アンチェルが様々なレパートリーを指揮、
コンセルトヘボウが充実の演奏で応える!
全編ステレオ、音質良好。貴重なインタビューも収録!
TAHRAレーベルの名盤を新カップリング、新リマスタリングで復刻。入手困難だったアンチェルとコンセルトヘボウの貴重音源が装い新たに蘇りました!
このディスクは1970年1月21日のライヴを軸に、それ以外の音源もまとめて2枚組にしたものです。すべてステレオ録音で音質もたいへん良好です。
『オックスフォード』はコンセルトヘボウの弦の音色が絶品。明るい倍音をたっぷり含んだふくよかで輝きのある音。アンチェルのテンポ感も生気に富み、密度のある内容にして重苦しさなく軽やか。ハイドンならではのユーモアが飛び跳ねるさまに心が躍る佳演。フランクの交響曲は第1楽章序奏の底なし沼のような深さが恐ろしく、うねりにうねって音楽が展開するさまに耳を奪われます。金管も憂いのある響きでまろやか。各楽器が美しく溶け合い大きな音響が構築されます。『パガニーニ狂詩曲』は重厚にして技巧もバッチリの独奏者ワイエンベルクの技量にただただ感服! この3曲が1日のライヴと思うと凄い聴き応えです。
69年の『古典交響曲』もアンチェルの類稀な手腕とオーケストラの機動力が一体となっています。ハイドンが良いのだからこれも良くない訳はありません。繊細なオーケストレーションのスコアを巧みに処理し、色彩はじける演奏です。
さらにボーナストラックとして、オランダ放送フィルとの『ロンドン』と、アンチェルの肉声が聴けるインタビュー(英語)を収録。この『ロンドン』がとにかく名演なので、ぜひとも一緒にお楽しみ頂きたいです! 常に必要な音だけに満たされた空間で、充足感がたまりません。インタビューは68年7月にプラハで録られたもの。この数週間後の8月に「チェコ事件」が発生、ボストンに滞在中だったアンチェルは帰国できず亡命の道を歩みます。悲劇の直前に祖国で行われた、貴重なドキュメントと言えます。(販売元情報)
【収録情報】
Disc1
1. ハイドン:交響曲第92番ト長調 Hob.I:92『オックスフォード』
2. フランク:交響曲ニ短調
Disc2
3. ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲 Op.43
4. プロコフィエフ:交響曲第1番ニ長調 Op.25『古典交響曲』
(ボーナストラック)
5. ハイドン:交響曲第104番ニ長調 Hob.I:104『ロンドン』
6. アンチェルのインタビュー(英語、1968年7月、プラハ Document CBC)
ダニエル・ワイエンベルク(ピアノ:3)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団(1-4)
オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団(5)
カレル・アンチェル(指揮)
録音時期:1970年1月21日(1-3)、1969年2月23日(4)、1970年7月6日(5)
録音方式:ステレオ(ライヴ)
国内プレス
日本語帯・解説付
【ALTUSの「TAHRA復活シリーズ」について】
「TAHRA(ターラ)」はルネ・トレミヌ氏と、その夫人ミリアム・シェルヘン女史が立ち上げたフランスのレーベルです。ミリアム夫人は指揮者ヘルマン・シェルヘンの娘であり、大指揮者たちとの家族ぐるみのつながりも強い人物。1992年に初のCDをリリース、その後も精力的に活動を続けますが、2014年に主宰者トレミヌ氏が惜しくも急逝。レーベルは活動縮小を余儀なくされ、現在多くのタイトルが入手困難の状態にあります。歴史的音源を正規かつオリジナルの形で音盤化することを特徴とし、ヒストリカル・ファンに大いに愛されたレーベルでした。
そんな「TAHRA」の残した遺産の素晴らしさを世に問うべく、国内レーベル「ALTUS(アルトゥス)」はミリアム夫人の承認のもと正式に音源のライセンスを受けた上で、新たなリマスタリングを施し発売するターラ復活シリーズを進めています。
ここに聴ける音は貴重なTAHRAオリジナルに基づくもので、他レーベルの同演奏とは一味もふた味も違う、なまなましい音像がお聴き頂けることと思います。(販売元情報)
1968年、ソ連軍のプラハ侵攻でカナダに亡命したアンチェルが70年にアムステルダムでコンセルトヘボウ管を振ったライヴ。得意としていたハイドンの素晴らしさ。フランクでは無駄のない引き締まった指揮で、音楽がうねるように展開していく。「古典交響曲」もいい。音はやや硬質だがクリア。(長)(CDジャーナル データベースより)