仮説的偶然文学論 “触れ‐合うこと”の主題系

荒木優太

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784865030594
ISBN 10 : 486503059X
フォーマット
出版社
発行年月
2018年05月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
319p;19

内容詳細

なぜ「たまたま」や「ひょんなこと」や「奇跡」で小説を組み立ててはいけないのか。昭和10年代、中河与一の偶然文学論は近代文学伝統のリアリズムに対して果敢に挑戦した。本当にリアルなのは偶然の方なのだ。が、その偶然なるものは、どんな〈触れ‐合い〉を排除することで成り立っているのか。中河、国木田独歩、寺田寅彦、葉山嘉樹のテクストに宿るcontingencyを、〈遭遇 con-tact〉と〈伝染 con-tagion〉、つまりは〈触れ‐合うこと
con-tangere〉の主題系として読み解く。偶然という言葉でもってなにかを語った気になってはいけない。新シリーズ〈哲学への扉〉創刊!

目次:序. 偶然を克服/導入せよ? 1. 偶然性の時代 2. 中河与一『愛恋無限』と日本的伝統 3. 国木田独歩『鎌倉夫人』と主題〈場所性〉 4. 国木田独歩『号外』と主題〈外部性〉 5. 国木田独歩『第三者』と主題〈感性〉 6. 国木田独歩の諸作と主題〈断片性〉 7. 中河与一の初期小説と主題〈伝染性〉 8. 寺田寅彦の確率論 9. 寺田寅彦の風土論 10. 葉山嘉樹文学の住環境と主題〈混合性〉 11. 葉山嘉樹の寄生虫 終. 偶然的他者との幅のある出会い方

荒木優太(あらき・ゆうた:1987-)在野研究者。専門は有島武郎。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。ウェブを中心に大学の外での研究活動を展開している。2015年、「反偶然の共生空間――愛と正義のジョン・ロールズ」が第59回群像新人評論賞優秀作となる。著書に『これからのエリック・ホッファーのために――在野研究者の生と心得』(東京書籍、2016年)、『貧しい出版者――政治と文学と紙の屑』(フィルムアート社、2017年;『小林多喜二と埴谷雄高』ブイツーソリューション、2013年の増補改題版)。

【著者紹介】
荒木優太 : 1987年東京生まれ。在野研究者。専門は有島武郎。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。ウェブを中心に大学の外での研究活動を展開している。2015年、「仮偶然の共生空間―愛と正義のジョン・ロールズ」が第59回群像新人評論賞優秀作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • さえきかずひこ さん

    これは中河与一の諸々の評論にインスパイアされた著者による、プロレタリア文学批評の書である。巻末の葉山嘉樹論を綴る筆致には、それまでの独歩や寺田寅彦をめぐる落ち着きではなく、論じる対象への熱情と繊細さが同居している。そこにぼくは筆者が文学を論じることで示す、生をあがく人々への同志的共鳴を聴く。本書の中でとりわけ著者の魅力が溢れているのはそこに違いない。"仮説的"(九鬼周造)"偶然文学"(中河)といったキータームに関心を持てると、より豊穣な読書体験に至るであろうことの想像はつくのだが、正直、それは難しかった。

  • 耳クソ さん

    最近のSF的世界観を事前に設定した上でのメタフィクションの各ジャンルへの流行にちょっとした違和感を抱いていた身としてはかなり面白かった。

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人物・団体紹介

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荒木優太

1987年、東京都生まれ。在野研究者。明治大学大学院文学研究科日本文学専攻博士前期課程修了。2015年、第59回群像新人評論賞優秀賞を受賞。著書に『これからのエリック・ホッファーのために』(東京書籍)、『有島武郎』(岩波新書)、『サークル有害論』(集英社新書)など。編著に『在野研究ビギナーズ』(明石

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