ぴんぞろ 講談社文庫

戌井昭人

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062935692
ISBN 10 : 4062935694
フォーマット
出版社
発行年月
2017年02月
日本
追加情報
:
157p;15

内容詳細

浅草・酉の市でイカサマ賭博に巻き込まれた脚本家の「おれ」は、まるでサイコロの目に導かれるように、地方のさびれた温泉街に辿り着く。そこであてがわれたのは、ヌード劇場の司会業。三味線弾きのルリ婆さんと、その孫リッちゃんとの共同生活の末に訪れた、意外な結末とは。野間文芸新人賞受賞作家の話題作。

【著者紹介】
戌井昭人 : 1971年、東京都生まれ。’95年、玉川大学文学部演劇専攻卒業。文学座研究所を経て、パフォーマンスグループ「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げ。のち作家となる。’14年に第40回川端康成文学賞を受賞。’16年『のろい男 俳優・亀岡拓次』で、第38回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Katsuto Yoshinaga さん

    作者らしき売れない脚本家が、三ノ輪とか入谷あたりの所謂山谷にあるチンチロ博打場でのひと悶着のあと、群馬のひなびた温泉街でヌード劇場を営む祖母と孫の仕事のお手伝いに行く。博打場と温泉街のヌードショーの描写が、とにかく巧くて、イイ。もう、阿佐田哲也と東陽片岡の雰囲気で、死体背負込んで歩いたり、何かの悲劇が感じられたり、事故があったりするのに、涙を連想することがないのである。解説で石田千氏「かなしい場面で悲しむ書き手は低級」という深沢七郎氏の言葉をひいており、実に納得。これ、芥川賞に選んでほしかったなぁ。

  • とら さん

    良くも悪くも、自分の見たことのない世界を見せてくれたという点でとても良かった。何てことのない日常とも見れるし、異世界のようにも感じる。人生というものがサイコロの目のように導かれるのであれば、ああいった土地にも人たちにも馴染んでゆくものなのだろうか。自分には無理だなあ、とか思いながら読んでいた。ある程度年を重ねたら分かってくるのかもしれない。そして、もうひとつの短編「ぐらぐら十二」と、表題作が同じような読後感だったのも少しおかしい。不思議な安心感。

  • S.Mori さん

    戌井さんの作品は、初めて読んだのですが非常に私好みでした。「ぴんぞろ」ではパッとしない脚本家が騙されるようにして、さびれた温泉街に連れて行かれ、そこで泥縄式にストリップ劇場の司会をすることになります。うらぶれた詩情が漂う雰囲気が好きでした。登場人物の中ではルリ婆さんに味があります。彼女は三味線弾きで、観客の罵声にもひるむことなく自分の芸を続けます。結末の一行がおそろしく巧いです。ここで読者は別世界へひょいと連れて行かれます。芥川賞を取れなかったのは残念です。

  • SGM さん

    2作目ですが戌井昭人さん好きな作風かも。昭和チックというか郷愁感というかアングラというか頽廃的というか。つげ義春さんのシュルレアリスム的な感じというか。なんともうまく表現できないので読んでほしい笑 純文学というと変に暗い心理描写が多かったりするけどそういうのは最低限でほんとにシンプルな描写の連続といった感じ。テーマたいそれたものはない。そういう感じがいい。

  • poderosa2 さん

    人生とか地球とか世界とかは、多分誰かがサイコロを振って決めている。進んでるのか、進まされているのか、転がっているのか、転がされているのか。そんな漂う人生を切り取って見せてくれたような作品。明日、オレは君はワタシは何処で何をしてるんだろう?

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人物・団体紹介

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戌井昭人

1971年、東京生まれ。文学座を経てパフォーマンス集団「鉄割アルバトロスケット」を旗揚げし、脚本を担当、出演もしている。2009年『まずいスープ』で作家デビュー(表題作は芥川賞候補に)、2014年「すっぽん心中」で川端康成文学賞、2016年『のろい男 俳優・亀岡拓次』で野間文芸新人賞を受賞(このシリ

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