キャスターという仕事 岩波新書

国谷裕子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784004316367
ISBN 10 : 4004316367
フォーマット
出版社
発行年月
2017年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
272p;18

内容詳細

今という時代を映す鏡でありたい──.従来のニュース番組とは一線を画し,日本のジャーナリズムに新しい風を吹き込んだ〈クローズアップ現代〉.番組スタッフたちの熱き思いとともに,真摯に,そして果敢に,自分の言葉で世に問いかけ続けてきたキャスターが,23年にわたる挑戦の日々を語る。

【目次】
第1章 ハルバースタムの警告
スクープ930/ニュースとNHKスペシャルとの間で/ハルバースタムの警告/言葉の持つ力/テレビ報道,3つの危うさ/風向きの原則

第2章 自分へのリベンジ
英語放送からのスタート/駆け出し時代/「伝えること」の出発点/ジャーナリズムへの入り口/誰も観ていないテレビ/大学か,それとも仕事か/挫折/なりたい自分が見えた/時代の現場に立つ/歴史が私を押し出した/試練のインタビュー/リベンジの時

第3章 クローズアップ現代
この人,大丈夫なの?/私の役割は何?/初めての政治家インタビュー/時代の変化に背中を押されて/初めての震災報道

第4章 キャスターの役割
キャスターとは何者か/クローズアップ現代の構成/キャスターの役割=視聴者と取材者の橋渡し役/キャスターの役割=自分の言葉で語る/キャスターの役割=言葉探し/細分化する言葉

第5章 試写という戦場
クローズアップ現代が放送されるまで/2回の全体試写/真剣勝負/キャスターとして発言する/それは本当に必要ですか?/一番伝えたいことは何ですか?/「時間軸」からの視点/最後のバトンを受けて走り切る

第6章 前説とゲストトーク
「熱」を伝える/言葉の力と怖さ/フェアであること/キャスターとしての視点/生放送へのこだわり/「俺は帰る」/対話の空気をそのままに/見えないことを語る/あともう一問

第7章 インタビューの仕事
インタビューへの興味/「聞く」と「聴く」/失敗するインタビューとは/17秒の沈黙/準備した資料を捨てるとき/聞くべきことを聞く/しつこく聞く/それでも聞くべきことは聞く/額に浮かんだ汗

第8章 問い続けること
アメリカのジャーナリズムとテッド・コペル/「言葉の力」を学ぶ/「同調圧力」のなかで/インタビューに対する「風圧」/失礼な質問/フェアなインタビュー/残り30秒での「しかし」/言葉によって問い続けていくこと

第9章 失った信頼
「出家詐欺」報道をめぐって/問われるべきこと/「編集」の持つ怖さ/もう一つの指摘/壊れやすい放送の自律

第10章 変わりゆく時代のなかで
海外からの視点/進まない中東和平/逆戻りする世界/二人のゲスト/派遣村の衝撃/しっぽが頭を振りまわしている/「暗いつぶやき」を求めて/東日本大震災/原発事故報道/ある医師の声/伝え続けること

終章 クローズアップ現代の23年を終えて
新しいテーマとの出会い/誰一人取り残さない/年末の降板言い渡し/危機的な日本の中で生きる若者たちに八か条/再びハルバースタムの警告を

あとがき

【著者紹介】
国谷裕子 : 大阪府生まれ。1979年、米国ブラウン大学卒業。1981年、NHK総合“7時のニュース”英語放送の翻訳・アナウンスを担当。1987年からキャスターとしてNHK・BS“ワールドニュース”、“世界を読む”などの番組を担当。1993年から2016年までNHK総合“クローズアップ現代”のキャスターを務める。1998年放送ウーマン賞’97、2002年菊池寛賞(国谷裕子と「クローズアップ現代」制作スタッフ)、2011年日本記者クラブ賞、2016年ギャラクシー賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    2016年3月17日を最後にNHKの「クローズアップ現代」が23年の幕を閉じた。それは、この日を境にNHK中枢が真の意味での報道の中立性を捨て、体制に飲み込まれていったということの証でもあった。この間、ずっとキャスターとして番組製作スタッフと視聴者を繋ぐ役割を果たしてきたのが国谷裕子さんである。彼女がNHKの職員ではなく、契約スタッフであったことは本書を読むまで知らなかった。「出家詐欺報道」事件も、それを利用して彼女を陥れる罠であったかのようである。まさに報道の良心が消えてゆくようで残念でならない。

  • 鉄之助 さん

    NHK「クローズアップ現代」の初代キャスターを23年務めた国谷裕子の、「自分の言葉」を磨き続けた挑戦の記録。国谷は、アナウンサーでも、NHK職員でもなく、毎年NHKと出演者契約を結んでいたフリーのキャスターだった。週に4日の放送とはいえ、よく23年も続いたものだ、という驚きがまず第一印象。TVは「映像が第一」と思われていたところを、「映像の背景に何があるかを言葉で探ろうとした」。ニュースもバラエティも今、「わかりやすさ」を追いかけ過ぎてはいないか? 現代ジャーナリズムの危うさが、浮き彫りに!

  • kinkin さん

    2016年まで約23年にわたって放送された番組のキャスター国谷裕子さん。彼女がキャスターになった経緯と以降の仕事に対する取り組み方、課題など。好きな番組で気になるテーマの時はできるだけ見るようにしていた。30分の生番組でテーマの紹介とゲストとの対話はかなりハードだったのではないかと思う。テレビ報道の「わかりやすさ」が時として物事の単純化、イエスかノーかといった結論ありきの展開になりがちだ。それが視聴者にとって「わかりやすい」ものだけしか興味を持てなくなるといった危うさ。という言葉が印象に残った。図書館本。

  • あすなろ さん

    23年間追い求めたものは、自分で考え、つながり、動く。暗いつぶやきから希望が生まれる。そんな姿だった。僕は、クローズアップ現代をそんなに熱心に見てこなかった。正確に言うと、放映時間は仕事で観れなかった。しかし、バブル崩壊後の失われた20年の暗いつぶやきを照らし続けた番組に敬意をこの本を読み、抱くのである。ただ、結末の事件は返す返すも残念である。その他、今後の報道のしにくさを示唆している記述に暗鬱たるものを感じた。

  • 佐島楓 さん

    NHK「クローズアップ現代」のキャスターを長年務められた国谷さんの闘いの記録(エッセイだけれど、こういう印象を受けたので)。特に近年のテレビの報道の在り方に一石を投じていらっしゃることや、インタビューにおいてのご自身の姿勢に学ぶところが多かった。マスコミ志望の方に特に読んでいただきたいと思う。

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