アン・チャップマン

人物・団体ページへ

ハイン 地の果ての祭典 南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死

アン・チャップマン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784794810670
ISBN 10 : 4794810679
フォーマット
出版社
発行年月
2017年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
271p;22

内容詳細

南米最南端のフエゴ諸島、そこは人間が定住した最南の地だった。白人の到来による迫害と伝染病の蔓延によって絶滅へと至った部族の社会、神話、そして部外者に秘匿されていた祭典の詳細をフエゴ諸島民の研究をライフワークにした人類学者が描く。20世紀初頭の貴重な写真約50点。

目次 : 1 セルクナムの神話(ハイン、この「偉大なる祭典」は何のためか/ 母権制および女たちのハイン崩壊の神話/ 最初のハインと父権制の起源の神話/ ハインの秘密)/ 2 セルクナムの社会(かつての暮らし/ なぜ滅びたのか/ 慣習としてのハイン)/ 3 三人の中心人物(テネネスク/ ハリミンク/ グシンデ)/ 4 ハイン(身体彩色の技巧―日常生活用とハインの「精霊」用/ 女子の成人儀礼/ ハインの精霊たちと登場の場面/ 遊戯、踊りとその他の儀式/ 最後の仮説―秘密は誰のものだったのか)/ 5 その後のこと

【著者紹介】
アン・チャップマン : 1922‐2010。アメリカ合衆国の人類学者。メキシコの国立人類学大学、ニューヨークのコロンビア大学、フランスのソルボンヌ大学で、レヴィ=ストロースなどに学ぶ。ホンジュラスで先住民社会(ヒカケ族、レンカ族)の研究を行い、1964年からフエゴ諸島にわずかに残っていたセルクナム族の末裔たちに交じってフィールドワークを始める。セルクナム族最後の女シャーマン、ロラ・キエプヒャの最晩年、生活を共にし、伝統文化について記録し、数多くの歌を録音した

大川豪司 : 1961年東京生れ。国際基督教大学教養学部卒業。インドネシアのジャカルタで、在住日本人子弟を対象とした学習塾の講師をして四半世紀過ごす。帰国後は予備校などで受験英語を教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • あじ さん

    地の果ての先住民族が執り行っていた通過儀礼『ハイン』。それは儀式であり劇場でもあった。これには公然とした“守秘”が男女間に存在した。絶対的な父権制を維持するため、過剰とも言える念の入れようで、秘密前提の祭典は執り行われる。約100年前の儀式に、ドイツの人類学者グシンデ神父が密着していた。主に彼の貴重な著述や写真を並べ、著者が『ハイン』を再現する。最後の『ハイン』は1933年、ひっそりした末路であった。心中の複雑さを持て余し、私は狼狽えの最中にある。★3.8/5

  • ももたろう さん

    地の果ての祭典ハイン。かつて南米フエゴ諸島に存在した先住民セルクナム族の通過儀礼である。この祭典で学ぶものは「大人としての役割を果たすこと」である。本書ではこの祭典とセルクナムの生と死が描かれていた。地の果てで独自に生まれた祭典は興味深く、とりわけ印象的だったのは身体彩色とクロケテン(成人するもの)とショールト(精霊)との拷問にも似た対決だ。身体彩色なんかは、もう芸術作品と言えると思う。南米の先住民が独自に生み出した祭典から、時と場所は違えど「人間の生と死」について思いを巡らすことができた。

  • サアベドラ さん

    南米最南端に暮らしていた狩猟民族・セルクナム族の祭り「ハイン」を扱うノンフィクション。著者はアメリカ人の人類学者。ハインは成人儀礼、社会秩序の維持、演劇と歌唱など多様な側面を持つ祭典で、とくに我々の目を引くのは精霊を演じる男たちの奇抜な仮装である。全裸に赤や白のボディ・ペインティングを施し、頭に円錐形または円筒形の仮面を被るという、一度見たら忘れられないインパクトを持つ。全体的に文化人類学的記述で少し読みにくいが、細かいところは飛ばしつつ写真をパラパラ眺めているだけでも十分に楽しい。

  • ナハチガル さん

    おもしろかった!儀式の様子を文字で読むのは想像しづらく、退屈な箇所も少なくないが、貴重な写真と著者の熱意ですばらしい読みものになっている。人間の文化の多様性に驚かされつつ、同時にまったく異なる文化を持つ我々にも理解しうる論理がそこにあることもにも驚かされる。そしてまたハイン以外にもこの星で生まれ、一切記録されることなく永遠に失われてしまった無数の文化を思うと、このような記録で読むことができるのは幸運と言えるが、それにしてもこの結末はあまりにも悲しい。知的昂奮を憶えつつ感情を揺さぶられもする良書。S-。

  • 冬佳彰 さん

    南米の南端にいたセルクナムという先住民が行っていた祭礼、「ハイン」に関する文化人類学観点からの記録。この祭の際の扮装がすごい。写真にあるように、込み入った様々な意味を持つパターンのボディペインティングと扮装をしている。これらは彼らの精緻な神話に登場する精霊たちを表していたりする。言ってみたら、彼らは彼らの神話という無時間を地上に再現していたんだろう。改めて人類ってのは不思議だなあ、と思う。19世紀半ばには少なくとも4000人はいた彼らは、西洋人との接触・衝突の中で消滅した。文明の野蛮さというものだ。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

アン・チャップマン

1922‐2010。アメリカ合衆国の人類学者。メキシコの国立人類学大学、ニューヨークのコロンビア大学、フランスのソルボンヌ大学で、レヴィ=ストロースなどに学ぶ。ホンジュラスで先住民社会(ヒカケ族、レンカ族)の研究を行い、1964年からフエゴ諸島にわずかに残っていたセルクナム族の末裔たちに交じってフィ

プロフィール詳細へ

社会・政治 に関連する商品情報

おすすめの商品