アースダイバー 東京の聖地

中沢新一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062209441
ISBN 10 : 4062209446
フォーマット
出版社
発行年月
2017年12月
日本
追加情報
:
226p;21

内容詳細

海民の二千年の知恵=築地市場、太古の無意識の現出=明治神宮。この二つの場所には、日本人の思考が「聖地」に見出してきた空間の構成原理が、ほとんど純粋な状態で実現されている。その二つの生きた聖地が、深刻な危機に直面したのである。金銭にかえられない「愛」と「富」のありか。建築家・伊東豊雄氏との対談2編収録。

目次 : 第1部 アースダイバー築地市場(神々の空間/ 魚河岸の原型/ 江戸の魚河岸へ/ 日本橋から築地へ/ 築地―新しい魚河岸文化)/ 第2部 アースダイバー明治神宮(森に包まれた神社/ 内苑‐外苑の二部構成)

【著者紹介】
中沢新一 : 思想家、人類学者。明治大学野生の科学研究所所長。1950年山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ころこ さん

    昔、オウムを擁護したとして非難されたり、政治的なアクションを起こしつつも中途半端だったりと、影響力の大きさ故か、高度成長育ちのお気楽さ故か不用意なときがあります。築地市場と明治神宮は古代性が無いが、「聖地」という言い方で誤魔化すのは、五輪と築地移転に働きかけたいからだといいます。読者の多くが著者の政治的センスを疑っているはずで、築地移転がなされた今、振り返ると、かえって保守主義にみえるのが残念なところです。豊洲の労働者は日々働いているはずで、それを理屈の弱い観念で処理することこそ暴力的だと思うのですが…

  • たまきら さん

    2017年出版、既に移転されてしまった築地市場、そして現在再開発で揺れている明治神宮が「日本人」を形作ってきたものを体現したものであり、それを壊すことへの危惧が強く伝わってきた。「ほんものの保守思想の根源がここにある」と帯にあるのだが、これはいつも左右翼のきめつけのコメントを読むたびに自分がモヤモヤする部分と関係している。豊洲にすでに移転してしまった今、次にできることはこの場の「聖地化」であろう。その聖地化の積み重ねが日本を形作ってきたのだと思う。この本面白かった。

  • koji さん

    人工的に作られた築地市場、明治神宮は、第四紀の地形上に繰り広げられた古代日本人の精神活動から日本のありようを考えるアースダイバーとは異なりますが、日本人の伝統的思考が入り込んだ聖地という点では、アースダイバー的と言えるものです。中沢さんの理論を借りると、築地市場の仲卸の機能は、商品流通を文化の次元に高めたもので日本の伝統そのものであり、明治神宮の森は、仁徳陵の森造りを参考に自然と科学技術のハイブリッドとして作られた聖地そのものとなります。その理論展開は推理小説の醍醐味を感じさせ、知的に興奮した1冊でした

  • kk さん

    今回のアースダイバーは、東京の新しい聖地として築地市場と明治神宮に注目。前者については、日本人の海民的性格の残滓としての面に注目するとともに、市場の昔ながらの「仲卸」機能を、自然と人間社会の中間・混淆を重視する原日本的思想の表現として捉えます。後者については、神宮の内苑・外苑二重構造が、前方後円墳や伊勢神宮などと同様に、隠れる面と現れる面との繋がりとしての「ミアレ」を表現するものとして受け止めています。些か胡乱な香りもなしとしませんが、少なくとも思想的な戯れとしては刺激に満ちた読書体験でした。

  • みやざき しんいち(死ぬまでにあと1,000冊は読みたいんだ) さん

    (46/1000)築地の移転、国立競技場の建て替え。それはただの建物の建て替えではなく、歴史と土地に刻まれた時間を体現するのもであるべきだ。「アースダイバー」とは、地理と時間を縦横無尽に理解しながら、現在そこになにがあるべきなのか?を問うシリーズ。思想家中沢新一の真骨頂な一冊。 今回は、なぜ神宮が内苑と外苑を持つのか?がとても興味深かった。そこに建つべき国立競技場はどうあるべきか、説得力があって面白かった。

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人物・団体紹介

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中沢新一

1950年山梨県生まれ。思想家・人類学者。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。インド・ネパールでチベット仏教を学ぶ。帰国後、人類の思考全域を視野に入れた新しい知のあり方を提唱。人類学のみならず、歴史、哲学、民俗学、経済学、自然科学の分野にまたがる広汎な研究に従事する。中央大学教授、多摩美術

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