BBC Music Magazine 2016年 8月号（付録CD／シグヌム四重奏団、アポロン・ミューザゲート四重奏団）

2つの若手実力派カルテットによるブラームスとベートーヴェン、ヴェーベルン
シグヌム四重奏団によるブラームスのピアノ五重奏曲ヘ短調
アポロン・ミューザゲート四重奏団によるベートーヴェンの第3番とヴェーベルンの緩徐楽章

BBCが録音した音源を付録CDに使用するという、BBCならではの企画で人気を博すイギリスの月刊誌「BBCミュージック・マガジン」。
　今回の付録CDは、ブラームスとベートーヴェン、ヴェーベルンが若き日に書いた傑作を、若手実力派カルテットが演奏したものです。
　演奏時間41分を超える若きブラームスの力作、ピアノ五重奏曲ヘ短調は、29歳で着想され31歳の時に完成した情熱的な作品。弦楽五重奏 → 2台ピアノ・ソナタ → ピアノ五重奏という流れで変容を遂げ、現在では古今のピアノ五重奏曲の中でも屈指の人気レパートリーとして定着しています。
　演奏は1994年設立のドイツのシグヌム四重奏団（シグナム四重奏団とも）と1983年生まれのノルウェーのピアニスト、クリスチャン・イーレ・ハドランによるものです。
　アルバム冒頭に置かれたベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番は、出版の都合で第3番となっていますが、ベートーヴェンが27歳の時に最初に書いた作品番号付きの弦楽四重奏曲となります。古典的なスタイルで書かれていますが、すでにスケルツォ楽章が導入されるなどベートーヴェンらしさも覗かせる25分ほどの佳曲。
　演奏は2006年にウィーンで結成されたアポロン・ミューザゲート四重奏団によるもの。ストラヴィンスキーの作品名『ミューズを司るアポロ』としてもおなじみの名をそのまま冠した珍しいグループ名で、メンバーがポーランド人、本拠地がドイツ語圏、「Apollon Musagète」という言葉はフランス語ということから読み方が難しいですが、英語風にアポロン・ミューザゲート四重奏団と呼ばれることが多いようです。
　最後に置かれたヴェーベルンの「弦楽四重奏のための緩徐楽章」は、ヴェーベルンが21歳の時に書いた11分ほどの曲。シェーンベルクのもとで作曲を学んでいた時期の作曲ですが、ブラームスの影響の方が色濃いという親しみやすい美しさを備えた音楽でもあります。演奏はベートーヴェンと同じくアポロン・ミューザゲート四重奏団がおこなっています。（HMV）

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【本文】

A New Era at the CBSO
Europe's most exciting young conductor has arrived in the UK

Pinchas Zuckerman
Jim Naughtie meets the legendary violinist

The Bach Double
The finest recordings revealed...

Wild Warlock
And his riotous friendship with EJ Moeran

Richard Morrison
Can conductors outstay their welcome?

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【CD収録情報】
● ベートーヴェン：弦楽四重奏曲第3番 Op. 18 No. 3[24:57]
　I Allegro 7:48
　II Andante con moto 7:52
　III Allegro 2:56
　IV Presto 6:21

　アポロン・ミューザゲート四重奏団

　録音時期:2015年8月3日
　録音場所：ロンドン、カドガン・ホール
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）

● ブラームス：ピアノ五重奏曲ヘ短調 Op. 34[41:07]
　I Allegro non troppo 15:01
　II Andante, un poco adagio 8:02
　III Scherzo: Allegro 7:25
　IV Finale: Poco sostenuto ? Allegro non troppo 10:39

　クリスチャン・イーレ・ハドラン（ピアノ）
　シグヌム四重奏団

　録音時期:2013年8月26日
　録音場所：ロンドン、カドガン・ホール
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）

● ヴェーベルン：弦楽四重奏のための緩徐楽章 [11:15]

　アポロン・ミューザゲート四重奏団

　録音時期:2015年8月3日
　録音場所：ロンドン、カドガン・ホール
　録音方式：ステレオ（デジタル／ライヴ）