MONTY PYTHONは、イギリス国営放送ＢＢＣで1969年10月6日から1974年12月5日まで続いたギャグ番組。ほとんど無名だった６人の若者がスタートさせた３０分番組『空飛ぶモンティ・パイソン（Monty Python's Flying Circus)』は、当初視聴率を度外視した実験的な深夜番組だった。しかしその画期的なスタイルを持つスケッチ・ショー（コント番組）は予想外の大人気を博し、5年間計４シリーズ全４５本が放映される長寿番組となった。途中、ドイツのバーバリアンＴＶ用の特別編２本、更には劇場用のリメイク作品『モンティ・パイソン・アンド・ナウ』も制作している。

パイソンズはメンバー６人中、５人がオックスブリッジ卒というエリート集団。 グレアム・チャップマン：軍人や警察官など権力者を表現するのを得意とし、その誇張されたキャラクターは理不尽そのものであった。また彼はパイソンズの中の唯一のゲイであり、ゲイの人権問題には積極的に取り組む活動家としても知られている。しかし1989年『MONTY　PYTHON』生誕20周年記念の前日に息をひきとっている。ジョン・クリーズ：『バカ歩き』をはじめとする強烈なビジュアルギャグを披露。メンバーの中で最初にソロ活動をスタートさせ、後に名作『フォールティ・タワーズ』も生んだ 。テリー・ギリアム：メンバー唯一のアメリカ人。主にアニメーションを担当していたが、後に『１２モンキーズ』等、映画監督として名を馳せる。エリック・アイドル： しゃべくり芸の権化でビートルズのパロディ"ラトルズ"でも有名。 テリー・ジョーンズ：ストリップとおばさん役を得意とし、笑いのために脱ぎまくっていたコメディアン。でも実は中世文学の研究でも名高い知性派でもあった。マイケル・ペイリン："イッツ・マン"として有名、幅広い役柄をこなす演技力を誇りイギリスの国民的“ナイス・ガイ”であった。

この個性溢れるメンバーで構成されたエリート集団は、イギリスのコメディ界を"パイソン前""パイソン後"に分割する革命的かつ王道的な存在として、『サタデー・ナイト・ライヴ』『ミスター・ビーン』等、後の作品に大きな影響を与えた。１９９８年にはアメリカのアスペンでトーク・ショーを実施、９９年には結成３０周年を記念して、ＢＢＣで特別番組『パイソン・ナイト』を制作、新作コントを披露するなど健在ぶりを発揮している 。