基本情報
内容詳細
在りもしないものが在るばかりでなく一切がそこからはじまる。ひとが観念をくいつぶすのではなく、観念がひとをくいつぶす。人間の内部という自然を視ようとした劇作家の眼と覚悟を信じた「マクベス論」は、日本のシェークスピア論のパラダイムを劇的に刷新した。一九七〇年代から今日まで、圧倒的な影響を及ぼしつづける批評家・柄谷行人の初期における、明晰かつ強靭な思索の数々。
目次 : 1(マクベス論―意味に憑かれた人間/ 夢の世界―島尾敏雄と庄野潤三/ 私小説の両義性―志賀直哉と嘉村礒多/ 歴史と自然―鴎外の歴史小説)/ 2(寒山拾得考/ 藪の中/ 小説の方法的懐疑/ 人間的なもの/ 平常な場所での文学/ 場所と経験/ 生きた時間の回復/ 時代との結びつき/ 淋しい「昭和の初期」/ ものと観念/ 掘立小屋での思考/ 自作の変更について)
【著者紹介】
柄谷行人 : 1941・8・6〜。批評家。兵庫県生まれ。1965年、東京大学経済学部卒業。1967年、同大学大学院英文学修士課程修了。1969年、「“意識”と“自然”―漱石試論」で群像新人文学賞評論部門を受賞しデビュー。以後、日本近代文学への犀利な批評や、マルクス、カントらの独創的読解、交換様式論に基づく世界史論など、多彩な執筆活動を続ける。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授などを歴任。また批評誌『季刊思潮』『批評空間』を創刊した。『マルクスその可能性の中心』(亀井勝一郎賞受賞)ほか著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
柄谷行人
1941年生まれ。哲学者。東京大学経済学部卒。法政大学教授、イェール大学客員教授、コロンビア大学客員教授ほかを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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