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交響曲第7番、第3番、第2番 デニス・ラッセル・デイヴィス&リンツ・ブルックナー管弦楽団(聖フローリアン・ライヴ2011-16)(3CD)

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
LC30641
組み枚数
:
3
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ブルックナー交響曲第2・3・7番
デニス・ラッセル・デイヴィス&リンツ・ブルックナー管弦楽団
聖フローリアン大聖堂ライヴ!


すでにブルックナーの交響曲全集を完成しているデニス・ラッセル・デイヴィスとリンツ・ブルックナー管弦楽団が、ブルックナーの聖地ともいわれる聖フローリアン大聖堂でおこなった交響曲第2番、第3番、第7番のコンサートの録音を新たにリリース。

【交響曲第2番】
美しい旋律に彩られた第2番にはすでに多くの名録音が存在し、デニス・ラッセル・デイヴィスの旧録音も、克明なリズムが旋律の歌わせ方のうまさを引き立たせた見事な演奏でした。今回は楽譜が異なり、さらに録音会場の音響的な性格も大きく異なります。

今回、用いられた楽譜は、オットー・デッソフ指揮ウィーン・フィルによって試演された、作曲者の原意が最も強く反映された初稿で、ウィリアム・キャラガンが校訂した楽譜を用いています。この初稿はやがて、デッソフの「長すぎる」という発言と、ヨハン・ヘルベックの「聴衆に合わせるべき」という助言を受けて、スケルツォの反復省略、終楽章56小節短縮、一部差し替えという形で正式に初演され(第1稿初演版:アイヒホルン)、その後、大規模なカットや差し替え、休符の削除といったさまざまな改訂やミックスを経て、現在一般的な第2稿ハース版(朝比奈、バレンボイム&CSO、シャイー、エッシェンバッハ、ハイティンク、インバル、コンヴィチュニー、マズア、スクロヴァチェフスキ、シュタイン、ヴァント、ツェンダー)や、第2稿ノヴァーク版(ジュリーニ、カラヤン、ヨッフム、デニス・ラッセル・デイヴィス、ロジェストヴェンスキー、ショルティ、若杉)、第2稿キャラガン版(バレンボイム&BPO)という形に姿を変えてゆきます。つまりブルックナーの第2交響曲で最も情報量が多く、かつまた「パウゼ交響曲」ともあだ名されたパウゼ(休止)の効果がよくあらわれているのがこのヴァージョンということになります。

ちなみにこの初稿の校訂を、レオポルト・ノヴァークがウィリアム・キャラガンに依頼したのが1987年の話で、1990年には簡易な形で出版され、アイヒホルンとティントナーがさっそく録音、2005年になって正式ヴァージョンが出版されると、シモーネ・ヤング、マルクス・ボッシュ、ゲルト・シャラー、ヘルベルト・ブロムシュテット、アイヴァー・ボルトンと次々に録音されるという人気ぶりで、そこに今回のデニス・ラッセル・デイヴィス盤が加わることとなります。

なお、演奏時間は第2稿ノヴァーク版を用いた旧録音が58分39秒だったのに対し、今回は71分28秒と巨大化しています。

【交響曲第3番】
第3番の初稿は、作品の渾名『ワーグナー』の根拠ともなったワーグナー作品の引用を含むヴァージョンということもあってか1980年代初頭から演奏され、広く知られるようになっています。

第1楽章は第2稿、第3稿に較べて初稿は100小節近く長く、ワーグナーからの明確な引用が含まれているのが特徴。『ワルキューレ』の“眠りの動機”が最も目立つもので、この音楽のあとに冒頭部分が再現される箇所にはなんとも言えない魅力があります。

第2楽章も第1楽章同様、初稿では、ワーグナーからの引用が削除されずに残っているため、はじめて聴くとけっこう驚かされる部分があります。具体的には、第1主題変奏ブロックに《タンホイザー》序曲の巡礼主題のイメージが投影されているという部分と、コーダに、第1楽章と同じワルキューレの動機が用いられている部分の2箇所ということになります。また、第2稿、第3稿との大きな違いでもある構成上の相違点、つまり、ベートーヴェンの第9にならったと思われる並列的な変奏スタイルもブルックナー好きにはたまらないところで、第1主題の美しい変奏がたっぷり聴けるのはやはり快感です。

