NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ/諸井誠
いち早く十二音技法などを取り入れ、新進気鋭の作曲家として名を知られるようになっていた若き日の諸井誠。
1959年の作品、室内カンタータ第1番『三眼の夜』は、石原達二の詩に付曲したもので、オンド・マルトノとハープシコード、チェレスタ、そしてパーカッションのつくりだす響きは透明かつユニークな色彩にあふれており、表現の振幅も大きなものとなっています。
ピアノ協奏曲はまるでプロコフィエフのように始まり、打楽器とピアノの掛け合いも面白いことこの上なし。第2楽章の、すすり泣くヴァイオリンに絡むピアノの周りを飛びまわるフルートも魅力的です。
【収録情報】
諸井誠:
・第1室内カンタータ(1959) 放送初演
本荘玲子(オンド・マルトノ)
竹前聡子(ハープシコード、チェレスタ)
小林美隆、有賀誠門、塚田靖(パーカッション)
水島弘(語り手)
東京混声合唱団
岩城宏之(指揮)
放送時期:1959年4月26日
・対話五題(1964) 初演
酒井竹保(尺八)
酒井松道(尺八)
録音時期:1967年2月10日
録音場所:東京ドイツ文化研究所ホール
第1回日独現代音楽祭より
・ピアノのための『以呂波譬喩八題』(1967)
山根弥生子(ピアノ)
放送時期:1968年11月10日
・レ・ファルス(1970)
黒沼ユリ子(ヴァイオリン)
録音時期:1971年2月5日
録音場所:東京文化会館
現代の音楽展'71 現音創立40周年記念演奏会より
・ピアノ協奏曲第1番(1966)
小林仁(ピアノ)
NHK交響楽団
森正(指揮)
録音時期:1967年11月29日
録音場所:東京文化会館
NHK交響楽団臨時演奏会「現代日本の作品の夕べ」より
・諸井誠、矢代秋雄、森正による鼎談
仕様:HQCD (Hi Quality CD)
解説:諸井誠(楽曲解説)、諸石幸生(演奏論等)
【NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ】
NHKの協力のもと、戦後の日本現代音楽の時代の空気が当時の演奏で甦る!
「NHK「現代の音楽」アーカイブシリーズ」は、戦後の日本音楽シーンを代表する邦人作曲家に焦点をあてたCDシリーズです。収録音源は全て、NHKラジオ番組「現代の音楽」で過去放送された番組のマスターテープから編集・リマスタリングを行い、マスターの再現性においてきわめて評価の高いHQCD(Hi Quality CD)でリリースします。NHKの協力の元、希少価値の極めて高い録音のアーカイブ化を実現しました。代表作の初演や未発売作品のライヴ録音を中心に収録。日本人の創りだした音楽が、作曲当時の時代の空気とともに今ここに甦ります。
リリース第1期として、共にフランスで学び親交の深かった
「三善晃」、
「矢代秋雄」の2タイトルを7月に発売、第2弾は
「武満徹」、「諸井誠」の2タイトルを8月にリリース予定です。
【NHKラジオ番組「現代の音楽」について】
戦後間もない1947年のラジオ番組「日本の音楽」などを前身として、1957年より日本の現代音楽の有り様を今日まで伝えている番組。現在の放送時間は、毎週日曜18:00-18:50。柴田南雄、上浪渡、白石美雪、西村朗などが歴代の解説を務め、2009年からは猿谷紀郎が担当。邦人作曲家から海外の著名な作曲家まで、音楽祭や作曲賞本選会などのライヴ録音を中心に放送。(NAXOS JAPAN)