喜多川歌麿女絵草紙 講談社時代小説文庫

藤沢周平

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062938334
ISBN 10 : 4062938332
フォーマット
出版社
発行年月
2018年01月
日本
追加情報
:
288p;15

内容詳細

美しくも手癖の悪い水茶屋のおこん、惚れた男が泥棒と知り呆然とする小料理屋のお品、やくざな亭主に刺された料理茶屋の女中お糸、歌麿を陰で慕いながらも後妻に嫁ぐ弟子の千代。美人絵に描いた女たちも、愛弟子も、一見では分からない素顔を秘めていた―作家生活突入したのちに挑んだ野心的な連作集。

【著者紹介】
藤沢周平 : 1927年、山形県鶴岡市生まれ。山形師範学校卒。’73年『暗殺の年輪』で直木賞、’86年『白き瓶』で吉川英治文学賞、’90年『市塵』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。’95年、紫綬褒章受章。’97年、69歳で死去。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • じいじ さん

    浮世絵師・歌麿と、彼を取り巻く女たちを描いた六連作集。あくまでも藤沢周平の目で観た歌麿物語なのがミソである。結末はすべてめでたしてとはいかないが、藤沢周平の持ち味が存分にでた面白い仕上がりです。10年もの間、弟子と思って可愛がってきた娘に、ある日すでに女房を亡くしている歌麿が、心乱れる行動に…。中年男の本能・女性観が、何とも切ないのだが共感も感じられる。また、歌麿の仕事感も面白い。自分が愛せない女を描くのは、彼にとっては大変辛いようである。読み終えて思った。この物語の主人公は、歌麿+藤沢周平が重なります。

  • 森の三時 さん

    映画の写楽やHOKUSAIなどに出てくる喜多川歌麿は、好色で斜に構えた嫌な男という感じです。本当のところ浮世絵師たちの素性はわからないことが多いという中で藤沢周平さんが歌麿に貼られたレッテルをはがそうとした作品。美人画を描く彼の態度に女という生き物に対する愛がありました。その女の哀切に寄り添う姿は新たな歌麿像を与えてくれるものでした。

  • 花林糖 さん

    (図書館本/購入)【海坂藩城下町 第5回読書の集い「冬」】喜多川歌麿と六人の美人画のモデルになる女性達の連作短編六話で、蔦屋重三郎や売れる前の曲亭馬琴にこれから世に出る東洲斎写楽まで登場。政治に振り回される版元事情も織り込まれ楽しく読めました。ただ登場する女性達が皆不憫で一話読むごとに溜息でした。最後は歌麿が自分の衰え(絵師としての)を認識した所で終了。時代背景物語の雰囲気が好みな本。「さくら花散る/梅雨降る町で/蜩の朝/赤い鱗雲/霧にひとり/夜に凍えて」

  • APIRU さん

    珍魚落雁羞花閉月。見目麗しい女性たちを描き続けた喜多川歌麿。稀代の浮世絵師と六人の美しい女人たちの、哀しく遣る瀬無い六篇でした。端正な筆致を追うのは愉悦であり、そしてそれによって綴られる哀切には、嘆息を禁じ得ないものがあります。手癖の悪い女、惚れっぽい女、八九三者に付き纏われる女。美しい標致のその裏には、秘めたる想いや境遇が潜んでいる。浮世絵に描かれる中、次第にそれらが露わになっていく。己の落ち目を悟った浮世絵師と遂げられない想いを覚った女弟子。そんな最後の『夜に凍えて』が、また胸に迫るものがありました。

  • APIRU さん

    絵師 喜多川歌麿と六人の女人達。六つの物語の連作集。巷では「好色漢」という随分と屈辱的(?)な二つ名だったそうです。本書でも役者絵を退け美人絵に終始していたのですが、それは助平心というよりは寧ろ各女人の美や業を描こうと腐心していたように窺えます。「梅雨降る町で」は微笑ましい終りでしたが、それ以外は悲哀に満ち惻隠の情を禁じ得ないお話でした。本書は歌麿がピークを過ぎたことを悟るところで終わりますが、最後に帰り着いた場所が女人の居る褥の上というのも面白いところです。とても良いご本を読んだ、という気になりました。

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