唐牛伝 敗者の戦後漂流

佐野眞一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784093897679
ISBN 10 : 4093897670
フォーマット
出版社
発行年月
2016年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
395p;20

内容詳細

六〇年安保を闘った若者たちは、「祭り」が終わると社会に戻り、高度経済成長を享受した。だが、唐牛健太郎だけはヨットスクール経営、居酒屋店主、漁師と職を変え、日本中を漂流した。なぜ彼は、何者かになることを拒否したのか。ノンフィクション作家・佐野眞一が北は紋別、南は沖縄まで足を運び、一九八四年に物故した全学連元委員長の心奥を描く。

目次 : 第1章 装甲車を乗り越えよ/ 第2章 革命前夜/ 第3章 闇に蠢く/ 第4章 逃避行/ 第5章 闘士たちのその後/ 第6章 与論・紋別・喜界島/ 第7章 名もなき死

【著者紹介】
佐野眞一 : 1947年、東京生まれ。97年『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。09年『甘粕正彦 乱心の曠野』で講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • とくけんちょ さん

    全学連委員長の生き様。悪く言えば、好き勝手に生きた男の人生。しかし、その太く短い生き様には、純粋さから生まれる計り知れない熱情を感じる。人を惹きつける魅力というものは、疑うことを知らない、混じりっ気のない想いに基づくのかもしれない。思いを行動に移す。その動機に偽りはなし。人はもっとわがままでいいのかもしれない。そう思わされた。

  • 翔亀 さん

    60年安保の国会デモの頂点に立っていた(文字通り先頭に立って国会に突入した)ブント=全学連委員長の唐牛健太郎は当時23才だった。たった数か月の委員長時代のカリスマぶりは際立っていた。しかし、その後の人生は、エスタブリッシュの道を歩んだ同志の西部邁(のち保守主義の学者)や青木昌彦(のち米国有数の経済学者)と違って、世の中から姿を消した。与論島へ紋別へと漂流し、単なる呑兵衛とも言われた。私が唐牛の名を知った時は、<オホーツクの漁師>として伝説のみが流布されていた。↓

  • koji さん

    佐野さんの作品は「別海からきた女」以来。読書当時は、週刊朝日事件で佐野さんが強いパッシングを受けていた頃。愛読者だけに、その迂闊さへの腹立たしさと共に日本の闇を抉る力を惜しみ復活を願っていると書きました。本書は、実質復帰作。「中核VS革マル」、「私の1960年代」は読みましたが、60年安保はすっぽり抜けていました。当時は日本のナショナリズム(引き揚げ者の子弟等)の残滓がデモの高揚に顕われていたという指摘が腹に落ちました。佐野節は戻っていますが、唐牛で1冊書くのは少々きつかったかという感じ。次回作に期待。

  • kawa さん

    読み物としては、60年安保闘争以後の左右の著名人やアウトローが登場し、映像化してもらいたいくらい面白いし、あとがきも秀逸。しかし、唐牛氏が「栄光の全学連委員長」という束縛から生涯逃れられなかったような筆致は、自分の感性から言うと受け入れ難い(たくない)し、そもそも氏は敗者なのだろうか。冒頭の官権に逮捕された際とガン再発時の最後の写真に氏の人生の全てが凝縮しているのではないかなと思う。

  • チェアー さん

    わたしの中では唐牛は田中清玄からカネを受け取ったところで終わっていた。後は身を持ち崩して失意のうちに早死にしたと。違った。歴史の重圧に一人で耐えながら、それを人生のワンノブゼムにしようとあがいた人生があった。いや、わかった風な歴史の中での位置づけなど意味がない。あるがまま、そのまま見て受け入れることが正しい。右翼、左翼、政治家、フィクサー、表裏いろんな人々が登場し、唐牛と絡んでいく。まるで大きなお芝居を見ているようだった。

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佐野眞一

ノンフィクション作家。1947年東京生まれ。1997年に『旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三』で大宅賞、2009年に『甘粕正彦 乱心の曠野』で講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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