バリリ四重奏団の芸術(22CD)
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲全集や、モーツァルト:弦楽四重奏曲集、シューマン:ピアノ四重奏曲、ピアノ五重奏曲、ブラームスのピアノ四重奏曲集、ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第14番とピアノ五重奏曲、シューベルトのピアノ五重奏曲『ます』、ほか
往年のウィーンの弦楽四重奏団、バリリ四重奏団は、1945年、終戦後まもなくウィーン・フィルの第1コンサートマスター、ワルター・バリリがウィーン・フィルの同僚たちと結成したグループ。ウィーン・フィルとウィーン国立歌劇場での多くの演奏で培われた、ウィーンの伝統とアンサンブル、濃密な情感を反映した演奏に特色があり、室内楽グループを数多く輩出したウィーン・フィルにとってもその存在感には大きなものがあったようです。
彼らの演奏に着目して録音契約を結び、セッション・レコーディングによるアルバム制作をおこなったのが、1949年にニューヨークで創設されたウェストミンスター・レーベルでした。
このセットでは、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集や、モーツァルトの数多くの作品、そしてシューマンのピアノ四重奏曲にピアノ五重奏曲、ブラームスのピアノ四重奏曲集に、ドヴォルザークの弦楽四重奏曲第14番とピアノ五重奏曲、シューベルトのピアノ五重奏曲『ます』、シュミットのピアノ五重奏曲、 レスピーギのドリア旋法の弦楽四重奏曲などを収録。バリリ四重奏団の味わい豊かな演奏を多彩な作品で楽しむことができます。
なお、バリリ四重奏団は、1959年にワルター・バリリが右肘を痛めたために活動を停止しているので、活動期間は14年ほどとなりますが、レコーディングは彼らの最も良い時期の5年ほどのあいだに集中的におこなわれていたので、演奏はどれも水準が高いものとなっています。また、音質の方も、モノラル後期ということでテープ録音のクオリティにも上々なものがあり、ウィーン・スタイルの室内楽を細部までじっくり楽しむことができるのはやはり朗報です。
【収録情報】
Disc1
ベートーヴェン:
● 弦楽四重奏曲第1番ヘ長調 Op.18-1
● 弦楽四重奏曲第2番ト長調 Op.18-2
● 弦楽四重奏曲第3番ニ長調 Op.18-3
録音時期:1953年(第1,2番)、1952年(第3番)
Disc2
ベートーヴェン:
● 弦楽四重奏曲第4番ハ短調 Op.18-4
● 弦楽四重奏曲第5番イ長調 Op.18-5
● 弦楽四重奏曲第6番変ロ長調 Op.18-6
録音時期:1952年(第4,5番)、1953年(第6番)
Disc3
ベートーヴェン:
● 弦楽四重奏曲第7番ヘ長調 Op.59-1『ラズモフスキー第1番』*
● 弦楽五重奏曲ハ長調 Op.29**
ヴィルヘルム・ヒュプナー(第2ヴィオラ)**
録音時期:1955年(第7番)、1953年
Disc4
ベートーヴェン:
● 弦楽四重奏曲第8番ホ短調 Op.59-2『ラズモフスキー第2番』*
● 弦楽四重奏曲第9番ハ長調 Op.59-3『ラズモフスキー第3番』*
録音時期:1956年(第8番)、1955年(第9番)
Disc5
ベートーヴェン:
● 弦楽四重奏曲第10番変ホ長調 Op.74『ハープ』*
● 弦楽四重奏曲第11番へ短調 Op.95『セリオーソ』*
録音時期:1956年(第10番)、1952年(第11番)
Disc6
ベートーヴェン:
● 弦楽四重奏曲第12番変ホ長調 Op.127*
● 弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 Op.130
録音時期:1956年(第12番)、1952年(第13番)
Disc7
ベートーヴェン:
● 弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 Op.131
● 大フーガ 変ロ長調 Op.133
録音時期:1952年
Disc8
ベートーヴェン:
● 弦楽四重奏曲第15番イ短調 Op.132*
● 弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 Op.135
録音時期:1956年(第15番)、1952年(第16番)
Disc9
モーツァルト:
● 弦楽四重奏曲第1番ト長調 K.80 (73f)*
