ヒトラーの試写室 角川文庫

松岡圭祐

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041066850
ISBN 10 : 4041066859
フォーマット
出版社
発行年月
2017年12月
日本
追加情報
:
480p;15

内容詳細

戦下の日独映画界、衝撃と感動の物語!

1935年、20歳の柴田彰は活動写真の俳優を夢見るが、大工の父親は猛反対し勘当されてしまった。家を飛び出しオーディションを受けるが箸にも棒にもかからずあえなく挫折。だが、人手不足だった日独合作映画「新しき土」の特殊撮影助手の仕事にありつく。主任の円谷英二の情熱に触れるうち彰も仕事にのめり込み映画は見事に完成。ベルリンにも運ばれ、映画で人心の掌握と扇動を狙っていたナチス宣伝大臣ゲッベルスの心に刻み込まれる。日本は41年、ついに太平洋戦争に突入。軍部の要請から戦意高揚をねらった映画「ハワイ・マレー海戦」が製作されることになり彰も特殊撮影で参加。この作品もベルリンに運ばれ、丁度イギリスの権威を失墜させる為に映画「タイタニック」を製作したが、どうしてもクライマックスの沈没シーンが上手く撮影できないことを悩んでいたゲッベルスが目をつけ、彰がドイツに招聘されることになる。環境の違いから撮影は苦戦。日本に残した妻子を想う柴田だったが、ベルリンは戦火に……。意外すぎる歴史秘話に基づく、一気読みと感動必至の傑作エンタメ小説。

書評家から熱い賛辞が続々!

「すでに八〇年近く昔の話とはいえ、ネット上に巧妙につくられたフェイクニュースが流布している現在、映像によるプロパガンダは古くて新しい問題だと言える。この物語が単なる歴史を題材にした小説に終わっていないのは、このテーマに今日性があるからだ。」
タカザワケンジ(書評家) (解説より)

「特撮の舞台裏を描くことで戦争の舞台裏を描く、その試みには明らかに「ポスト・トゥルース」に象徴される現代社会の潮流――信じたいものを信じるために、事実に目をつぶる――が反映されている。あるいは、先の大戦を語ることへの過剰な情熱、過剰なフォビア(恐怖症)が渦巻く日本の空気が、ありありと。この小説が二〇一七年の今書かれたことには、意味がある。」
吉田大助(ライター)


【著者紹介】
松岡圭祐 : 1968年12月3日、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化され、さらにブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 三代目 びあだいまおう さん

    面白い‼️流石は崇拝する松岡さん!よくこんな思いつきするよね、驚愕です!私世代にはお馴染みのウルトラマンシリーズの円谷特殊撮影班の技術と映像がなんと世界大戦時のドイツ総統ヒトラーのお眼鏡にかない、主人公が映画制作の肝で活躍する話!あぁ、あらすじ言いたい❗これ、軽くサクサク読めるけど、実際あった史実と思わせます!上手いんですよね松岡さん!大戦、虚構の各国国民感情陽動、情報操作、世論撹乱、原爆、諸々の要素がまるで史実!ストーリーセラーとしてある意味1つの頂点を示してくれた作品か!創作小説として楽しめる‼️🙇

  • ehirano1 さん

    「歴史秘話に基づく」と言われると、無条件で読んでしまいますwww。柴田彰(仮名)は円谷プロの全身のレジェンドだったんですね。よくもまあ、このようなレジェンドを見つけ出して創作されたことで歴史的偉人をまた一人知ることが出来たことに感謝したいです。

  • Aya Murakami さん

    発見!角川文庫70周年対象本。 ゴジラとかで有名な東宝の前身の話…のようです(特撮の歴史は詳しくないのでどこまで史実なのか見分けがつかないのですが)。煙に顔が浮かぶアクシデントやら火山の噴火の再現映像を作る話やら史実なら現在の特撮技術の元になるようなエピソードが終盤までこれでもかと登場します。しかし特撮という作り物は楽しい話ですが、大本営発表は悲しい作り話という皮肉な展開も。しかも悲しい作り話に色を添えるプロパガンダ映画を主人公たちがつくったのだから後味が悪い。

  • のり さん

    史実にそった作品。柴田彰は、後に円谷プロの創設者となる円谷英二の下で特殊撮影の技術を学ぶ。時は大戦にさしかかる中、日独の共作映画に携わる。技術を買われ、ナチスから指導者として招かれる事に。妻子を残し独に航るのは断腸の思いだっただろう。純粋な特撮への想いが、徐々に政治色が濃くなっていく。利用された現実、大戦も終局間近。祖国に残した家族を想いながらの絶望感。夫・父・技術者・一人の人間としての葛藤に深く揺さぶられる良作。

  • utinopoti27 さん

    日本の近代史を題材にした歴史小説家に転身した(?)松岡さんですが、本作のモチーフが史実だと知っている人はどれだけいるでしょうか。あの円谷英二を師と仰ぎ、特撮技術に人生を賭けた柴田彰は、ある思惑のもと、戦時下のドイツに招かれるが・・。史実と創作の境目がはっきりしないまま、読者は彼の数奇な運命に引きずり込まれてしまいます。自分の映画作りの理想が、夢が、時代の荒波に翻弄され、歴史を捻じ曲げる手段に貶められてゆく無念は言葉になりません。真実を見極める目の重要さをあらためて心に刻む、これはそんな作品だと思います。

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人物・団体紹介

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松岡圭祐

1968年12月3日、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部を超える人気作となった。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化され、さらにブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞、17年には吉川英治文庫賞候補作となる(本データはこの書

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