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交響曲全集(第1番〜第9番) ギーレン&南西ドイツ放送交響楽団、ザールブリュッケン放送交響楽団(ミヒャエル・ギーレン・エディション第2集)(10CD)

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
SWR19014CD
組み枚数
:
10
レーベル
:
:
Germany
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ミヒャエル・ギーレン・エディション第2集
ブルックナー交響曲全集(第1番〜第9番)


ドイツのSWRレーベルによるミヒャエル・ギーレンのシリーズに第2集が登場。2013年録音の第9番は驚き。楽員のやる気に満ちた演奏が、楽曲のすべての音符に血を通わせたかのような表現に結実。バーンスタインの第2楽章を上回る迫力のスケルツォに、深い情感と壮絶な破壊に泣けるアダージョは特に聴きものです。

【ミヒャエル・ギーレン・エディション】
3年間に渡って全10集のリリースが予定されており、初出音源も多数という注目の企画。今回の第2集、ブルックナーの交響曲全集でも、第1番、第2番、弟8番、第9番が初登場となります。
 録音時期は1968年から2013年で、若き日の第2番から、86歳での第9番まで、さまざまな時期のギーレンの演奏を楽しむことができます。

【ミヒャエル・ギーレン】
近代・現代音楽ファンの絶大な支持を得る指揮者で作曲家、ミヒャエル・アンドレアス・ギーレンは、1927年7月20日、高名な演出家の父親と女優の母親というきわめて劇場的な環境のもと、ドレスデンで誕生。
 その後、父がベルリン国立歌劇場の指揮者クレメンス・クラウスに招かれたため、ベルリンへ移りますが、同地が反ユダヤ政策の本拠地であったこともあり、母がユダヤ人のギーレン家は、ウィーンへ逃れることになります。
 しかし、1940年にはオーストリアはナチス・ドイツに併合されてしまったため、父がエーリッヒ・クライバーから招かれたこともあって、一家はアルゼンチンへと亡命。
 同地でギーレンは、作曲・ピアノ・理論・哲学を学び、テアトロ・コロンの練習指揮者をつとめます。
 その間、1949年には同テアトロ・コロンで作曲者の生誕75周年を祝い、シェーンベルクのピアノ作品全曲演奏会を開く一方、“弦楽四重奏のための変奏曲”を作曲するなど、若い頃から前衛的な作品への取り組みはきわめて積極的だった模様です。
 同時に歌劇場の練習指揮者として劇場人としての経験も積んでおり、1950年からウィーン国立歌劇場の練習指揮者も務め、1952年には指揮者として正式にデビューしていますが、プログラム前半はシェーンベルクのピアノ曲、後半は“兵士の物語”というなんとも斬新なものでした。
 また、この頃にはまだ若かったアルフレート・ブレンデルとシェーンベルクのピアノ協奏曲の世界初録音をおこなっています。
 そうした実績が買われてか、1960年から1965年にかけてはストックホルム王立歌劇場の首席指揮者として、また、1965年から1968年にはケルンのオペラでも活躍。
 この頃の前衛的活動としては、B.A.ツィンマーマンのオペラ“兵士たち”の初演(1966年)や“ある若き詩人のためのレクイエム”初演(1969年)という二大傑作への取り組みが有名です。特に前者は演奏不可能と言われていた作品だけに、ギーレンの果敢なアプローチが果たした役割は非常に大きなものと思われます
 その後、1969年からはアンドレ・クリュイタンスの後任としてベルギー国立管弦楽団の首席指揮者となり、1973年から1975年はオランダ歌劇場、1977年から1987年はフランクフルト歌劇場の芸術総監督、シュトゥットガルト放送交響楽団の指揮者としても活躍。
 同じ頃、1978年から1981年にはロンドンのBBC交響楽団の首席客演指揮者、1980年から1986年にはシンシナティ交響楽団の音楽監督も務め、1986年から現在までは南西ドイツ放送交響楽団の首席指揮者として世界的名声を獲得しているのは周知のとおり。
 日本には1975年と1972年にNHK交響楽団の招きで来演して以来しばらく音沙汰が無く、ようやく1992年に手兵の南西ドイツ放送響と来日して、そのときは一部で大いに話題になったものです。
近年ではザルツブルク音楽祭の常連として一気に知名度を上げており、マニアや比較的若い層を中心に人気が出てきています
 レコーディングは1950年代後半からおこなっていますが、初期のレパートリーはバッハ・ギルドのためのカンタータ集、グルックのフルート協奏曲、ショパンのピアノ協奏曲&ラロのピアノ協奏曲(フルゴーニ)、リストのピアノ協奏曲集(ブレンデル)、バルトークのピアノ協奏曲集(シャーンドル)、フランクの交響曲ニ短調&交響的変奏曲、プロコフィエフのピアノ協奏曲集(フルゴーニ)、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番&チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番(ブルメンタール)、シェーンベルク:協奏曲集(マルシュナー、ブレンデル)等々、実に多彩。
 その後、1970年代には名高い『モーゼとアロン』をレコーディングして話題になり、以後、複数のレコード会社にさまざまなレパートリーを録音しましたが、近年はドイツのヘンスラーからのリリースが多くなっています。(HMV)

【収録情報】
ブルックナー:交響曲全集(第1番〜第9番)


Disc1
● 交響曲第1番ハ短調 WAB101 (ウィーン版)【初出】

 録音時期:2009年1月25日&1月29日
 録音場所:フライブルク、コンツェルトハウス&グラン・カナリア、アウディトリオ『アルフレード・クラウス』
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

