴き所です。

アマリアのファンはもちろん、ポルトガル、いやヨーロッパの民衆文化に興味のある方は全員必携の１枚です。

■日本語解説／帯付き


（メーカーインフォメーションより）