東山彰良

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062194853
ISBN 10 : 4062194856
フォーマット
出版社
発行年月
2015年05月
日本
追加情報
:
403p;20

内容詳細

第153回直木賞受賞作

青春は、謎と輝きに満ちている――
台湾生まれ、日本育ち。超弩級の才能を持つ「このミス!」出身、大藪賞受賞の異才が、はじめて己の血を解き放つ!

何者でもなかった。ゆえに自由だった――。
1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。
17歳。無軌道に生きるわたしには、まだその意味はわからなかった。
大陸から台湾、そして日本へ。謎と輝きに満ちた青春が迸る。
友情と恋、流浪と決断、歴史、人生、そして命の物語。
エンタメのすべてが詰まった、最強の書き下ろし長編小説!

プロローグ
第一章 偉大なる総統と祖父の死
第二章 高校を退学になる
第三章 お狐様のこと
第四章 火の鳥に乗って幽霊と遭遇する
第五章 彼女なりのメッセージ
第六章 美しい歌
第七章 受験の失敗と初恋について
第八章 十九歳的厄災
第九章 ダンスはうまく踊れない
第十章 軍魂部隊での二年間
第十一章 激しい失意
第十二章 恋も二度目なら
第十三章 風にのっても入れるけれど、牛が引っぱっても出られない場所
第十四章 大陸の土の下から
エピローグ

【著者紹介】
東山彰良 : 1968年台湾生まれ。5歳まで台北で過ごした後、9歳の時に日本に移る。2002年、「タード・オン・ザ・ラン」で第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞。2003年、同作を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』で作家デビュー。2009年『路傍』で第11回大藪春彦賞を受賞。2013年に刊行した『ブラックライダー』が「このミステリーがすごい!2014」第3位、「AXNミステリー闘うベストテン2013」第1位、第67回日本推理作家協会賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 遥かなる想い さん

    2015年直木賞受賞。前評判の高さ通りの本だった。台湾・中国・日本を舞台にした三代にわたるこの骨太な物語は、葉一族の破天荒さと、戦後の台湾の躍動感が気持ちよく、読んでいてひどく懐かしい感覚にとらわれる。葉秋生という主人公の成長を通して描かれる台湾の風景は昔の日本の佇まいにも似て慌ただしい。そして毛毛への想いと血の定め…悪友と破天荒な親の存在は、遠くなってしまった昭和の風景そのものであり…過去を追う中国への旅のたどり着いた先はひどく哀しい…最後は交錯する台湾・中国の歴史の重みにため息をつく、そんな話だった。

  • starbro さん

    直木賞候補になった時点で図書館に予約したので出遅れようやく読めました。東山彰良はブラックライダーに続いて二作目です。個々のエピソード、小説自体は面白いと思いますが、本作が直木賞かと言われると疑問です。前回受賞の「サラバ」と比べるとインパクトに欠けるからでしょうか?いずれにしても選考委員はホメ殺しのような気がします。「20年に一度の傑作」北方謙三、「エンタメ界の王貞治」東野圭吾他、本当に思っているでしょうか?

  • yoshida さん

    濃厚な作品だった。台湾に住む主人公の葉秋生の成長と、彼の一族のルーツが70年代から80年代の台湾を背景に描かれる。葉秋生のルーツは山東省にある。国共内線で祖父と家族は台湾に移り住む。台湾で商売を始める祖父。蒋介石の死後、祖父は何者かに殺される。高校生だった秋生は犯人を探し始め、流転の人生を歩き始める。青春の光と影。淡い恋の終わりと、その理由。本省人達の考えと、戦争を生き抜いた人々の荒々しさ。そして、義兄弟と一族への熱い気持ちが新鮮だった。葉一族の一大叙事詩と言える。台湾と中国の関係を改めて考えた力作です。

  • だんじろー さん

    圧倒的なスケール。「エンタメ」というジャンルを超越した、骨太の人間小説である。装丁が思いっきり地味で、とっつきにくさ満載だが、軽いエピソードが絶妙に差し挟まれて、いざ読み始めると止まらない。中国名にところどころ読み仮名がふられているので、頁を遡る心配もない。台湾には仕事を含め何度か足を踏み入れているが、自分の歴史観がどれほど上辺だけだったのかを思い知らされる。

  • ウッディ さん

    台湾で生まれ育った一人の青年の人生を描いた物語。祖父への思い、その死、家族との関わり、幼馴染との恋愛、軍隊生活、どのエピソードもザラッとした感触で、すんなり心に入ってこないものの、印象に残る話が多かった。台湾という時代に翻弄された国特有のものなのか、幽霊騒動やこっくりさん、お狐様などオカルトや迷信に近いものに対する考え方が、理解しにくいものでした。それでも、毛毛への想い、恋愛には臆病な青年特有の心情は、場所や時代を超えて、共通なのかもと思いました。壮大な物語でありながら、読みやすい文体で楽しめました。

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人物・団体紹介

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東山彰良

1968年台湾台北市生まれ。9歳の時に家族で福岡県に移住。2003年に第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞受賞の長編を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』で、作家としてデビュー。09年『路傍』で第11回大藪春彦賞を、15年『流』で第153回直木賞を、16年『罪の終わり』で

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