Disc2
● 交響曲第2番ハ短調 WAB102 (1877年第2稿)【初出】

 録音時期:1968年3月14,15日
 録音場所:ザールブリュッケン
 録音方式:ステレオ(セッション)

Disc3
● 交響曲第3番ニ短調 WAB103 (1876/1877年第2稿)

 録音時期:1999年5月3-5日
 録音場所:バーデンバーデン、フェストシュピールハウス
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc4
● 交響曲第4番変ホ長調 WAB104『ロマンティック』 (1874年第1稿)

 録音時期:1994年4月12-15日
 録音場所:バーデンバーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc5
● 交響曲第5番変ロ長調 WAB105 (1878年原典版)

 録音時期:1988年12月8-10日,1989年11月9-10日
 録音場所:カールスルーエ、ブラームス・ザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc6
● 交響曲第6番イ長調 WAB106 (1881年原典版)

 録音時期:2001年3月29日
 録音場所:フライブルク、コンツェルトハウス
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc7
● 交響曲第7番ホ長調 WAB107 (1883年原典版)

 録音時期:1986年12月15,16日
 録音場所:バーデンバーデン、ハンス・ロスバウト・スタジオ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

Disc8-9
● 交響曲第8番ハ短調 WAB108 (1887年版第1稿)【初出】

 録音時期:2007年6月2日
 録音場所:バーデンバーデン、フェストシュピールハウス
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

Disc10
● 交響曲第9番ニ短調 WAB109 (原典版)【初出】

 録音時期:2013年12月20日
 録音場所:フライブルク、コンツェルトハウス
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

 バーデンバーデン・フライブルク南西ドイツ放送交響楽団(第1,3-9番)
 ザールブリュッケン放送交響楽団(第2番)
 ミヒャエル・ギーレン(指揮)

ユーザーレビュー

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買って損は無い名演。4,8番が第1稿だがそれ...

投稿日:2016/08/30 (火)

買って損は無い名演。4,8番が第1稿だがそれも含めて楽しめる(3番が第1稿でなく第2稿なのはギーレンが時折見せる「こだわりのなさ」だろうか?) ギーレンのとんがった演奏を楽しめるのは2,7番。直線的なブルックナーが心地よい。比較的若い歳の録音だったことと関係あるのかも。 1,5,6番は素朴で堂々としてブルックナーらしさを楽しめる。4,8番の第1稿は他にインバルしか知らないが、インバルより堂々として安心して楽しめる。特に8番第4楽章のコーダはすばらしい。 このボックスの白眉は、HMVさんも推しているとおり9番だと思う。特に第1楽章がすごい。朝比奈隆には及ばないがヨッフムの新旧3盤より気に入った。9番のファンの方はそれだけのために買っても損はしないと思う。

湧 さん | 東京都 | 不明

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思いもかけなかった出会いが最後となった ...

投稿日:2016/07/23 (土)

思いもかけなかった出会いが最後となった ひょっこり現れたギーレンのブルックナー交響曲全集は未だ開けぬ梅雨空の下 わたしの“カルモヂイン”の田舎に鳴り響いた 南西ドイツのオーケストラの明るく軽やかな音色とオーケストレーションの細部も明晰に聞かせるスタイルが相乗して透明で爽快なブルックナー・サウンドが生まれた 引退を表明したギーレンが45年間にわたって残した演奏記録がまとめられたことを歓ぶ 演奏録音順は2-7-5-4-3-6-8-1-9 2は40代初め 7は50代終わり 4&5は60代 3&6は70代 1,8&9は80代 9番は86歳での演奏 まるで作曲者の軌跡を辿るかのように中年を迎えてからデビューしたようだ 演奏したスコアは多岐にわたっている 1番はウィーン稿 4番と8番は初稿を用いている それぞれの稿の魅力と演奏頻度の多い稿との差異を明確に伝えていて面白いが欠如感も顕にした ブルックナー交響曲様式が確立した5番からそれ以降を見ると演奏の成否が見える 5番は惜しいことにアダージョが遅い これはアラ・ブレーヴェを4拍子風に演奏したがためだ 6番7番は非の打ち所がない快演 8番は初稿使用とはいえ95分超えはいかにも長い スケルツォでレガート奏法を強調した間違いとアダージョの遅すぎさは老いたるが故と揶揄されても仕方がない 音楽から生命の躍動が消えていることは一聴にして明らかだ 9番も全体に躍動感が失われている やはりアダージョが遅すぎる これはギーレンに限って見られる現象ではない 8番9番でブルックナーが多用した ‘Feierlich’ を誤解している これを「荘厳な・儀式ばった」と思うと重くなる 「祝祭の・晴れやかな」の意を忘れている さらに ‘langsam’ と ‘nicht schnell’ は「遅くしろ」ではない「興に乗ってテンポを速めすぎるな」の注なのだ なぜか スコアを読めば分かる 付点音符や連符を多用するモチーフは自然のアチェレランド以上に 細部の短音符が疎かにされる危惧が予見されたからだ ギーレンの仕事を尊敬している 卒寿を前に引退をしたのは賢明な英断と称揚したい この全集はブルックナー交響曲の魅力を伝える見事な成果であり いつの日かブルックナーの「詩と真実」を解き明かす希望へ向かう道となった 衷心より一聴をお勧めする      

風信子 さん | 茨城県 | 不明

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第2番のみアナログ録音ですが、すべて耳に...

投稿日:2016/07/21 (木)

第2番のみアナログ録音ですが、すべて耳に優しく心地良い音質でした。演奏はユニークです。驚いたのが第8番第2楽章のテンポです。でも面白かったです。

ルシータ さん | 東京都 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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