合衆国最後の日

核ミサイル基地を占拠し国家を人質に取った元軍人が、合衆国に突きつけた要求とは……？
その普遍的で切実なメッセージが現在に鋭く突き刺さる、時代も国境も超えた政治スリラーの傑作。


刑務所を脱獄した元合衆国空軍准将ローレンス・デル（バート・ランカスター）とその仲間たちが、モンタナ州にあるサイロ（タイタン・ミサイル格納庫兼発射台）を急襲する。占拠後、デルは合衆国大統領スティーヴンス（チャールズ・ダーニング）を電話口に呼び出して、自らの要求を伝える。その内容とは、�@1000万ドル、�A大統領専用機による国外移送、�B国外脱出の際、大統領自身が人質として同行すること、そして最重要事項として�C「NSC（国家安全保障会議）文書9759」の国民への開示、だった。要求が受け入れられなければ、すでにロシアに向けられている九機の大陸間弾道ミサイルを発射する──つまり、第三次世界大戦を勃発させる──とデルは合衆国政府を脅迫する……。 ウォルター・ウェイジャーが1971年に発表した小説を自由に翻案し、政治的主題と人情味あふれる人物造型、この二つの要素が織りなす心揺さぶる力強い作劇を独自に導入した作品。


複数の場所（サイロ内、ホワイトハウス、戦略空軍総司令部等）で同時進行する出来事を、画面を複数に分割しながら観客に提示する“スプリット・スクリーン”の手法が、サスペンスを否応なく高める。晩年のロバート・オルドリッチが精魂込めて作り上げた最後の野心作にして、骨太な娯楽性と鋭利なメッセージ性が力強く融合した傑作。オルドリッチとの名コンビで知られるバート・ランカスターをはじめ、チャールズ・ダーニングやリチャード・ウィドマークら実力派俳優の名演、ジェリー・ゴールドスミスの緊迫感溢れるオリジナル・スコア共々、息詰まる展開に最後まで目が離せない。


製作総指揮：ヘルムート・イエデレ
製作：マーヴ・アデルソン
監督：ロバート・オルドリッチ
原作：ウォルター・ウェイジャー
脚本：ロナルド・M. コーエン、エドワード・ヒューブシュ
撮影：ロバート・ハウザー
編集：マイケル・ルチアーノ、ウィリアム・マーティン、モーリー・ワイントローブ
プロダクション・デザイン：ロルフ・ツェートバウアー
音楽：ジェリー・ゴールドスミス
出演：バート・ランカスター（ローレンス・デル）/チャールズ・ダーニング（デイヴィッド・T. スティーヴンス）
/リチャード・ウィドマーク（マーティン・マッケンジー）/ポール・ウィンフィールド（ウィリス・パウェル）
/バート・ヤング（オージー・ガーヴァス）/ウィリアム・スミス（ホクシー）
/リチャード・ジャッケル（スタンフォード・タウン）/ジェラルド・S. オラフリン（オルーク）
/メルヴィン・ダグラス（ザカライア・ガスリー） /ジョゼフ・コットン（アーサー・レンフリュー）



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