Is That The Way To Your Heart+1

"前作「The Direction-West」から２年、そして、アメリカではKazu Matsui Project名義で出されたロベン・フォードの「Love's A Heartache」から僅か１年。プロデューサーとしての楽しみ、喜びを体で知るようになった松居和は、ロベンのアルバムと同様、ここでも複数のヴォーカリストを曲毎に使い分け、ゴージャスなAOR作品を完成させた。そしてこのアルバムでは特に大きなコンセプトを打ち出すのではなく“曲なり”をとても大切にしている。すなわち、『どの曲にもその曲の行き着く運命のようなものがあり、それを捜すのがプロデューサーである自分の役割』本人自らそう語るように、300以上集められた楽曲の中から、一切の妥協をせず納得のいくまで絞り込み、これをLAの名プレイヤー／シンガー達とともに煮詰めていく、そんなアルバムだ。どの曲も違った魅力を持っているが、中でも話題となるのは、当時、安全地帯で人気を獲得しだした玉置浩二の書き下ろし作品であろう。玉置ならではの叙情的なメロディーをノーマン・ドジャーが歌い、これがまた何とも言えない切なさを届けてくれる。また、ボーナス・トラックとして初めてCD化されるも、注目したいナンバー。これは本作の出る半年以上前にシングルのみでリリースされ、結局はアルバムに入らなかった、知る人ぞ知る１曲だ。それ以外にも、今をときめくプロデューサー：グレン・バラードのオリジナルあり、ケニー・ロギンス・バンドの重要メンバー：ガイ・トーマスとスティーヴ・ウッドによる書き下ろしあり、松居和を語るときの外せないライター：ジェフ・デイの曲が３曲と、彼独自の感性と人脈で創り上げた、今なおフレッシュなヴォーカル作品と言って良いだろう。アメリカではPassport Jazzからリリースされ、本土でも多くのファンを掴んでいる。
＜参加ミュージシャン＞
Vocal : Norman Dozier(1,7), Phil Perry(2,10), Phillip Ingram(3,5),
　　　 Gregory Walker(4,8), Lorrie Griffin(4), Eric Tagg(6),
Marva King(9,12), Guy Thomas(11)
Guitar : Paul Jackson,Jr.(1,3,5), Charles Johnson(2,10), Dann Huff(3,4,9),
Robben Ford(6), Grant Geissman(7)
Keyboard : Bill Cuomo(1), Bill Meyers(2,4,5,6,7,9), Randy Waldman(3,5),
Russell Ferrante(6,7), Bernaby Finch(8,9),
John Barnes(9,10,12), Derek Nakamoto(9,10,12)
Drums :Vinnie Colaiuta(2), Ed Greene(3,5,8,12), Carlos Vega(6,7)
Bass : Abraham Laboriel(8,12), Nathan East(3,5,6,7)

他"