ベートーヴェン(1770-1827)

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DVD

交響曲第3番『英雄』、ほか クーベリック&BPO、コンセルトヘボウ(DVD)

ベートーヴェン(1770-1827)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
DLVC1125
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
画面サイズ
:
通常
:
カラー
フォーマット
:
DVD

商品説明

クーベリックのベートーヴェン(DVD)
許光俊
 クーベリックのライヴ録音が次々に発売されるようになって、この音楽家がたいそうな情熱家であることがますますはっきりしてきた。
 最近また、すぐれた映像が発売された。曲目はベートーヴェンの序曲「レオノーレ」第3番、交響曲第2,3番「英雄」で、オーケストラはコンセルトヘボウ管弦楽団とベルリン・フィルだ。コンサートの撮影ではなく、映像用に収録されたものである。

 クーベリックのベートーヴェンというと、9つのオーケストラを振り分けたDGの全集が有名だ。確かに悪い演奏ではない。しかし、何が何でも聴かねばならないというほど特別でもない。安全運転に終始していて、物足りないのだ。

 こちらの映像のほうが、ずっと溌剌としている。いや、別人のようだとすら言ってもよいかもしれない。ライヴ的な緊張や高揚が伝わってくる。
 「英雄」第2楽章の、まるで洪水のように押し寄せる音の奔流など、CDからはまるでうかがえなかった。ちなみに、この葬送行進曲、クーベリックとしては異例だと思うが、じっくりとひとつひとつの音を刻みつけていくかのような執拗な演奏で、粘着度が高く、情念も濃厚だ。カラヤン全盛期のベルリン・フィルの恐ろしいまでのパワーが全開になっているのも聴きものである。好き嫌いは別として、すべての楽器が一丸となって発する異常な音響の世界は他に類を見ない独特のものだ。
 第2交響曲のコンセルトヘボウ管弦楽団はずっと柔らか。いいオーケストラである。ちょっとしたソロに何とも言えない美しさが感じられる。間の取り方にも風情がある。生気豊かにして端正。オーソドックスのよさをしみじみ味わえる音楽だ。これなど聴いていると、クラシックは贅沢な音楽だと思わせられる。
 言うなら、ベルリン・フィルは高性能な機械だということ。言われたことしかやらない。指揮者が細かく操縦してやらないといけないのだ。が、ちゃんと操縦してやれば、ものすごい能力を発揮する。他方コンセルトヘボウは、名馬だ。それ自体に感覚があり、判断があり、やり方がある。この映像を見ると、その違いの大きさに今さながら驚いてしまう。

 ところで、ユニテルの映像というと、やたらと楽器のソロをクローズアップしたものが多く、退屈きわまりない、私などにとっては許し難く非音楽的なものが多いが、このDVDはそうでないのが何とも好ましい。「レオノーレ」と交響曲第2番では手練手管を尽くした饒舌ぶりが楽しい。映像監督が何を考えながら作ったのか、大いに考えさせてくれる。詳細は解説書に記したのでここでは書かないが、曲の内容にふさわしい映像を作ろうとしているのだ。こうでなくては映像ソフトはおもしろくない。
 「英雄」は、それに比べればおとなしいけれど、ソロの無意味な強調をしない、オーケストラ全体を俯瞰するようなアングルが多いので、快適である。
 音質もDGのCDより生々しさをよく伝えている。


■ベートーヴェン:レオノーレ序曲第3番 Op.72a [16:00]
指揮:ラファエル・クーベリック
演奏:アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
監督:エーケ・ファルク
製作:ユニテル 1969年 カラー&ステレオ

■ベートーヴェン:交響曲第2番ニ長調 Op.36[35:00]
指揮:ラファエル・クーベリック
演奏:アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
監督:エーケ・ファルク
製作:ユニテル 1969年 カラー&ステレオ

■ベートーヴェン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』[55:00]
指揮:ラファエル・クーベリック
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
監督:アンリ・コルピ
製作:ユニテル 1971年 カラー&ステレオ


画面:カラー(アスペクト比 4:3)
音声:リニアPCMステレオ
記録方式:片面1層
収録時間:107分

世界初DVD化

内容詳細

チェコ出身の大指揮者クーベリックの、70年前後の壮年期の映像。ぴたりと息の合ったコンセルトヘボウ管との演奏や、ベルリン・フィルとの重厚でスケールの大きな「英雄」など、ファン必見の1枚。(CDジャーナル データベースより)

ユーザーレビュー

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クーベリックの「英雄」と言えば1971年...

投稿日:2004/06/05 (土)

クーベリックの「英雄」と言えば1971年にイエス・キリスト教会で録音されたDG盤がすばらしいので同じメンバーならと思い購入しました。演奏は申し分ないのですが、どこかのテレビスタジオで収録されたような感じで臨場感に乏しく音の歪も多い。音質はリマスターされたDG盤のほうがはるかによいと思いました。コンセルトヘボウのほうは音質も秀逸で弦がコントラバスから第一ヴァイオリンまでよく鳴っているなという印象を受けました。カメラアングルが面白い。(見てのお楽しみ)

フレーニ大好き さん | 千葉県 | 不明

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許氏の解説にあるように、確かにDGのスタジ...

投稿日:2004/06/04 (金)

許氏の解説にあるように、確かにDGのスタジオ録音とはまったくの別物。金管や低音弦も激しく鳴らすし、音楽の推進力も強く、熱気に溢れています。ただし、これは演奏会の模様を収録したものではなく、あくまで映像収録用に行われたライブの録音です。当時のカラヤンの映像を思わせるトリッキーな効果も随所にみられ、この点は好悪を分かつところでしょう。音質面も、許氏が言うほど優れたものではなく、これも当時のユニテルの映像作品の音質と同レベルです。リマスターされたスタジオ録音には及びません。とはいえ、壮年期のクーベリックのベートー

Edmund さん | 東京 | 不明

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ベートーヴェン(1770-1827)

1770年12月17日(16日?):父ヨハン、母マリアの次男としてドイツのボンに誕生。 1778年:7歳でケルンでの演奏会に出演。 1781(1782?)年:クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに師事。 1800年:交響曲第1番を宮廷劇場で指揮。 1804年:交響曲第3番『英雄』を発表。 1805年:交響曲第5番『運命』、交響曲

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