第3楽章スケルツォでの初稿の大きな特徴である主部主題の構成単位の不規則性は、後の版では規則的なものに改められ、流れが良くなるぶん、野卑なまでの荒々しさという要素が減退しており、トリオののどかなレントラーとの対比効果も弱まっているように思えます。

第4楽章は、初稿とほかの稿との差異が特に目立つ楽章。ソナタ形式の構造概念に比較的忠実な初稿は、3つのヴァージョンの中で最も規模が大きく、主題の再現や回想などもきちんとおこなわれ、なおかつ休止が頻繁なために、独特の激しく闘争的な雰囲気が漂うのが特徴。未整理な混乱という見方もありますが、ベートーヴェンの第9よろしく、素材回顧を入念におこないながら、古典的な様式セオリーに取り組む姿には魅力があります。

演奏時間は第3稿ノヴァーク版を用いた旧盤57分17秒に対し、今回は79分47秒と巨大化しています。

【交響曲第7番】
2007年録音の旧盤、2016年録音の新盤ともにノヴァーク版を使用。9年の経過と、会場の違いもあってか、演奏時間は旧盤63分42秒に対し、新盤69分9秒と大幅に長くなっています。

【録音会場】
全集録音は、標準的な残響のブルックナーハウス大ホールでライヴ録音されたものでしたが、今回は、これまでに数多くの素晴らしい演奏を生み出してきた特別な会場でもある聖フローリアン大聖堂でのライヴ録音ということで、音響面でも期待できそうです。


【デニス・ラッセル・デイヴィス】
1944年アメリカ、オハイオ州トレド生まれ。ジュリアード音楽院でピアノと指揮を学び、在学中の1968年にベリオとともにジュリアード合奏団を結成し、指揮者としてデビュー。1978年から1980年にはバイロイト音楽祭に初登場。ハンブルクとバイエルンの州立歌劇場、メトロポリタン歌劇場やパリ・オペラ座などのオペラ・ハウスで指揮。1997年から2002年までウィーン放送交響楽団の首席指揮者、2002年から現在までブルックナー所縁の地、リンツのブルックナー管弦楽団の首席指揮者とリンツ市立歌劇場の音楽監督をつとめています。バロックから現代音楽まで幅広いレパートリーを持ち、特に現代音楽では、ルチアーノ・ベリオをはじめアーロン・コープランド、ジョン・ケージ、フィリップ・グラス、ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ、マイケル・ナイマンら作曲家との直接のコラボレーションにより、世界初演を数多くおこなってもいます。(HMV)

【収録情報】
● ブルックナー:交響曲第2番ハ短調 WAB102(1872年第1稿)
● ブルックナー:交響曲第3番ニ短調 WAB103『ワーグナー』(1873年第1稿)
● ブルックナー:交響曲第7番ホ長調 WAB107 (1883)


 リンツ・ブルックナー管弦楽団
 デニス・ラッセル・デイヴィス(指揮)

 録音時期:2011年9月30日(第2番)、2014年10月3日(第3番)、2016年9月29日(第7番)
 録音場所:オーストリア、リンツ、聖フローリアン修道院
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Bruckner: Symphony No. 2 WAB102 1. Fassung 1872: I. Allegro. Ziemlich schnell [19:49]
  • 02. II. Scherzo. Schnell [12:57]
  • 03. III. Adagio. Feierlich, etwas bewegt [17:30]
  • 04. IV. Finale. Mehr schnell [21:12]

ディスク   2

  • 01. Symphony No. 3 WAB103 1. Fassung 1873: I. Gemasigt, misterioso [27:59]
  • 02. II. Adagio. Feierlich [22:16]
  • 03. III. Scherzo. Ziemlich schnell [07:43]
  • 04. IV. Finale. Allegro [21:49]

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ユーザーレビュー

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3番が最高です。2楽章のワーグナーの旋律は...

投稿日:2023/08/13 (日)

3番が最高です。2楽章のワーグナーの旋律は分かっていても何度も感動してしまいます。テンポはゆったりとしていてテュッティでも金管に押しつぶされないバイオリンの細かな動きがとても美しく響いています。それは終楽章コーダでも細かなバイオリンの動きがよく聞き取れます。こんなに細かい音符を弾いていたんだと言う驚きとその美しい響きにうっとりとしてしまいます。この3番が私にとってのベストです。 ラッセルデイヴィスがベルリンフィルを振ったプルチネルラを聴いて以来の大ファンです。ぜひプルチネルラ全曲を録音してほしいです。

弓太郎 さん | 新潟県 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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