背教者ユリアヌス 4 中公文庫

辻邦生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784122065628
ISBN 10 : 4122065623
フォーマット
出版社
発行年月
2018年03月
日本
追加情報
:
348p;16

内容詳細

輝かしい戦績を挙げ、ガリア軍を率い首都を目指すユリアヌスに、コンスタンティウス帝崩御の報が届く。ついに皇帝に即位した彼は宮廷政治の改革に果敢に着手。そして、ペルシア軍討伐のため、自ら遠征に出るが…。歴史小説の金字塔、堂々完結!巻末付録・対談・北杜夫・辻邦生。

【著者紹介】
辻邦生 : 1925年、東京生まれ。東京大学仏文科卒業。63年「廻廊にて」で第四回近代文学賞、68年『安土往還記』で芸術選奨新人賞、72年『背教者ユリアヌス』で第十四回毎日芸術賞、95年『西行花伝』で第三十一回谷崎潤一郎賞受賞。99年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • たま さん

    前巻はユリアヌスの意志の欠如に疑問を覚えたが、(四)で皇帝となってからは公正、寛容など理想を実現すべく全力で任務に取り組む。しかし思想はなかなか理解されず、意図する方向で実現されもしない。国境を脅かすペルシアに向けて進軍し首都近くまで攻め込むが帰路の戦いで落命する。コンスタンティノポリス入城からわずか1年半、教養人の理想と腐敗した帝国の現実との間で苦しんだ日々だった。ユリアヌスの思想と自然描写で織りなした絵巻物の掉尾を、メソポタミアの砂漠に消えゆく葬列の描写が飾り、その苦闘の儚さを示して余韻を残す。

  • たかしくん。 さん

    皇帝となったユリアヌス。清貧を旨とする「小さな政府」を目指しますが、ちと理想主義に走りすぎたか、さすがに順風満帆とは行かないようです。更にキリスト教との対決姿勢。帝国自体をほぼ飲み込もうとしているこの新興宗教に対し、ギリシャ哲学を絶対とする彼には、どうしても許せなかったのでしょうな。そしてラストは、ペルシャとの戦い。当時のペルシャは、今現在での想像以上に脅威だったのか? お約束で隠れたヒロイン、ディアも登場します!(笑) 主人公はここで亡くなってしまうのに、いい意味であまり悲壮感の無いエンディングでした。

  • 崩紫サロメ さん

    何周目かな?読了!キリスト教徒なんでユリアヌスのキリスト教認識には「ちゃうやろ」という思いで一杯なんだけど、それでも毎回心動かされてしまうのは、この物語が扱っているのは「思想」ではなく、「人間の生き様」で、自らの理想と現実の間で葛藤し、焦燥に駆られるユリアヌスの姿に普遍性があるからなのだなあ……と。新装版には北杜夫との対談なんかもあって面白いから、旧版で読んだ人にもおすすめできる。

  • あきあかね さん

     「すでに砂漠に日は傾き、斜光が砂丘の起伏をくっきりとした輪郭で描きだしていた。···ローマ軍団の長い列はその夕映えのなかを黙々と歩き、遠い地平線に消えていった。···すでに夕映えは消えていた。ただ風だけが、空虚な砂漠を吹き、砂丘の斜面にごうごうと音をたてていた。砂はまるで生物のように動いて、兵隊たちの踏んでいった足跡の乱れを、濃くなる闇のなかで、消しつづけていた。」 原稿用紙二千枚目を超え、全四巻に及ぶ一大叙事詩の最終巻。この長大な物語は、海霧の中から次第に姿を現すコンスタンティノポリスの街並みから⇒

  • シタン さん

    序章でバシリナがみたアキレスの夢、そしてガリアの人々が叫んだ「ユリアヌス・アウグストゥス」の言葉が現実となる。憎むべき皇帝が崩御したときのユリアヌスの胸中は人間の本質を捉えているように思われる。主に皇帝としてのユリアヌスが描かれるが、ここへきて「背教者」という言葉が重くのしかかる。バシリナから始まり、エウセビア、ヘレナ、コンスタンティヌス、ユリアヌス、ゾナス、と死の場面が印象深かった。ゾナスとディアという架空キャラクターの描き方が秀逸。一巻のときにも書いたけど、あまりにも文学的・叙事詩的な歴史小説だった。

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人物・団体紹介

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辻邦生

1925年(大正14年)9月24日‐1999年(平成11年)7月29日、享年73。東京都出身。1995年『西行花伝』で第31回谷崎潤一郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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