● 弦楽四重奏曲第2番ニ長調 K.155 (134a)
● 弦楽四重奏曲第3番ト長調 K.156 (134b)
● 弦楽四重奏曲第4番ハ長調 K.157
録音時期:1955年(第1,2番)、1955年(第3,4番)
Disc10
モーツァルト:
● 弦楽四重奏曲第5番ヘ長調 K.158
● 弦楽四重奏曲第6番変ロ長調 K.159
● 弦楽四重奏曲第7番 変ホ長調 K.160 (159a)
● 弦楽四重奏曲第8番ヘ長調 K.168
録音時期:1955年
Disc11
モーツァルト:
● 弦楽四重奏曲第9番イ長調 K.169
● 弦楽四重奏曲第10番ハ長調 K.170*
● 弦楽四重奏曲第11番変ホ長調 K.171*
● 弦楽四重奏曲第12番変ロ長調 K.172*
録音時期:1955年2月(第9,10番)、1955年3月(第11,12番)
Disc12
モーツァルト:
● 弦楽四重奏曲第13番ニ短調 K.173*
● 弦楽四重奏曲第14番ト長調 K.387
● 弦楽四重奏曲第20番ニ長調 K.499*
録音時期:1955年(第13,20番)、1953年(第14番)
Disc13
モーツァルト:
● 弦楽四重奏曲第21番ニ長調 K.575
● 弦楽四重奏曲第22番変ロ長調 K.589
● ディヴェルティメント ニ長調 K.136 (125a)*
● ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137 (125b)*
録音時期:1954年(第21番)、1953年頃(第22番)、1955年
Disc14
モーツァルト:
● ディヴェルティメント ヘ長調 K.138 (125c)*
● 弦楽五重奏曲第1番変ロ長調 K.174 */**
● 弦楽五重奏曲第2番 ハ短調 K.406 */**
ヴィルヘルム・ヒュプナー(第2ヴィオラ)**
録音時期:1955年
Disc15
モーツァルト:
● 弦楽五重奏曲第3番ハ長調 K.515**
● 弦楽五重奏曲第5番ニ長調 K.593**
ヴィルヘルム・ヒュプナー(第2ヴィオラ)**
録音時期:1953年(第3番)、1954年(第5番)
Disc16
モーツァルト:
● 弦楽五重奏曲変ロ長調 K.46
● セレナード第9番ニ長調 K.320『ポスト・ホルン』
ヴィルヘルム・ヒュプナー(第2ヴィオラ)**
ウィーン・フィルハーモニー木管グループ(セレナード)
オットー・リューム(コントラバス:セレナード)
ヨーゼフ・レヴォーラ、カール・ガヴァンダ(トランペット:セレナード)
ハンス・ゲルトナー(ティンパニ:セレナード)
録音時期:1955年、1953年 or 1954年6月(セレナード)
Disc17
ドヴォルザーク:
● ピアノ五重奏曲イ長調 Op.81
● 弦楽四重奏曲第14番変イ長調 Op.105
エディット・ファルナディ(ピアノ:五重奏曲)
録音時期:1954年
Disc18
● レスピーギ:歌曲『夕暮れ』*
● レスピーギ:ドリア旋法の弦楽四重奏曲
● シューベルト:ピアノ五重奏曲イ長調 D.667『ます』*/***
セーナ・ユリナッチ(ソプラノ)
パウル・パドゥラ=スコダ(ピアノ)
録音時期:1954年(レスピーギ)、1958年(シューベルト)
Disc19
ブラームス:
● ピアノ四重奏曲第1番ト短調 Op.25*
● ピアノ四重奏曲第3番ハ短調 Op.60*
イェルク・デムス(ピアノ)
録音時期:1956年
Disc20
● ブラームス:ピアノ四重奏曲第2番イ長調 Op.26*
イェルク・デムス(ピアノ)
録音時期:1956年
Disc21
● シュミット:ピアノ五重奏曲ト長調
● ヤナーチェク:ピアノと室内管弦楽のための小協奏曲
イェルク・デムス(ピアノ:シュミット)
フランツ・ホレトシェク(ピアノ:ヤナーチェク)
ウィーン・フィルハーモニー木管グループ(ヤナーチェク)
録音時期:1952年(シュミット)、1954年(ヤナーチェク)
Disc22
シューマン:
● ピアノ四重奏曲変ホ長調 Op.47*
● ピアノ五重奏曲変ホ長調 Op.44*
イェルク・デムス(ピアノ)
録音時期:1955年
バリリ四重奏団
ヴァルター・バリリ(第1ヴァイオリン)
オットー・シュトラッサー(第2ヴァイオリン)
ルドルフ・シュトレンク(ヴィオラ)
リヒャルト・クロチャック(チェロ)
エマヌエル・ブラベッツ(チェロ)*
録音場所:ウィーン、コンツェルトハウス、モーツァルトザール
録音方式:モノラル(セッション)
原盤:Westminster
クラムシェル・ボックス仕様