ラトルによるプログラムの妙
2007年のヴァルトビューネ
ベルリン・フィルが毎年シーズンの最後に野外で行うヴァルトビューネ・コンサート。毎年6月の最終日曜日に行われ、野外コンサートならではのリラックスした会場の雰囲気の中、至福の音楽を楽しめるコンサートです。ヴァルトビューネは、古代ギリシャの円形劇場をモデルに、1936年のベルリン・オリンピックに合わせて造られた建造物の一つ。当初はディートリヒ・エッカートビューネという名称で、オリンピックでは器械体操などの競技が行われました。オープンエアのコンサートながら、聴衆により良い音を届けていることにも定評があり、ベルリン郊外の森に広がる開放的な場所で行われるコンサートには、ベルリンっ子だけではなく世界中からファンが集まってきます。
今回、単売化されていなかった2007年の映像がDVDで登場です。シンフォニック・ラプソディと題した狂詩曲の夜です。プログラムは、ラトルが偏愛するシャブリエの代表作『スペイン』でスタート。シャブリエがスペインに滞在した時に魅せられた印象を描いた曲です。ディーリアスのイギリス的狂詩曲『ブリッグの定期市』。この曲はイギリスの小さな町の伝承曲を基にしています。当時イギリス全土の民謡を採集して回っていたパーシー・グレインジャーが蓄音器で録音し、後に合唱曲として発表したものを、ディーリアスが気に入って管弦楽のために編曲した作品。そしてスティーヴン・ハフのピアノによるラフマニノフの『パガニーニの主題による狂詩曲』、ドビュッシーの秘曲『クラリネットと管弦楽のためのラプソディ第1番』をベルリン・フィルの首席奏者フックスがソロをつとめます。
スペインからイギリス、そしてドヴォルザーク、ラフマニノフのスラヴ音楽で構成されたプログラムは、ラトルならではの洒落たセンスを感じさせます。(輸入元情報)
【収録情報】
『ヴァルトビューネ2007〜ラプソディーズ』
● シャブリエ:狂詩曲『スペイン』
● ディーリアス:イギリス的狂詩曲『ブリッグの定期市』
● ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲
● ドヴォルザーク:スラヴ狂詩曲第1番
● ドビュッシー:クラリネットと管弦楽のためのラプソディ第1番
● エネスコ:ルーマニア狂詩曲第1番
● プロコフィエフ:『3つのオレンジへの恋』より
● パウル・リンケ:ベルリンの風
スティーヴン・ハフ(ピアノ)
ヴェンツェル・フックス(クラリネット)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル(指揮)
収録時期:2007年6月
収録場所:ベルリン、ヴァルトビューネ(ライヴ)
映像監督:ハンス・フルシャー
収録時間:105分
画面:カラー、16:9
音声:PCMステレオ
NTSC
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